
今回の放送では、主人公・碇シンジの声を務めた声優の緒方恵美(おがた・めぐみ)さんと、緒方ファンを公言する壇蜜とのスペシャル対談が実現しました。ここでは、長年『エヴァンゲリオン』(以下:エヴァ)と向き合ってきた2人が、作品に抱く特別な思いについて語り合った模様を紹介します。
(左から)緒方恵美さん、壇蜜さん
◆年齢を重ねて感情移入するキャラクターも変化
緒方:私が役を演じるときに、特に『エヴァ』のような、わりとリアリティがある作品を長くやっていると、やっぱり、ピリピリとした感情をずっと持っていないといけないというか、そうしないと役と向きあえないところがあったんです。
壇蜜:そうですよね。
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だから、『エヴァ』のような作品を(大人になってから)改めて見ると、見方が変わるといいますか。例えば、庵野(秀明)さん ご自身も最後のほうは、「シンジの気持ちではなくて、(碇)ゲンドウの気持ちで見てしまう」とおっしゃっていて。
壇蜜:年齢とか立場が近い人に(気持ちが)リンクしていきますよね。
緒方:そうなんですよね。なので、最後のほうとかは、監督と「シンジとしてはどう思う?」みたいなことをお話させていただきながらつくっていったんですけど、やっぱり、庵野さんのなかにはシンジも(葛城)ミサトも(綾波)レイもみんな入っていると思うので、(シーンが変わるたびに)見方も変わったりするじゃないですか。それで、30年ぐらい『エヴァンゲリオン』を見てこられた壇蜜さんご自身のなかで、シンクロする対象が変わったとか見方が変わった、みたいなことってありますか?
壇蜜:年を重ねるにつれて1つ思うことは、「(碇)ユイ、やべえ」。
緒方:ハハハ(笑)。どのような感じで“やばい”と思われていますか?
壇蜜:10〜20代の頃は気づかなかったんですけど、20代後半から30代を経て、今の年齢44歳になって、ユイのやばさというか、1回足を踏み入れたら絶対に誰もが逃げられない、底知れない沼のような感じがします。
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壇蜜:(シンジの)お母さんですものね?
緒方:そうです。母さんがいなければ、父さんはああいう風にはならなかったし、エヴァも生まれていないし、これほどまでの執着はなかったってことですよね?
壇蜜:そうなんです! とにかく「シンジの母ちゃん、やべえぞ」っていう。
◆緒方「『エヴァ』の映像を見るだけで…」
緒方:私けっこう、おいそれと『エヴァ』の昔の映像を見られないんですよ。自分のつらいときの記憶を重ねる感じがして。
壇蜜:それはあるかもしれないですよね。
緒方:カラオケのあるバーみたいなところで、一緒にいる誰かが気を遣って「残酷な天使のテーゼ」を歌って、すると、『エヴァ』の映像が流れてきちゃうじゃないですか。それを見るだけで突然泣き出してしまうんですよ(笑)。
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緒方:そうそう(笑)。さっきまで笑っていたのに突然泣き出したりするので、あまり見ないようにしているんです。でも確かに、今の私がそうじゃない目線で見たら、もしかしたらもっと気づくことはあるかもしれないですね。
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放送では時間の都合でお届けできなかった部分も含む特別編集版を、どうぞお楽しみください。
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放送日時:毎週土曜 22:30〜22:55

