大雨により冠水した道路=30日午前、福井市 福井県嶺北地方は30日未明、前線の影響で記録的な大雨となった。気象庁は午前4時半、福井市と福井県大野市、勝山市に警戒レベル5の大雨特別警報を発表し、3市は「緊急安全確保」を発令した。午前中に雨は弱まり、同庁は11時40分に大雨特別警報を警戒レベル4の危険警報に切り替え、その後注意報に引き下げた。
勝山市では24時間雨量が午前9時10分までに350.5ミリ、福井市・美山では同11時までに318.0ミリ、大野市では同11時20分までに281.0ミリに上った。いずれも統計史上最多記録を更新した。雨量が多かった所は地盤が緩み、土砂災害が起きやすくなっている恐れがある。
同県によると、午後5時時点で、23の河川が氾濫し、8市町で592人が一時避難した。坂井市や勝山市など4市1町では住宅の浸水被害が80軒確認された。人的被害は坂井市の30代女性が冠水した道路で転倒して足を骨折するなど、2人がけがをした。
県警には車の立ち往生や道路の冠水などの通報が106件寄せられたほか、坂井市などを管轄する嶺北消防組合消防本部は救急搬送などの出動が25件あった。北陸新幹線は平常運行したが、JR越美北線などは30日の運行を取りやめた。
気象庁の細見卓也予報課長は明け方に記者会見し、「日本海から福井県付近に延びる前線に向かい、南から暖かく湿った空気が太平洋側の高気圧の縁を回るようにして流れ込み、積乱雲が発達した」と説明。この状況は27日に富山、石川両県5市町に大雨特別警報が出た際と似ているが、「短時間に猛烈な雨が降るのではなく、1時間に50〜60ミリの非常に激しい雨が29日夜から長い間、断続的に降った」と話した。

豪雨の影響で増水した川=30日午前、福井市

大雨により住宅街で水に漬かった車=30日午後、福井県坂井市