「殺す女性を探した」黙秘一転、容疑者が供述　埼玉・高1殺害

　さいたま市桜区のマンションで住人の高校1年、手柄玲奈（てがられな）さん（15）が刺殺された事件で、殺人容疑で逮捕された谷内寛幸容疑者（25）が容疑を認める供述を始めたことが埼玉県警への取材で判明した。「会社の寮を出て通行人を装い、殺害する女性を探していた」などと説明しているという。これまでは取り調べに黙秘していた。

　県警は、谷内容疑者は手柄さんと面識はなく、偶然見かけて一方的に襲ったとみている。谷内容疑者は「制服を着た女子高生を包丁で刺した」「虐待を受け、性格がゆがんだ。自分は社会の底辺にいる」などとも話しているという。

　県警は、凶器とみられる包丁や谷内容疑者の衣服を押収していたが、それぞれに付着した血痕から手柄さんと谷内容疑者のものと一致するDNA型が検出されたことも明らかにした。容疑者は手にけがをした状態で逮捕されており、包丁や服に血が付いていたとみている。

　さいたま地検は30日、谷内容疑者の鑑定留置を開始した。期間は約3カ月。事件当時の精神状態を調べ、刑事責任能力の有無を判断する。

　事件は4月14日夜に発生。手柄さんは帰宅時にマンション入り口で襲われたとみられ、上半身を中心に複数の傷があった。【板鼻歳也、加藤佑輔】