川崎の遺体遺棄容疑で元交際相手の男性を逮捕　神奈川県警

　川崎市川崎区の民家で女性の遺体が見つかった事件で、神奈川県警は3日、この家の住人の白井秀征容疑者（27）を死体遺棄容疑で逮捕した。白井容疑者は海外に渡航していたが、3日に帰国した。県警は死亡した経緯についても事情を知っているとみて調べを進める。

　県警は3日、遺体の身元が同区の岡崎彩咲陽（あさひ）さん（20）と確認されたと発表。白井容疑者は岡崎さんの元交際相手で、岡崎さんは白井容疑者によるストーカー被害を県警に相談した後、2024年12月から行方不明になっていた。

　逮捕容疑は、24年12月20日ごろから今年4月30日までの間、自宅で岡崎さんの遺体を放置し、遺棄したとしている。白井容疑者は「間違いありません」と容疑を認めている。

　白井容疑者は米国に滞在していたとみられ、3日午後1時半すぎ、羽田空港の到着ゲートを出た後、数人の捜査員に囲まれて数分間会話した。それからマスクを着用し、捜査員に付き添われながら報道陣の前に姿を見せた。白井容疑者は長袖のパーカ姿で黒縁の眼鏡をかけ、首元にネックピロー（首枕）をつけていた。一斉にフラッシュがたかれる中、ズボンのポケットに手を入れたまま報道陣に視線を向けることなく通り過ぎた。

　捜査関係者によると、白井容疑者は4月上旬から所在不明になっていた。県警が4月30日にストーカー規制法違反の疑いで白井容疑者宅を家宅捜索したところ、床下のバッグの中から一部が白骨化した遺体が見つかった。司法解剖の結果、遺体は死後1カ月以上が経過しており、死因は分からなかった。遺体には燃やされた痕跡があったという。

　岡崎さんの家族によると、岡崎さんは白井容疑者からストーカー行為を受けていると訴えていた。行方不明になる前には、本人や家族が県警に相談や通報。捜査関係者によると、白井容疑者はストーカー行為で口頭注意も受けていたという。【清水夏妃、宮本麻由、横見知佳、遠藤龍】