『ガンダムW』30周年記念ディナーショー開催 “ヒイロ”緑川光、招待状を破る 生アフレコ披露に大盛り上がり

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2025年12月29日 11:22  オリコンニュース

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『新機動戦記ガンダムW 30周年記念ディナーショー -Operation Reunion-』より (C)創通・サンライズ
 『新機動戦記ガンダムW』は、宇宙世紀とは異なる世界観を描いた「オルタナティブ」シリーズの第2作目として、1995年4月7日にテレビ放送が始まり、今年で30周年を迎えた。27日には『ガンダムW』30周年を記念して、ザ・プリンス パークタワー東京 ボールルームで『新機動戦記ガンダムW 30周年記念ディナーショー -Operation Reunion-(オペレーション・リユニオン)』を開催した。

【写真】ガンダムパイロット5人による生アフレコシーン

 宇宙世紀とは異なる世界観を描いた「オルタナティブ」シリーズの第2作目として知られる『新機動戦記ガンダムW』。テレビ放送から30周年を記念して、ガンダムシリーズ初となるディナーショー『新機動戦記ガンダムW 30周年記念ディナーショー -Operation Reunion-』が実施された。当日は、この日のために制作されたさまざまなグッズを求め、早くからリリーナの誕生日パーティーさながらにドレスアップした多くのファンがいち早く会場を訪れた。その隣にある展示会場では、30周年記念キービジュアルや、第1話でヒイロがリリーナからの招待状を破り捨てる名シーンを再現できるフォトスポットなどが設けられ、多くのファンの人気を集めた。また、会場前には、ファン有志から贈られたフラワースタンドがずらりと並び、華やかなムードを盛り立てた。

 プラチナチケットを手にした700人が集った昼の部は、作品のサウンドトラックを担当した大谷幸氏と、バイオリンの室屋光一郎氏による、「永遠と無限をこの手に」(『新機動戦記ガンダムW Original Soundtrack - Operation 1』より)の生演奏からスタート。続いて、リリーナがスクリーンに登場し、開幕のあいさつの後に「ヒイロ…あとをお願いします」とメッセージを送る。すると「…任務了解!」というセリフを皮切りに、会場後方から、ドレスアップしたヒイロ・ユイ役の緑川光、デュオ・マックスウェル役の関俊彦、トロワ・バートン役の中原茂、カトル・ラバーバ・ウィナー役の折笠愛、張五飛役の石野竜三の姿が。会場が大きな拍手に包まれる中、TWO−MIXによるオープニングテーマ曲「RHYTHM EMOTION」にのせて、声優陣がそれぞれ熱い掛け合いの演技を披露。約30年の時を経ても変わらぬ声に、客席から歓喜の声がわき上がる。そして、緑川がディナーショーのタイトルでもある「Operation Reunion」と書かれた封筒を受け取ると「ディナーショー?そんなものに俺は参加はしない……」と言いながら招待状を破るという、テレビシリーズ第1話をオマージュしたリアクションを披露すると、会場も大いに盛り上がった。

 「リリーナの頼みか…。仕方ない…。Operation Reunion、任務開始(ミッションコメンス)…」というヒイロのセリフの後、テーブルの間を手を振りながらステージへ進んだ5人が、改めて来場したファンへあいさつ。トップバッターの緑川は「最近、なかなか厳しくて言えないこのセリフ、お届けします」と前置きしてから、名セリフ「…お前を殺す」を披露すると、大きな歓声がわき起こった。関も「皆さん、ようこそお越しくださいました!」と、デュオらしく元気いっぱいにあいさつし、続く中原は「今日は30周年を一緒に楽しくお祝いしましょう!」と呼びかけた。そして、折笠は「今日、みんなと楽しめるかどうか、宇宙の心が教えてくれる!」とカトルの名セリフを交えてあいさつ。石野も「聞こえているか、女!それと男!それ以外!楽しむ限り、俺はお前を殺さない」という五飛のセリフをアレンジしたあいさつで盛り上げた。

 続いて、コックコート姿のガンダムパイロットたちが、本日提供されるスペシャルメニューを紹介するコーナーへ。前菜は、トロワがステージで使うピエロの仮面をイメージした『生ハムの仮面を付けたトラウトサーモンのタルタルにモッツアレラチーズのカプレーゼをしのばせて』。トロワの「食べ終わったあと、もし気にいってくれたなら、拍手とブラボーをお願いする」というメッセージに、すかさずカトルが「半分の仮面だけでも、もうブラボーですよ」と答え、2人の仲の良さがうかがえるやりとりも。スープは、五飛の遠い故郷を思い起こさせる『ズワイ蟹入りフカヒレスープ アルトロングリーンソース仕立て』。「ソースがオレのイメージカラーであるところのグリーンをアピールしているのだ!」という五飛の圧の強いコメントに続き、ヒイロが紹介するのは、チコリーをウイングガンダムゼロの羽根に見立てたメインディッシュ『真鯛のソテー ブールブランソース チコリーのウイング』。ヒイロが、このメニューに『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』での名セリフから『確認する…。シェルターは完璧なんだな?シェルターは完璧なんだな?』と命名したことを明かすと会場から笑い声があちこち上がっていた。もう一つのメインディッシュはデュオが紹介。『牛フィレの肉のポワレ モンドール風 デスサイズの鎌に見立てた野菜添え芳醇なマデラワインソース』も、デュオが勝手に『天国への招待状』と命名したと告げた。そして、最後のデザートはカトルをイメージした『フォンダンショコラ デュカスパイス香るアングレーズソース 音符のしらべ』。ト音記号のチョコが、音楽好きな彼のために添えられたとのことで、カトルは、シェフとパティシエへの感謝を述べた。

