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札幌市西区で走行中の軽乗用車からタイヤが外れ、直撃した女児(当時4歳)が重体となった事故で、車の所有者と運転手に対する判決公判が24日、札幌地裁であった。
渡辺史朗裁判長は、道路運送車両法違反(不正改造)に問われた所有者の田中正満被告(51)に求刑通り罰金20万円、同法と自動車運転処罰法違反(過失致傷)に問われた運転手の若本豊嗣被告(51)に懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役3年)の有罪判決を言い渡した。
判決によると、2人は車のタイヤ部分を不正に改造。前輪の異常を訴える田中被告から点検を依頼された若本被告は2023年11月14日、左前輪が適切に固定されていないのに注意義務を怠って運転し、脱輪させて歩道にいた女児に衝突させ、回復見込みのない頸髄(けいずい)損傷などを負わせた。
2人は起訴内容を認め、量刑が焦点となっていた。渡辺裁判長は田中被告に対し「趣味嗜好(しこう)のため改造を主導し、負うべき責任は大きい」と指摘した。
若本被告については改造を主導していないものの「漫然と運転した過失は悪質。被害者が受けた傷害は非常に重大で、意思疎通できない理不尽な状況にある」と批判した。
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脱輪の原因となったナットの緩みについては、2人のどちらが締めたのか特定できず、「若本被告ばかりを大きく責めることは難しい」などと量刑の理由を説明した。【谷口拓未、和田幸栞】
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