「ポケモンスリープ」が暴く8万人の睡眠と生産性の関係 経済損失は年1兆円 筑波大がNature系列誌で発表

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2026年01月07日 08:10  ITmedia NEWS

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 筑波大学の柳沢正史教授らの研究グループが発表した論文「Association of sleep patterns assessed by a smartphone application with work productivity loss among Japanese employees」は、スマートフォンの睡眠アプリ「ポケモンスリープ」(Pokemon Sleep)の日本の利用者約8万人、計210万夜分の睡眠データを解析し、睡眠パターンと労働生産性の関連を明らかにした研究報告だ。


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 従来、睡眠と生産性に関する研究は自己申告のアンケートや小規模調査に頼ることが多く、日常生活における実際の睡眠パターンを客観的かつ大規模に把握することは困難だった。この研究ではアプリの利用記録から、総睡眠時間、寝つきまでの時間、夜間の中途覚醒、体内時計のタイプ、平日と休日の睡眠リズムのずれ(社会的時差ぼけ)といった多面的な指標を抽出し、質問票で得られた労働生産性低下スコアとの関係を検討した。


 分析の結果、睡眠時間については短すぎても長すぎても生産性が低下する「U字型の関係」を確認できた。また寝つきが悪い人、夜中に目が覚めやすい人、休日と平日で睡眠時間が大きく異なる人ほど、仕事のパフォーマンスが低い傾向が認められた。


 さらにAI解析を用いて睡眠パターンの類似性に基づき対象者を分類したところ、「健康的な睡眠型」「長時間睡眠型」「断片的睡眠型」「不眠傾向型」「社会的時差ぼけ型」の5タイプに分かれた。このうち特に生産性の低下が顕著だったのは「社会的時差ぼけ型」と「不眠傾向型」であり、この傾向に男女差はなかった。


 経済損失に換算すると、「社会的時差ぼけ型」は「健康的な睡眠型」と比較して年間で1人当たり13.6万円の損失に相当する。日本全体では不規則な睡眠習慣による経済損失が年間約1兆円にのぼると推定された。


 この研究成果は、Nature系列の科学雑誌「npj Digital Medicine」で2025年12月11日付で掲載された。


 Source and Image Credits: Seol, J., Iwagami, M. & Yanagisawa, M. Association of sleep patterns assessed by a smartphone application with work productivity loss among Japanese employees. npj Digit. Med. 8, 751(2025). https://doi.org/10.1038/s41746-025-02155-3


 ※Innovative Tech:このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。X: @shiropen2



このニュースに関するつぶやき

  • 最初睡眠仮として入れたけど今は単純に育成ゲームとなってる。当然データもいい加減。そういう人多そうだしそもそも睡眠時間以外に生産性ってどう測るんだよ。
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