 緑川の音頭による乾杯の後は、TWO-MIXが、今日のためだけに特別にミックスした「White Reflection_Xmas Time Edition」と共に、再びキャスト陣がテーブルラウンドを実施。観客は、キャスト陣が選んだアニメシリーズの名シーンと共に、豪華なディナーを心ゆくまで楽しんだ。食事の後は、5人によるクロストークのコーナーへ。当時のアフレコ収録時から、5人がそろうことはなかなかなかったというキャスト陣は、30年の時を経て一堂に会したことに感慨深げな様子。オーディションの話題では、ヒイロを射止めた緑川だが、小学生の頃から『機動戦士ガンダム』に憧れて、シリアスなロボットアニメの主人公を演じてみたいと願っていたものの、本作のオーディションではあまりにもライバルが多く、主役は難しいと考え、五飛役にターゲットを絞ったそう。しかし、ヒイロ役の演技中に、五飛に用意していた演技プランを放出したことから「絶対落ちた、と落ち込んで帰りました」と当時を振り返る。そんな中、自身がヒイロ役に決定したことは、トレーズ役の置鮎龍太郎から、別作品の打ち上げの場で聞かされたそうで、思いがけない場での連絡に戸惑いを隠せなかったと、まさかのエピソードを明かし、会場の笑いを誘った。

 そして、最後にキャスティングされたというカトル役の折笠は、音響監督の浦上靖夫氏にスタジオに呼ばれ、役を射止めたことを明かし「ガンダムには敵役の、ちょっと強い女性役で出演したかった」と話した。関は、登場キャラクターが多いため、デュオの出番が久しぶりにあるタイミングでの取材で、アニメ誌の記者に「今、どんな状況なんですか?」と、ストーリーについて聞いたエピソードを紹介。中原は、アフレコ終了後にサンライズの富岡秀行プロデューサーや、シリーズ構成の隅沢克之氏と飲みに行っていたと話し、石野は、病気後の復帰作だったこともあり、毎回のアフレコで必死だったと振り返っていた。


 続いては「ガンダムW客席自爆クイズ!!」と題したアトラクションコーナーへ。ガンダムパイロット5人が、くじで引いた卓番号の観客とクイズの答えを一緒に考え、間違った場合はパイロットに自爆さながらの煙が吹きかけられるというもの。選ばれた卓番号の観客が喜びの声を上げる中、「テレビ版エンディングで登場する動物のうち、含まれていないのはどれでしょう?」というクイズが出題され、「A:小熊」「B:ライオン」「C:犬」「D:サイ」という4択から、全員が「A:小熊」と回答。もちろん全員大正解で、ミッションは無事、自爆なしでコンプリートした。

 シリーズ構成・隅沢克之氏とTWO-MIXによる祝電が読み上げられた後、トレーズ・クシュリナーダ役の置鮎からのビデオレターも上映。トレーズのキャラクターソング「星屑の戦士たち」の一節を口ずさむ大サービスに、ファンたちは歓声を上げた。「さあ、人々に『安らぎ』を!戦士には『栄光』を!敗者には『慰め』を!エレガントにレディ……」というトレーズの口上の後、大谷氏によるライブコーナーへ。本イベント用に書き下ろされたという新曲「Hymn for GUNDAM W.戦争への不安、恐怖、狂気そして祈り」に続き、「任務遂行」「思春期を殺した少年の翼」がアニメ映像と共に届けられた。大谷氏のトークでは「Hymn for GUNDAM W 〜戦争への不安、恐怖、狂気そして祈り〜」が、放送から30年経った今も変わらない戦争への恐怖や不安、そしてすべての人が抱く平和への祈りを曲に込めたことが明かされた。

 続いて、ゼクス・マーキス役の子安武人からお祝いのボイスメールが到着。ゼクスを演じたことで声優としてステップアップできたと、声優人生でも思い出深い作品だったことを明かした。そして、子安の紹介で、数少ないガンダムパイロット達が共闘する第44話以後のストーリーに、本編未公開の発進シークエンスを盛り込んだ生アフレココーナーがスタート。放送当時から変わらない、みずみずしくも熱い演技に観客は瞳を輝かせながら聞き入った。

 そして、リリーナ役の矢島晶子からの映像コメントも上映された。お嬢様役をほとんど演じたことがなかった当時、リリーナを演じる時は気が重かったと振り返りながらも、今ではありがたい役をいただけたと作品への感謝を述べた。そんな矢島のリクエストで、最終回第49話の生アフレコが実現。アニメ映像と連動したド派手な照明の演出と共に、ステージ上で展開する熱いストーリーを演じきった5人のキャストに、会場から大きな拍手が送られた。

 最後は、5人からの少し遅いクリスマスプレゼントとして、『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』主題歌「WHITE REFLECTION」のスペシャルライブが実現。色とりどりのペンライトが輝く会場で、熱い歌声を響かせた5人。緑川は自爆スイッチを押し、関、折笠、中原、石野がバズーカ砲を放つというド派手な演出も披露され、観客に今年最高のサプライズを届けた。ガンダムパイロットたちによる感謝のメッセージが送られ、夢のようなスペシャルディナーショーは、盛況のうちに幕が降ろされた。

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