進む「ご苦労さま」離れ=「にやける」「潮時」意味変化―国語世論調査・文化庁

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2025年09月26日 17:31  時事通信社

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 配達時や終業時のねぎらいの言葉として、「ご苦労さま」を使う人が減少していることが26日、文化庁の2024年度「国語に関する世論調査」で分かった。「にやける」や「潮時」といった言葉に、本来とは異なる意味が定着しつつあることも浮かんだ。

 調査は、国語に対する意識や理解の現状を把握し、今後の施策に生かすため、1995年度から毎年実施。今年1〜3月、16歳以上の6000人を対象に質問を郵送し、3498人から回答を得た。

 仕事を終えた人に掛ける言葉で一番多いのは何かを尋ねたところ、荷物の配達人に対して「ご苦労さま(でした)」を選んだ人は、2005年度の49.8%から19.7%に減少。代わりに「ありがとう(ございました)」が36.6%から70.0%に増えた。

 相手が会社の目上の人の場合は15.1%から3.5%に、部下や後輩の場合は36.1%から14.9%にそれぞれ減り、「お疲れさま(でした)」や「ありがとう(ございました)」を選ぶ人が増えた。

 本来と異なる意味が定着しつつある言葉も調べた。なよなよとしている様子を表す「にやける」は、81.9%が「薄笑いを浮かべている」という意味に理解。「潮時」は、本来の「ちょうどいい時期」(41.9%)よりも、「物事の終わり」(46.7%)と捉える人の方が多かった。

 自宅の固定電話を指す「家電(いえでん)」、きれいに撮影できることを示す「映(ば)える」、有料サービス利用を指す「課金する」といった言葉は、いずれも5割前後が「使うことがある」と回答。8割超が、他人が使用しても「気にならない」と答えた。

 文化庁の担当者は「言葉は使いやすく変化するもの。本来と異なる使われ方も、定着すれば辞書に載ることがあり、一概に誤用とは切り捨てられない」と話している。 

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  • ご苦労さまは目上の人に言うと、失礼に当たることは知っておくべき。
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