『転スラ』完結巻が堂々1位 「このラノ2026」戴冠の『あそびのかんけい』も気になるラノベランキング

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2025年12月17日 13:00  リアルサウンド

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『転生したらスライムだった件 23』(伏瀬/GCノベルズ)【左】、『あそびのかんけい2』(葵せきな/富士見ファンタジア文庫))

 本編完結となった伏瀬『転生したらスライムだった件23』(GCノベルズ)が1位となったRakutenブックスのライトノベル週間ランキング(2025年12月8日〜14日)。 主人公のリムルが帰還し、邪神イヴァラージェとの死闘に加えて、暴風竜ヴェルドラやヴェルザード、ヴェルグリンドといった「転スラ」でお馴染みの竜種たちの長兄にあたるヴェルダナーヴァの再臨で迎えていた世界消滅の危機に立ち向かう。


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 まさに総力戦の様相を呈して、テンペストだけでなく魔王たちも加わった激しい戦いが読みどころ。魔王ギィ・クリムゾンの意外な姿への変化なども楽しみながらグイグイと読んでいった先に訪れる、シリーズの出発点に戻って繰り広げられる一種の救済が、かつて転生したリムルを導いたシズさんこと井沢静江の存在とも繋がって、きれいに物語の輪を閉じる。あとは大仕事を終えたリムルとテンペストの未来が気になるが、それは後日談なり外伝に期待するのが良さそうだ。


 3位にも「転スラ」シリーズ『転生したらスライムだった件 番外編 〜とある休暇の過ごし方〜』(GCノベルズ)が登場。テンペストの開国祭を終えたあと、平穏な日々が続いていた時期にヴェルドラが「獣魔術を開発したい」と言い出したことから、リムルとヒナタも一緒に旅行へと出発する。高田裕三によるコミカライズも行われている作品で、世界でも最強クラスの3人をそうとは知らずケンカをふっかける冒険者に同情したくなる。小説完結後の世界でリムルたちが何をしているのかに触れられる描き下ろし短編も楽しい。


 2位は徒然花原作で木野咲カズラがコミカライズしているシリーズの最新刊『誰かこの状況を説明してください! 〜契約から始まるウェディング〜 11』(アリアンローズコミック)。貧乏貴族の娘ヴィオラにお飾りの妻になって欲しいという縁談が舞い込んだところから始まったストーリーは、ヴィオラとサーシスが晴れて本物の夫婦となって始まる新婚生活に起こるさまざまな騒動が描かれる。


 4位は鎌池和馬「とある」シリーズ最新巻となる『創約 とある魔術の禁書目録14』(電撃文庫)。大悪魔コロンゾンが学園都市に現れ世界を激変させるために都市の外に出ようとしているのを、主人公の上条当麻が止めようと死、天草式の神裂火織や五和にアニェーゼ部隊、学園都市の超能力者第3位(レベル5)の御坂美琴といったあたりが大集結して上条をバックアップする。良いところで登場の食蜂操祈が依然として上条に忘れられていることが切ない。上条はコロンゾンの幻想をぶち殺せるか?


 5位は衣笠彰梧の人気シリーズ最新巻『ようこそ実力至上主義の教室へ 3年生篇3』(MF文庫J)。1年生の時も2年生の時も凄絶だった恒例の無人島試験に、3年生となってクラスを替えるという大胆な行動に出た綾小路清隆が挑む。ペイント銃で撃ち合うサバイバルゲームで最初に全滅したクラスは退学者を出さなくてはならない。綾小路は以前のクラスメートたちを敵に回してどのような戦い方をするのか。卒業の時まで続く戦いの行方を左右しそうな最新巻だ。


 6位は雨森たきび「マケイン」シリーズの最新巻となる『負けヒロインが多すぎる!8.5』(ガガガ文庫)。温水和彦が生徒会の馬剃天愛羅から大変な言葉を告げられ先が気になる本編までの繋ぎに、「ターゲットは小麦色」「八奈見・ラーメン・食べ歩き」のようなタイトルだけで興味をかき立てられる描き下ろしの短編を収録している。2026年1月26日発売予定。TVアニメの第2期制作も決まっているだけに、新刊が出るたびにランキングを賑わせてくれそうだ。


 7位は『ソードアート・オンライン』の川原礫によるシリーズの最新巻『デモンズ・クレスト4 覇権∞争奪』(電撃文庫)。発売を目前にアニメ化が発表されたことから一気に注目度が高まった。VRMMORPG《アクチュアル・マジック》のプレイ中に、ゲームと現実世界が融合し《新世界》に引きこまれ、デスゲームをやらされることになった小学生たちの物語。異界化した世界で命が失われていく中、裏切り者も現れピンチに陥る主人公たちの厳しい戦いが続く。映像化されたらどのような凄絶なバトル描写になるのかが楽しみだ。


 8位は2025年1月23日発売の『魔導具師ダリヤはうつむかない 〜今日から自由な職人ライフ〜13 小冊子付き特装版』(MFブックス)。魔導具師として忙しい毎日を送っているダリヤを訪ねて来たヴォルフから、スカルファロット家がダリヤを招待していると聞いて本邸を訪れ、そこで当主の妻ローザリアから激しい敵意を向けられる。特装版には書き下ろし短編や公式4コママンガ、キャラクターデザインなどを収録したフルカラー小冊子が付く。


 9位は賀東招二のロングセラーシリーズ「フルメタル・パニック!」最新巻で、以前は学生だった相良宗介が千鳥かなめと結婚し、娘と息子も出来た時代が舞台となった『フルメタル・パニック! Family3』(ファンタジア文庫)。宗介のかつての上官で、ミスリルの潜水艦「トゥアハー・デ・ダナン」の艦長だったテッサが美少女から美女となって来訪。武器商人への接触のため宗介を夫役として借り出し、身を預けてかなめをヤキモキさせる。テッサの妖艶さをアニメで見てみたいが、先に本編で残された部分のアニメ化を、マデューカス副長を演じた西村知道さんへの追悼も込めて実現してほしいところだ。


 10位は長月達平『Re:ゼロから始める異世界生活43』(MF文庫J)。エミリア陣営とフェルト陣営の混成部隊「アルデバスターズ」とアルデバラン一味の総力戦が続く中、アルデバランの権能が暴走を始める。巻数を重ねてもなおナツキ・スバルの試練は続いていきそう。TVアニメ『異世界かるてっと3』で『この素晴らしい世界に祝福を!』のカズマや『幼女戦記』のターニャとワチャワチャしている時のような平穏が、ナツキ・スバルに訪れることはあるのか。確かめるためにもシリーズを追い続けるしかなさそうだ。


 11位以下では、Kis-My-Ft2の宮田俊哉によるライトノベル第2作にドラマCDがついた『【ドラマCD付き特装版】境界のメロディ2』(メディアワークス文庫)が19位となり人気ぶりを見せた。また、『このライトノベルがすごい!2026』で文庫部門の第1位となった葵せきな『あそびのかんけい2』(ファンタジア文庫)が28位に入っていて注目の高まり具合を示した。


※参考:Rakutenブックス「ライトノベル 週間ランキング」 


(文=タニグチリウイチ)



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  • 矢張り、とあるシリーズは売れていますね。
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