脱輪タイヤ直撃で4歳重体 不正改造車の運転手に有罪判決 札幌地裁

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2025年04月24日 10:17  毎日新聞

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毎日新聞

女児が意識不明となった軽乗用車のタイヤ脱落事故が起きた現場付近=札幌市西区で2023年11月15日、後藤佳怜撮影

 札幌市西区で走行中の軽乗用車からタイヤが外れ、直撃した女児(当時4歳)が重体となった事故で、車の所有者と運転手に対する判決公判が24日、札幌地裁であった。


 渡辺史朗裁判長は、道路運送車両法違反(不正改造)に問われた所有者の田中正満被告(51)に求刑通り罰金20万円、同法と自動車運転処罰法違反(過失致傷)に問われた運転手の若本豊嗣被告(51)に懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役3年)の有罪判決を言い渡した。


 判決によると、2人は車のタイヤ部分を不正に改造。前輪の異常を訴える田中被告から点検を依頼された若本被告は2023年11月14日、左前輪が適切に固定されていないのに注意義務を怠って運転し、脱輪させて歩道にいた女児に衝突させ、回復見込みのない頸髄(けいずい)損傷などを負わせた。


 2人は起訴内容を認め、量刑が焦点となっていた。渡辺裁判長は田中被告に対し「趣味嗜好(しこう)のため改造を主導し、負うべき責任は大きい」と指摘した。


 若本被告については改造を主導していないものの「漫然と運転した過失は悪質。被害者が受けた傷害は非常に重大で、意思疎通できない理不尽な状況にある」と批判した。


 脱輪の原因となったナットの緩みについては、2人のどちらが締めたのか特定できず、「若本被告ばかりを大きく責めることは難しい」などと量刑の理由を説明した。【谷口拓未、和田幸栞】



このニュースに関するつぶやき

  • 不正改造車の整備不良で人を殺しておきながら執行猶予付き判決はないよね…。損害賠償請求訴訟で遺族側の請求額が満額認められる事を願うばかりだよ。
    • イイネ!62
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