わが子がまだ小さな頃の”お手伝い攻撃”に、手を焼いた経験はありませんか? とくに料理は目が離せない場合も多く、ママ自身の作業が滞ることもしばしば。正直ありがた迷惑なのですが、本人の成長を願ってつきあうママも少なくなさそうです。
ママスタコミュニティで見つけたのは、娘さんのお手伝いの申し出に悩む方からの投稿でした。娘さんは中学生。もう立派な”戦力”になりそうですが、さて?
勝手なメニュー変更に、面倒なリクエスト。もう勘弁して
『ひどい母親ということは、わかっているのですが……。娘が「お手伝いしようか?」と、キッチンに乱入してきます。私はすべてのメニューを考え食材を用意しているのに、予定していたメニューを変えてしまったり、作るはずもなかった料理を勝手に作ったり……』「乱入」「勝手に」などの言葉から、投稿者さんがイライラしていることが伝わってきます。娘さんは具体的にどんなことをするのでしょうか。
『副菜に使う予定だったナスを目にして、「揚げナスの入った味噌汁がいい」。揚げ物をする面倒が増えました。冷ましておいた茹でたての食材に、勝手に手を出してヤケド。薬を出してあげる手間が増えました』さらに「そのおかずは、パパは嫌いだよ。こっちにしたら?」と、余計なアドバイスまで。投稿者さんが「そのメニューは面倒だから、今日は作りたくない」と断ると、副菜に使うはずだった野菜を勝手に使って別なものを調理。「洗い物をしてくれるのは助かるけど、私は今片付けたいのに邪魔だなって思ってしまう。なんだか疲れちゃった」と、言います。
『ひどいね。お手伝いしようとしているのに「乱入」、単なる会話を「余計なお世話」だって。娘さんかわいそう』投稿者さんを非難するコメントもいくつかありました。投稿者さん自身が「ひどい母親」と認めるように、わが子の善意を迷惑に感じるなんて母親として忍耐が足りないのでしょうか。
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娘さんに気を遣いすぎでは?お手伝いならあくまでもサブ
しかし集まったコメントの多くは、投稿者さんの気持ちに共感するものでした。
『仕事でも家事でも自分主体で進めている作業に、手伝いの人が指図してきたらイライラするのは当然だと思う』親子間の話であることでわかりにくくなっていますが、たしかに同じようなことが仕事の場面であったとしたら、どちらに非があるかは明らかです。
『よくわかる。自分の計画を覆されてイライラするけど、手伝ってくれる気持ちは無下にできない』この方は自分自身が中学生くらいの頃、まったく同じことをやっていたとか。「自分では役に立っているつもりだったけど、迷惑だっただろうな」と、反省しているそうです。
家庭によっては数日分の食材を、あらかじめ計画したメニューに沿って揃えておくこともあるでしょう。家計内でやりくりできるよう、極力まで無駄を減らしたメニューかもしれません。メニューを考えて買い出しをし、その食材を使って料理をするまで、すべてをママが担当している家庭であれば、主体となるのは当然ママ。「お手伝い」はあくまでサブの役割です。
『お手伝い=自分がやりたい作業を低いクオリティでやって褒められる、みたいな。小さな頃の感覚で思考が止まっているよね。お手伝いはメインの母親の指示に沿って作業することだとわかっていない。投稿者さんがやさしすぎるのと、お子さんが少し幼いように思える』
『それはお手伝いではない。投稿者さんは人に気を遣いまくるタイプなんだろうな』
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『普段から娘さんに、言いたいことを言えている? 言いたいことを言えないのは自分なのに、それでイライラしているのなら娘さんもかわいそう』まず娘さんがやっていることは、投稿者さんにとって迷惑な言動。これは前提です。ただ、先ほどのコメントの方のように、娘さん自身は「役に立っている。よいことをしている」と考えている可能性はあります。となれば投稿者さんが母親としてなすべきことは、「それは迷惑だよ」とはっきり教えてあげることではないでしょうか。
娘さんがやりたいのは料理?お手伝い?話し合いを
『私は断っているよ。「今日はメニューが決まっているから、次の土日に手伝って」って。献立のリクエストがあっても「これは○日に作るから、今日は無理だね」と言う』似たような状況の家庭も珍しくないようです。コメントによれば多くのママたちは「今日はできない」「この食材は予定がある」と、きっぱり断っているといいます。
ただ一方で、娘さんのやる気を無下にしたくないのもたしかです。
『話し合ったらいいんじゃない? 料理が好きそうだから、予算を決めて週末のメニューは任せるとか。その代わり平日のメニュー変更はなし。上手くやる気を伸ばせば、数年後には戦力になりそうよ』
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『わが家も似たようなことがありました。娘はメニューを勝手に変えたりはしなかったけれど、考えながら何を作るか決めようとしているときに「これ、どう切るの?」とか、いちいち聞かれるのがつらかった』中学1年生から毎晩一緒にキッチンに立つようになり、2年生に進級した途端にやらなくなったのだそう。数年後に娘さんがポツリと「あの頃は落ち込むことが多くて、ひとりで部屋にいるのがつらかった。お手伝いは家族のそばにいる口実。ママとくだらない話をしていたおかげで乗り越えられた」と教えてくれたのだそうです。
投稿者の娘さんがやりたいのは、お料理でしょうか? お手伝いでしょうか? お料理なら週末に丸ごと任せる、お手伝いなら頼んだことだけしてもらうなど、それぞれで解決法が違いますよね。みなさんのコメントにもあったように、まずは親子で本音を伝え合うことから始めてみてはいかがですか?
文・鈴木麻子 編集・すずらん イラスト・マメ美