コンビニなどでサラダチキンと一緒に売られ大ヒットとなっている豆腐バー。開発のきっかけは、アメリカで目撃した“衝撃的な”豆腐の楽しみ方でした。
【画像で見る】“スイートポテト味”に“ほうじ茶味”も…大ヒット「豆腐バー」
おやつ感覚の“スイーツ系”も「満腹感あるけどヘルシーさが良い」(20代女性)
「コンビニで手軽に買えるから、ランチを食べ損ねた時に」(30代男性)
と、“ヘルシー&食べ応え”で注目されるスティック状の「豆腐バー」。
今や、全国のスーパーでも10種類以上の味が販売されています。
昆布出汁で味付けされたものや、バジルで香り付けされた洋風タイプ。
“おかず系”だと、すき焼きの甘いタレが染み込んだ「すき焼き風」(171円)だったり、レンコンや椎茸、ニンジンなどが入った「蓮根と枝豆」(214円)など。
THE TIME,マーケティング部 原千晶部員:
「蓮根のシャキシャキ感がしっかり残っています。お出汁の味もきいていて、煮物を食べている感覚です」
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さらには、紅はるかを使った「スイートポテトバー」や「香ほうじ茶バー」(各214円)など、“スイーツ系”の豆腐バーもあるんです。
作り方に隠された「ヒットの秘密」“手を汚さずにワンハンドで食べられる”のも人気のポイントですが、一体どのように作っているのか?
大豆製品を作り続けて50年以上、豆腐バーを最初に開発・販売した『アサヒコ』の行田工場(埼玉県)におじゃましました。
すりつぶした大豆を加熱して豆乳にするところまでは、一般的な豆腐と同じ。
この後、豆乳に「にがり」を混ぜてプレスし水分を抜くのですが、ここでワンポイント!
通常の豆腐は、上下2枚の布でプレスし成形しますが、豆腐バーはさらに圧力をかけ水分をギリギリまで抜いていきます。これで、しっとりしながらも食べ応えのある“硬い食感”が生まれるのです。
スティック状にカットし、まんべんなく味がつくようタレをシャワー状にかけたら、ここでもワンポイント!
絶妙な温度調整で焼きつけて「乾燥」させることで、味を染み込ませるだけでなく、“パッケージからタレがこぼれにくく”しているのも、ヒットの秘密なんだそうです。
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この画期的な商品を開発したのは、2018年に途中入社し“わずか5年”で社長になった、池田未央さん(52歳)です。
食生活の多様化で豆腐の消費量も減り、老舗の『アサヒコ』でも売上が低迷。そんな中、池田さんが注目したのは、2014年からの10年で“約3倍”に伸びている「タンパク質補給食品の市場」でした。
『アサヒコ』池田社長:
「豆腐を“伝統食”ではなく、“植物性のたんぱく源”として食べてもらえれば、どこかにチャンスがあるんじゃないかと」
そして新商品を模索する中、アメリカでの市場調査が転機をもたらします。
池田社長:
「スーパーに行ったら豆腐が売っていた。よく見ると〈firm〉(硬い)、〈extra firm〉など、すごく硬い豆腐があって、お肉の代わりに食べている」
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さらに、飲食店では“バーベキュー味”や“メープルシロップ味”など、豆腐の食べ方に衝撃を受けたという池田さん。「こういうクールなお豆腐を日本でも再現したら、もう一回豆腐に注目してもらえるのでは」と、“硬さ”と“味付け”の発想を変えたといいます。
すると、大当たり!
豆腐バーは、2020年の発売以降7500万本以上売れる大ヒット商品となり、会社の売上は1.5倍以上に。
池田さんは社長になるだけでなく、豆腐業界に貢献したことが認められ、「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2025」も受賞しました。
そんな池田さんの次なる目標は…「豆腐で宇宙食」。
池田社長:
「豆腐の色んな制約を超えていった先に“宇宙”があると思っていて、チュウチュウ飲める豆腐があったら格好いいんじゃないかなと」
THE TIME,12月レギュラーの杉山愛さんは、ほうじ茶味の豆腐バーを試食。
口に入れた瞬間に「ん〜美味しい!」との反応に、安住紳一郎アナから「『ん〜』早くないですか?」とツッコまれつつも、
「食感は豆腐ハンバーグよりもちょっと硬め。甘みもあって、豆腐とほうじ茶って合うんですね」と初めて食べる豆腐バーに驚いた様子で話し、「これならおやつとして罪悪感なく食べられる」とパーフェクトな“食レポ”を披露した。
(THE TIME, 2024年12月23日放送より)