
11月8日(土)の放送では、アニメーション監督、アニメーター、デザイナー、漫画家の前田真宏さんが登場。『エヴァンゲリオン』シリーズに携わることになったきっかけや、前田さんがデザインを手がけた第6使徒、第7使徒の裏話について伺いました。
前田真宏さん
◆第6使徒&第7使徒誕生秘話
――テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』がスタートした1995年当時は、多忙を極めていたという前田さん。どのような形で『エヴァンゲリオン』に携わっていったのでしょうか?
前田:たまに(制作現場に)遊びに行ったりしていたので、「面白いことをやっているな」って思っていたんですね。庵野(秀明)さんから「ちょっと手伝ってよ」っていう話もあったんですけど、当時は自分自身の監督作品の立ち上げ時期でもあったので、どちらかというと、そっちに集中していたいっていう(気持ちがあった)。ある意味、必死だったんです。
だけど「デザインぐらいなら、ちょっと手伝えるかもね」と言って、使徒(のデザイン)を少しやらせてもらって。結局、絵コンテとか演出という大きな役割では入らず遠くから眺めていましたね。
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ガギエルのほうは……もともと、使徒ってかわいい顔がついているじゃないですか。第一話に登場したサキエル(第3使徒)でしたっけ? あれが、すごくポイントというか共通項なんだろうなと思っていて。あれを中心にして、ちょっと複雑なデザインを構築してみたりしたんですけど、結局、庵野さんから「えぇ、こんなの描けないよ」と言われて……。(当初の案は)ペリカンみたいな口のところに、変形のギミックなんかをつけたりしていたんですけど、直されて最終稿の形になりました。
イスラフェルの場合は、実はイメージソースがあるんです。ウルトラマンのデザインをした成田亨さんの彫刻や個人作品が結構かっこいいなと思っていて、そこから少しイメージをもらって、彫刻みたいな感じの雰囲気で作りました。
◆庵野秀明の“危機感”
『エヴァンゲリオン』を立ち上げている頃、庵野さんが「このままじゃアニメの業界自体が良くない方向に行ってしまう。ダメになっちゃうんだ」とすごく危機感を持っていて。「そこに楔を打つような、みんなの心に残るようなタイトルを作りたいんだ」って熱く語っていたんです。
それが結果として、少しタイムラグがありましたけど、再放送のときにものすごいリターンというか、みんなの反応が返ってきて、単純にアニメが好きな人だけのものじゃなくなったというか、ブレイクスルーのきっかけになった作品なわけじゃないですか。それは素直にすごいなと思いました。「やったね! 庵野さん」じゃないけど、今でもすごいと思いますし、当時の大変な制作状況のなかで関わっていたスタッフの皆さんは、本当に尊敬します。
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『雑 前田真宏 雑画集』発売記念アート展 開催
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの制作などで知られる株式会社カラーに所属し、昨年生誕60周年を迎えた前田真宏、初にして待望の作品集『雑 前田真宏 雑画集』が2025年2月28日に発売いたしました。発売を記念したアート展を開催いたします。詳細はWebサイトをご覧ください。
■会期:2025年11月20日(木)〜12月21日(日)10:00〜21:00
■場所:大垣書店京都ヨドバシ店
■開催内容:複製画展示・オリジナルグッズ販売
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『FM EVA 30.0』は、Amazon Musicでポッドキャスト番組として独占配信中!
放送では時間の都合でお届けできなかった部分も含む特別編集版を、どうぞお楽しみください。
『FM EVA 30.0』ポッドキャスト配信:https://music.amazon.co.jp/podcasts/e95cde96-1566-49a9-ade5-ea4acc03d0af/fm-eva-30-0
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<番組概要>
番組名:FM EVA 30.0
放送日時:毎週土曜 22:30〜22:55

