ガンダム作品「何から観るべきか問題」に結論 『水星の魔女』『閃光のハサウェイ』推奨のワケ

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2023年02月09日 07:11  リアルサウンド

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『小説 機動戦士ガンダム 水星の魔女』1巻

 ガンダムは何から観るべきか……それは、ガンダムファンおよび初めてガンダムに触れようとする人が、長年直面し続けてきた難題であった。最初のファーストガンダム(『機動戦士ガンダム』)から順を追えばいいのか、画が今のアニメと馴染む近年のものから入るのか、アニメは話数が多いから映画からか、はたまた前提知識の要らない外伝的な作品かーー。


(参考:【写真】『機動戦士ガンダム 水星の魔女』スレッタらの制服コスチュームがかわいい


 私は以前(2018年)、映画化された作品を中心に宇宙世紀をなるべく短時間でなぞるべきだと結論づけた。皆解決できていなかった問題だからか、一時Yahoo!ニュースのトップにも掲載され、もしかしたら目にされた方もいるかもしれない。


 時は令和5年。この結論は今でも変わらないか? 答えは否。ガンダムは何から観るべきかーーそんなもの、「『水星の魔女』を観ろ」に決まっているだろう。


 『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は2022年10月放送開始のガンダム作品で、2023年2月現在未完の作品である。ガンダムの中にあって珍しく学園もので、「水星ってお堅いのね」や「ダブスタクソ親父」など毎話放送時間には印象的なワードがトレンドに上がっており、そちらを目にした方も多いだろう。


 ガンダムは兵器なので、戦争をベースにした展開が通常だ。しかし戦争・世界情勢から描こうとすると暗く難しくなり、どうしても初めて観る人にとって障壁が高くなってしまう。


 一方「学園もの」というスケールは誰にでも身近でとっつきやすく、軍や国の対立もないので全体の情勢がイメージしやすい。つまり普通のアニメのキャッチーさがあるのだ。初めて観るのにこれ以上のガンダムはない。実際、筆者の周りでも『水星の魔女』で初めてガンダムにハマったという人が多かった。


 この特殊なガンダムである『水星の魔女』だが、一方で既存ガンダムファンに対しても抜かりがない。


 過去にも新たな機軸のガンダムは作られてきたが、ガンダムファンに最初は受け入れられづらかった歴史がある。いきない拳で殴り合ったり、ガンダムが川で洗濯したりと「こんなのガンダムじゃない」と離れてしまう人も出ていたのだ(後に受け入れられることが多いが)。しかし水星の魔女は対策を取っていた。それが放送開始前に公開された前日譚『PROLOGUE』である。


 PROLOGUEは正にガンダムらしい世界感で描かれ、あくまでこれから始まる『水星の魔女』は戦争・戦いのあるガンダム世界の中にあるものだと宣言している。「『水星の魔女』はガンダムである」ことを保証したのだ。


 その世界の中で、本編で行われるのが決闘であり、学園生活を中心にストーリーが展開されるからこそ、外の世界で待ち構える戦いの存在が常に緊張感を与え続けている。この保証を必要としない新規ファンは1話から観るので問題ない。既存のファンに届けることで過剰な防御反応を抑止し、その先の展開を想像させる。


 そして1クール目の最終話。外のガンダム世界と学園の構造、そして学園で行われているのが”決闘”というガンダム世界に見合わないものであったことが、全て演出として結実していく。決闘だから血は流れなかった。負けた側もパイロットは無傷だった。決闘であった意味が、最も恐ろしい形で視聴者に提示される。1話から観た人も、水星の魔女がガンダムであったこと知る。初めて観るガンダムに、これ以上の作品はない。


 2クール目は4月放送開始を予定していて、まだ時間がある。『水星の魔女』を観たあなたは次に、『逆襲のシャア』(1988年)と『閃光のハサウェイ』(2021年)を観よう。


 『閃光のハサウェイ』は最新のガンダム映画だ。何度も観たい素晴らしいモビルスーツ戦闘シーンも多くある本作だが、演出のフォーカスが「人」に当たっていることが今までのガンダム映画との大きな違いだ。簡単に言うと、ガンダムとしてだけでなく映画として面白い。


 ただ『閃光のハサウェイ』の前提知識として、『逆襲のシャア』は観ておいてほしい。そうでないと、さすがに謎の人物が多すぎる。『逆襲のシャア』に対しての前提知識は……「アムロとシャアという因縁のライバルがいるよ」でギリギリ何とかなる。ちょうど4月までの期間、水星の魔女と同じ放送枠でテレビでも放送されており、バンダイも次に見てほしい作品だと考えているようだ。


 本サイトは「リアルサウンド ブック」なので本の話をすると、『閃光のハサウェイ』は34年前に発行された全3巻の小説が原作である。公開された映画は3部作の1作目で、この後も2作待ち構えている状態。つまり映画はまだ物語の途中であるもの、ガンダムファンは原作を読んだりゲームで触れたりして結末を知っているのだ。果たして映画は同じ結末を迎えるのか……これも注目のポイントだ。


 このようにガンダムは主にテレビでメインの史実が作られ、その間や横を小説、マンガ、ゲーム、プラモデルといったメディアで展開され形づくられている。


 「ガンダムエース」というマンガを中心としたガンダムオンリーの雑誌も発行される程で、ガンダム作品は無限に語られ続け、ジャンルも多岐に渡っている。いまだに映像化されていない作品も多く、その中に登場するモビルスーツが人気だったりということも多い。


 今までガンダムを観てこなかったあなたにも、趣味に合う作品・形態がきっとあるだろう。ピンと来るものを見かけたら、コアなファンダムがある作品だからと遠ざけずに、ぜひ手にとってほしい。


(布村壮太)


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  • 『閃光のハサウェイ』�Ԥ��Ԥ��ʿ������� テレビエディションで初めて視たTV 面白いけど、クライマックスの クスィー vs ペネロペ 戦が、薄暗くてよーわからんかったŷ����
    • イイネ!6
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