「ひたすら折り鶴を折り続ける」20年前の壮絶バイト経験「今思うと完全に騙された」怪しい求人には注意して

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2024年12月27日 07:00  まいどなニュース

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春巻きの皮で折られた見事な折り鶴 ※山田めしがさん提供

「春巻きの皮の鶴、あまりにもかっこよいので見てください」

【写真】20年前の「地獄の折り鶴エピソード」

調理師/写実絵師として活動されている山田めしがさん(@meshieshi)が、春巻きの皮で作ったという見事な折り鶴をX(旧Twitter)で披露。「おつまみに良さそう」、「オードルブルとかに入っていたら嬉しいです」などの声が上がっています。

とても美味しそうな折り鶴。しかし、山田さんによると、この折り鶴が作れたのは「『千羽鶴を折るだけ』という謎のお仕事を経験したおかげ」だそう。

山田さんは本ポスト内で、その時の“折り鶴地獄エピソード”も紹介されています。

ひたすら折り鶴を折り続ける生活…報酬は?

以前、「山田さんは初期費用6万5千円を振り込み、送られてきた折り紙でひたすら鶴を折り、紐を通して納品」という仕事を経験したことがあったといいます。

求人には、「1日12羽折るだけで、月3〜6万稼げます」という謳い文句もついていたそう。

今から考えると明らかに怪しげな内容ながら、当時の山田さんは、この仕事に挑戦してしまったといいます。ところが、これが想像以上に厳しい仕事でした。

仕事をはじめてから、山田さんは延々と鶴を折り続ける生活に。さらに、折り鶴の納品後に検品が行われるのですが、その基準は相当厳しく、ヨレやズレ・シワがあるものは検品対象外となって報酬は支払われません。

2ヶ月目になって、ようやく「詐欺かも」と気づいた山田さん。依頼主の会社に電話をしましたが、その番号は使われていませんでした。3ヶ月目になって、送られてきたキットに別の電話番号が書かれていることに気づき、電話をしたところ「そのまま送り返してください」との返答が。

折り鶴地獄からは解放されましたが、検品が通って振り込まれた報酬額はわずか3600円。初期費用の6万5千円は戻ってこず、キットの返送料も自己負担だったといいます。

――折り鶴のバイトをされたのはいつ頃の話でしょう。また、どこで見つけた求人ですか?

山田さん:20年くらい前、絵描きとして活動を始めようかと思っていた頃だったと思います。絵だけではどうしても生活ができないと思って、絵を描きながら家でできる内職を探していたところ、たまたま新聞のチラシに入っていた求人情報で見つけました。

――そもそも折り鶴は何のために使われるのでしょう?

山田さん:折り鶴を必要としてくれる場所に寄付するとのことでした。

――仕事を始めるにあたり、依頼主からはどのような指示・注意がありましたか?

山田さん:指示は、紙に記載されていました。仕事内容は、「鶴が折れたら100羽ずつ紐を通して1本にして、全て折れたら送ってください(送料自己負担)」というもので、検品対象の鶴の説明記載もありました。

――納品の送料も自己負担だったのですね。鶴はどのくらいの数、どのくらいの時間、折っていたのでしょうか?

山田さん:毎月の始めに1ヶ月分のノルマ分の折り紙が送られてきます。えぐい量です。前月分が残っていたらそれも折らないといけません。何度も徹夜もし、フェリーや電車などの移動時間も折っていました。納期があるので、友達や親も参戦してくれ、一緒に折っていました。もちろん絵を描く時間なんてありませんでした。

――検品も厳しく、3600円分しか通らなかったとのことですが。何羽ほど合格だったのでしょう。

山田さん:何羽通ったという細かい明細は無く、月末に初めて振り込まれていたのがその金額でした。2ヶ月目の報酬はありませんでした。

――その仕事について、今ではどのように思いますか?

山田さん:今思うと完全に騙されたと思っています。無事に辞めれた時、悔しいという思いより、解放されたという気持ちの方が大きかったです。

闇バイトや悪質な求人に引っかからないように注意

壮絶なバイト経験をされた山田さん。しかも、初期費用6万5千円に加えて納品やキット返送の際の送料もかかってしまい、結果的に収入面でも大きなマイナスとなってしまいました。折り鶴を折り続けている間、絵を描く時間も失ってしまうという、本末転倒な事態にも…。

しかし、それで社会勉強にもなり、折り鶴スキルも身についたので、「今となっては良かった」と山田さんは思っているとのことです。

ポストのリプ欄にも、「簡単なバイトは恐いけど、何事も無駄にはならないんだなぁ」という前向きなコメントが寄せられていました。

しかし見方によっては、この程度で済んだ山田さんはラッキーだったのかもしれません。

近年の“闇バイト”では、言葉巧みな誘導に騙されて、知らないうちに犯罪の片棒を担がされていたり、多額の金銭を奪われてしまったり、といった事例が後を絶ちません。

「今の時代の方が厄介かもしれませんね」

山田さんは、そんな現在について、このように話します。

「昔は私のように泣き寝入りだけで済みましたが、今は気づけば犯罪者の一員になってしまう場合もあります。手口が昔と違って巧妙になっていますし、闇バイトに繋がるような仕事がネットで簡単に探せます。親や友人等、相談する人がいないとすぐに騙されると思います」

気づいたら取り返しのつかないことになっていたという事態にならないよう、簡単な仕事で高収入、などの求人の甘い文句に釣られ、安易な気持ちで応募はしないようにすることが大切ですね。

  ◇  ◇

小さい頃から絵を描くのが好きで、ずっと絵を描き続けてきたという山田さん。また料理も好きで、娘さんの育児を通じて、食育にも興味をもち、調理師免許を取得したといいます。

現在は、絵描きと調理士、両者の面をかけ合わせて、自作料理のイラストをSNS等で発信されています。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・竹中 友一(RinToris))

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  • 騙された人だけが被害者ってんならまだ良いわ�����������������現代のはいきなり民家襲うし命も取られるから1ミリも笑えんのよ�դ�դ�
    • イイネ!4
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