大井川鐵道、SLを『パーシー号』に改装でファン困惑も「生きたSLを残す」同社が語った“使命”

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2026年01月21日 08:10  週刊女性PRIME

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週刊女性PRIME

『きかんしゃトーマス号』(左)と『きかんしゃパーシー号』(大井川鐵道公式サイトより)

 1月8日、静岡県島田市に本社を置く、大井川鐵道が黒いSLC10形を『きかんしゃパーシー号』として変更し、デビューさせることを発表。

大井川鐡道、SLを『パーシー号』に

「大井川鐵道では、毎年、『きかんしゃトーマス号』が期間限定でそのレールを走っており、この期間はお子さんたちを連れた多くのファミリーが大井川鐵道を訪れます。今回、SLの外装を緑色に塗装、装飾も変更し、新たに『パーシー号』とするとのこと。

 国内で初めてSLの復活運行を始めたのが大井川鐵道で、SLは同社の象徴ともいえる存在です。その文化的価値も相まって、ネット上では、《C10潰されるのがショック》
《大事な遺産のC10はそのまま残して欲しかった》など、反対意見も上がっている状況です」(地方紙記者、以下同)

 今回の改装について、大井川鐵道の代表取締役社長・鳥塚亮氏が記事を公開。社長記事によると、『パーシー号』の改装は収益化を狙ってのことだという。

「今年、ちょうどSLの復活から50年が経過しましたが、復活当初のように“お客さまにいらしていただける時代でもなくなってきました”と語っていました。一方で、2014年から走り始めた『トーマス』は着々と集客ができているとのこと。さらに、蒸気機関車の維持に莫大な費用がかかる中、補助は一切出ていないとのことです。

 もちろん、文化的な価値の側面や従業員、SLに思いを寄せる人が多くいることは重々理解できますが、収益化が見込めないままの継続は得策とは言えません。苦渋の選択だったとみられますが、継続のためには致し方ない判断ともいえそうです」

 実際、大井川鐵道には、どのような意見が届いているのだろうか。問い合わせてみると、《当社を取り巻く環境と本施策の背景について》とし、前提についての説明があった。

「当社は現在、災害により一部区間が不通となっている大井川本線の全線復旧を最重要課題として取り組んでおります。その実現には、限られた経営資源(車両・人員・資金)を効果的かつ効率的に活用し、持続可能な鉄道事業運営を行うことが不可欠です。

 今回の施策は、話題性のみを目的としたものではなく、全線復旧と将来にわたるSL運行の継続を見据えた、戦略的な事業判断の一環でございます」(大井川鐵道担当者、以下同)

 今回の発表を受けての問い合わせ内容について、次のように説明する。

「発表後、SLファンの皆さまから“元の姿が見られなくなるのは寂しい”といった、長年のご愛着ゆえのお声を頂戴していることは承知しております。一方で、当社に直接寄せられるお問い合わせの多くは、運行スケジュールやチケット予約に関する具体的なご質問であり、新しいキャラクターへの期待や、お子さま連れのお客さまからの“楽しみにしている”といった前向きなお声が中心となっております。

 また、従来よりご支援いただいているファンの方々からは、“どのような形であれ、機関車が元気に走ってくれることが一番”や“会社の存続と全線復旧のためなら応援したい”といった温かいお言葉も頂戴しております」

 ネット上では批判的な意見も見られるが、直接会社に届く意見とは温度差があるようだ。

『パーシー号』の収益化について

『パーシー号』に改装することで、どの程度の収益化が見込めるのだろうか。

「個別の具体的な収支につきましては回答を差し控えさせていただきますが、『きかんしゃトーマス号』をはじめとするキャラクター関連事業は、従来のSLファン層に加え、ファミリー層を中心とした新たな顧客層を広く呼び込む力を持っております。

 乗車率の向上に加え、関連グッズや地域観光への波及効果も大きく、当社の重要な収益基盤の一つとして確立しております。従来のSLは会社全体の収益には貢献していますが、より幅広い層に鐡道の魅力を届け、収益性を高めることで、全線復旧とSLの長期的な維持につなげるための“選択と集中”によるものです」

 発表にあたり、社内でもさまざまな意見が飛び交ったと思われるが、その実情について、こう話す。

「当社では10年以上にわたり『DAY OUT WITH THOMAS (TM)』を開催しており、蒸気機関車の意匠変更やキャラクターイベントの運営については十分な実績とノウハウがございます。そのため、今回の施策に際して社内で大きな混乱や反対意見が生じた事実はございません。

 現場の職員も、日頃から多くのお客さま、特にお子さまの笑顔に触れており、今回の新たな取り組みについても前向きに受け止めております。現在は、安全運行とサービス向上に向け、全社一丸となって準備を進めております」

 最後にSLの想いについて聞いてみた。

「当社は1976年、全国に先駆けて蒸気機関車の動態保存を開始して以来、SLを当社の“象徴”として大切に守り続けてまいりました。SLを動態で維持するためには、技術継承に加え、多大な維持コストと安定した経営基盤が必要です。

 今回の意匠変更は期間限定のイベント対応であり、不可逆的な改造ではございません。『きかんしゃパーシー号』登場によって得られる収益をSLの維持管理や路線復旧に還元し、後世に『生きたSL』を残していくことこそ、鐡道事業者としての使命であると考えております。

  今後も、『DAY OUT WITH THOMAS(TM)』関連列車をはじめ、多様な列車の運行を通じて、幅広いお客さまに鉄道の旅の魅力をお届けしてまいります」

『パーシー号』が大井川鐵道や観光客、地元住民など、さまざまな人々に幸せを運んでくれることを願うばかりだ。

このニュースに関するつぶやき

  • 仕方がない、数年前の災害で未だ全面復帰が出来ず、開通するのに莫大なお金が掛かるから…
    • イイネ!22
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