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日本国内では1975年「テレビテニス」の発売を皮切りに始まった家庭用ゲームの歴史。以来約50年、年齢性別問わず幅広い世代が楽しめる娯楽として、その市場は拡大を続けていますが……時の流れはある残酷な事実を突きつけている模様。
それは、世代間による「レトロゲーム」という単語の捉え方の違い。こう聞いて真っ先に「ファミコン」や「ゲームボーイ」を思い浮かべた方、これを機に認識をアップデートしたほうが良いかもしれませんよ。
これは特に、筆者と同じ30代以上の方に肝に銘じてほしいこと。1970代後半から1980年代に生まれた方であれば、幼少時からコンピューターゲームが身近にあったものと思います。その頃に夢中になってプレイしたファミコンやスーパーファミコン、ゲームボーイといった機種を、レトロゲームと捉えるのはごく自然なことでしょう。
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ところが、現代は2000年生まれの方が大学を卒業し、90年代後半生まれの方が社会に出て活躍している時代。この世代が幼少時にプレイしたゲーム機は「プレイステーション2(2000年発売)」や「ニンテンドーDS(2004年発売)」「Wii(2006年発売)」などが主ですから、これらを「レトロゲーム」として認識しているのです。
……何ということでしょう、と感じた方も多いかもしれませんね。ニンテンドーDSやWiiなんてついこの間発売されたような感覚ですが、時の流れは速いものです。最近は小学校の教科書に「親世代の子どもの頃の遊び」としてファミコンが紹介されているなど、その扱いはもはや「歴史の資料」……。
年齢が離れている者同士が話す際、好きな歌手や流行った言葉、などでジェネレーションギャップを感じることはよくありますが、これはゲームの話題においても言えることなのです。
また、よゐこの有野晋哉さんが出演するレトロゲーム番組「ゲームセンターCX」でも、取り扱うゲームの定義は「ハード発売から20年経過」とされており、プレイステーション2やゲームキューブ、ゲームボーイアドバンスまでプレイするようになったのは記憶に新しいところ。
これらラインナップに、もうすぐニンテンドーDSやプレイステーション3(2006年発売)も仲間入りを果たすようです。ファミコンと比べてはるかに性能が向上したハードでも、今や「古いハード」という認識。それだけゲームの進化速度が速いということでしょうが……やはり「レトロゲーム=ファミコン」と捉えていた世代からすると、戸惑いを隠しきれません。
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もちろん、いかに時が過ぎようとも、かつてのゲームの本質的な面白さが失われるわけではありませんが、まだ新しいと思っていたゲームハードが、実はもうレトロゲームとして扱われている、という事実からは、目をそらさない方が良いと言えそう。他のことにも共通することですが、固定観念に捉われず、常に感覚を新しく持っておきたいところです。
(山口弘剛)
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