4月1日、川崎フロンターレが公式ツイッターを更新。そこにはFW小林悠が青黒のコックコートを身にまとい、皿いっぱいに盛り付けた肉を手に持つ姿があった。画像には「いよいよ開店」「思いを焦がせ」などと熱いキャッチコピーが並ぶ。
https://twitter.com/frontale_staff/status/1641938422943166466
ユーモアあふれるこの投稿、ハッシュタグを見ればエイプリルフール企画であると分かるが、実は単なるネタ投稿ではなくサポーター、対戦相手、スポンサーを巻き込んだ複合的な動きなのだ。
1日に北海道コンサドーレ札幌と対戦する川崎Fだが、2023シーズンからユニフォーム左袖にエバラ食品のロゴが入っている。一方の札幌はジンギスカンのたれなどを手がけるベル食品とパートナー契約を結んだことから、両クラブの対戦は『たれダービー』という位置付けになった。
小林悠と札幌の間のエピソードにも触れなければならないだろう。小林は札幌相手に2017年以来公式戦12戦連続で計15点を決め、“札幌キラー”として恐れられている。近年ではこれをどうにか食い止めようと札幌サポーターがTwitter上で大規模な誘導作戦を展開。「試合会場が変更された」「試合前に北海道のおいしいものを食べすぎてほしい」のような“小林悠大喜利”で盛り上がっている(小林本人も盛り上がりを認識している)。
このトピックもあり、サポーターだけでなく両クラブのスポンサーも自主的に乗っかるSNSならではの一大ムーブメントが誕生。川崎Fの担当者は、「サポーターがTwitter上で盛り上がっていたので、クラブとしていいかたちで盛り上げられれば。コンサドーレさんにも快く協力いただき感謝している。8月には等々力で“たれダービー”があるので、またいろいろと企画したい」と語る。
https://twitter.com/frontale_staff/status/1641939701862117376
撮影時の裏話も紹介しよう。衣装は高級焼肉店をテーマに、川崎の主婦の方々からなる“フロンターレ衣装部”が制作。撮影当日、衣装を手渡された小林は「これ作ったの? 相変わらず力入れすぎだろ!」とうれしそうにツッコミを入れた。また、撮影前日には登里享平と小林が焼肉店でばったり遭遇したそうで、登里が肉を食べるイメージカットの撮影では、小林から「昨日焼肉を食べてるから、顔つくるのうまいな!」とのやりとりもあったそうだ。
今回の取り組みは話題づくりにとどまらず、実際に味わうことができる。たれダービー開催を記念して、川崎市内の飲食店で限定メニューを販売するという。
https://twitter.com/frontale_staff/status/1641961071169925121
結びに、肝心の試合開催情報。明治安田生命J1リーグ第6節、北海道コンサドーレ札幌 対 川崎フロンターレは4月1日19時から札幌ドームで行われる(この情報はエイプリルフールではありません)。