野沢雅子 声優初の文化功労者に 漫画界からは竹宮惠子が選出

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2025年10月20日 12:00  リアルサウンド

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『ドラゴンボールDAIMA』PVカット
 

 今年度の文化勲章の受章者と文化功労者が発表され、声優の野沢雅子氏(88)ら21人が選ばれた。近年、文化功労者はゲームプロデューサーの宮本茂氏、漫才の西川きよし氏、CGアーティストの河口洋一郎氏など、多彩なジャンルから選ばれるようになっているが、野沢氏は声優界では初の文化功労者となる。


 野沢氏が演じたキャラクターといえば、『ドラゴンボール』の孫悟空はもちろんだが、同作では孫悟飯、孫悟天、ターレス、バーダックなど様々なキャラクターを演じ分けている。そして、『ゲゲゲの鬼太郎』の鬼太郎、『怪物くん』怪物くん、『釣りキチ三平』の三平三平、『銀河鉄道999』の星野鉄郎など、代表作が多すぎて挙げきれないほどだ。そして、2025年現在も、現役の声優として活動している。


 野沢氏はコメントを発表。「気がつけばずいぶん長い時間を“声”とともに歩んできましたが、自分なりに続けてきたことで、こんな素敵なご褒美をいただけるなんて、本当に感激しています」と語り、「このご褒美は、声優界を代表してお預かりしたものだと受け止めております。先輩方や現役の仲間たち、そしてこれから声の世界に飛び込んでくる若い世代にも光が当たったことを、とても誇らしく感じています」と思いをつづった。


 そして、「作品やキャラクターを生み育ててこられたクリエイターの皆さま、そして変わらず応援してくださるファンの皆さまに、心より感謝申し上げます。皆さまの存在があってこそ『文化』が育まれ、私たち声優の歩みも支えていただいてきました」と、感謝の言葉を述べ、「元気だけが取り柄ですので、これからも全力で"声"を届け、少しでも文化への恩返しができたらと思っております」と今後の活動への抱負を語った。


■野沢氏は人間国宝にふさわしい


 記者は以前、「デイリー新潮」で、「声優から“人間国宝”を出すべきだ」と主張する衆議院議員の杉村慎治氏を取材した。杉村氏もやはり、野沢氏こそが声優の人間国宝第一号にふさわしいと挙げていたし、アニメ業界関係者に取材しても、同様の意見を述べる人は多かった。


 杉村氏は、「国がコンテンツ産業を基幹産業と位置づけるのであれば、それを支える人々への評価や敬意を国民全体で共有していく必要があります」と語っていたが、野沢氏の文化功労者選出は、その第一歩ということができるのではないだろうか。


 なお、今回の文化功労者には、『風と木の詩』『地球へ…』などの作品で知られる漫画家の竹宮惠子氏も選ばれている。漫画家が文化功労者に選ばれるのは2023年の里中満智子氏以来、2年ぶりのことである。また、昨年はちばてつや氏が文化勲章を受章して大きな話題になった。


 こうした選出や受章が相次ぐのは、国がアニメ・漫画文化を日本の文化として認めつつあることの証しといえるかもしれない。今後も、日本文化を担うクリエイター全体に注目が当たることを期待したい。



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