
熊本地震の後に起きたイオンモール熊本の爆発事故について、元東京消防庁の佐藤康雄さんの解説です。
震度6弱 イオンモール熊本で何が?井上貴博キャスター:
現在のイオンモール熊本の救助状況を見てわかることはありますか?
元東京消防警防部長 佐藤康雄さん:
白いヘルメットにオレンジの服を着ているのが「救助隊員」です。一方で、テントの下にいるのが「救急隊員」です。「救急隊員」は救護はしますが、事故現場の中には入りません。
「救助隊員」が中に入り、「救急隊員」は運ばれてきた人をテントの下で対応という、役割分担をしているのです。
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井上キャスター:
これだけ崩れていると、床部分の不安定さなど、かなり気をつけなければいけないことがあると思います。
元東京消防警防部長 佐藤康雄さん:
天井部分の落下・崩落。完全に崩れていればよいのですが、まだ中途半端な状態ですので、いつ崩れてくるか分からない。
それから、強度を計算して建てられているものが、ぐちゃぐちゃになっています。一つ柱を動かす、あるいは助けようとして、鉄筋コンクリートで作られた床材、いわゆる床スラブを動かすと崩れてくることもありますので、非常に難しい状況だと思います。
また、この暑さの中、人命救助のタイムリミットを示す「72時間の壁」があるので、発生からずっと夜を徹して、頑張られていると思います。
イオンモール熊本 爆発は「爆轟」か井上キャスター:
イオンモール熊本の爆発前と、爆発後の写真を見比べてみると、爆発後の2階部分は、鉄骨が残っている所もあれば、全て抜け落ちている所もあります。やはり、鉄骨が全て抜け落ちている部分で激しい爆発があったということなのでしょうか。
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元東京消防警防部長 佐藤康雄さん:
そうですね。そのあたりを中心に爆発が起きたと考えるのが妥当だと思います。
井上キャスター:
最も爆発がひどかったとみられる場所近くの電線には、外壁と見られるようなものが垂れ下がっています。また90mくらい離れた道路にも瓦礫が散乱し、停車していたトラックのドライバーはけがを負ったということですが、大事には至らなかったということです。
イオンモール熊本の2階には、家電・雑貨、ファッションなどの売り場や、映画館、またフードコートがあったということです。
当初、フードコートからのガス漏れではないかという報道があったようですが、爆発が最もひどかった場所からは離れています。
そして、1階部分は、ファッション、レストラン、書店・雑貨などの売り場がありました。
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これだけ大規模な爆発になった可能性として考えられているのが、普通の爆発ではなく、「爆轟(ばくごう)」です。
元東京消防警防部長 佐藤康雄さん:
爆発には燃えるのに近いような爆発と、「爆轟」という、音速を超える衝撃波の出るものがあります。
イオンモール熊本は、とても大きな建物です。今回、これだけ広範囲の被害を見ると、実際にマッハを超えるような衝撃波だったかどうか、正確には分かりませんが、それに近い爆発であったということは言えると思います。
井上キャスター:
過去にも「爆轟」のような爆発はありましたか?
元東京消防警防部長 佐藤康雄さん:
(東日本大震災で)原子力発電所で水素爆発したときに、建屋が吹き飛びましたが、それが「爆轟」です。
井上キャスター:
それと同じレベルのことが今回起きてしまった。
元東京消防警防部長 佐藤康雄さん:
はい。ただ、原子力発電所で水素爆発での「爆轟」は、水素など、酸素と結びつきやすい原子が非常に早く反応することで起こります。そのため音速を超えるような衝撃波になります。
しかし、プロパンや都市ガスは、炭素の鎖が非常に長く続いて重いため、一般的に「爆轟」しにくい物質です。そのため完全な「爆轟」ではないと思います。
イオンモール熊本 現在の状況は井上キャスター:
一刻も早く生存者を救助しなければいけない。そのために大切なことはどのようなことでしょうか。
元東京消防警防部長 佐藤康雄さん:
かなり壁や床が崩れていますので、これからまた崩落しないようにすることが一番大事です。
井上キャスター:
どのように崩落しないようにするのですか。
元東京消防警防部長 佐藤康雄さん:
時間がある時には、ある程度つい立を立てながらやることもありますが、時間との勝負なのでそれをやるのはなかなか難しい。
崩落しないように、ある程度、場所を決めて要救助者がいる時には、つい立を立てることもあると思いますが、それ以外は注意深く確認していくしかないと思います。
井上キャスター:
一つ情報が更新されました。
【イオンモール熊本での被害】
(7月29日午後4時 時点)
・「死亡」3名
・「心肺停止」1名
・「けが」5名
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<プロフィール>
佐藤康雄さん
元東京消防警防部長
東日本大震災では1万8000名の職員を統括

