○ DeNA 13 − 3 広島 ●
<9回戦・横浜>
打線が先取点を取り、先発がゲームを作る。DeNAが6連敗と苦しんだ時期にはできなかった理想の試合の形を作り、広島を撃破。13−3の大勝でこのカード勝ち越しを決めた。
前回5回4失点と結果を出せなかった先発の東克樹は、初回にピンチを迎えるも無失点で切り抜けると、2回からは7連続三振を奪うなど完全に立ち直り、8回121球、3失点、10奪三振の熱投を披露。広島から2018年のルーキーイヤーぶりとなる勝ち星を手にすると同時に、チームとしても5月3日のバウアー以来となる先発に白星を付けることに成功した。
打線は2回、山本祐大のスクイズで先制すると、東も四球を選び、1番の佐野恵太がセンター右に豪快に叩き込む3ランで一挙4点を奪取。3回にも佐野が押し出し四球で加点すると、6回には打者13人の猛攻で8点を奪い計13得点と、今季2度目の二桁得点を記録。ベイスターズファンの「バンザイ」の声が、幾度となく横浜スタジアムに轟いた。
◆ 二夜続けて采配ズバリ的中
試合後、三浦大輔監督は2回のスクイズについて「先制点取って上位に回して」との意図があったと説明し、「佐野が見事にホームランという最高の結果でね、序盤から主導権を握れたと思います」と会心の先制劇に納得のコメント。「打つだけではなくフォアボールも絡めて、繋いで繋いでと効果的な追加点が取れたと思います」と爆発した打線に高評価を与えた。
今季4勝目を掴んだ東には「ここのところ先発陣が立ち上がり捕まることが多かったですけれども、東がいい立ち上がりを見せてくれましたし、ボールの走りも非常に良かったと思います。追加点もらいながらも点数を守ろうというのではなく、どんどん攻めていったと思います」と評価。前回との違いには「ストライクを投げるだけが精一杯だけではなく、その中で配球を考えながら、ここで空振り、ここでファールと、一球一球というのができていた」と分析した。
東自身は「先発としてイニングをしっかりと投げられたことは非常に良かった」と自己評価。2回から4回にかけて7連続三振を奪いセ・リーグ記録にリーチを掛けていたことに関しては「知らなかった」ようだが、「コーナーに丁寧に投げることだけを意識した」とし、決して三振を狙っていたわけではないと説明した。
前回登板の巨人戦で初黒星を喫してから中6日。「5回でマウンド降りて非常に悔しい思いをしたので、次の試合をどう抑えるかがシーズン通して大事になってくると思った」と、この日は決意の登板だったとし、「今日はそれができたので良かったです」とホッとした表情。
前回も「まっすぐは走っていた」とのことだが、「走っているからと言って真っ直ぐで押すのではなく、様々な球種を使いながらというところを今日はテーマに、(山本)祐大と2人でやることができた」とバッテリーでの共同作業が勝利の要因とした。
昨夜は逆転、今日は大勝で連勝。「チーム全体がいいリズムに乗ってきたかなと思います」と手応えも口にした指揮官。泥沼を抜け出した三浦ベイスターズは、再び頂に向かって走り出した。
取材・文・写真=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)