「詰めが甘かったですね」転職エージェントとの密会が上司にバレていた新入社員の末路

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2024年05月14日 09:21  日刊SPA!

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※画像はイメージです
 多くの新入社員が、胸に希望を膨らませて入社する4月。決して楽ではなかった就職活動を経て、ようやくつかんだ社会への第一歩は、人生の大切な節目です。ところが、いざ入社してみて、自分の想像とは異なる待遇や仕事内容に戸惑う人もいるようです。今回は、そんな入社後のエピソードを聞いてきました。
◆見事にハズレた配属ガチャ

 もともとSEOの仕組みに興味があり、学生時代から地元のウェブメディアでアルバイトをしていた佐藤さん(仮名・23歳)は、かねてから憧れていた都内にあるウェブメディア制作会社に就職しました。

「内定をもらった時は、本当にとても嬉しかったですよ。なぜなら、ここの会社が運営する情報サイトはとても好きで、時々編集部へDMを送るほどのお気に入りだったからです。担当の方も丁寧な返答を毎回送ってくれて、とても誠実な会社だと感じていました」

 入社前の心境を、少し懐かしく語ってくれた佐藤さん。しかし、最初の配属先を聞かされた時、思わず「えっ!」と声を上げてしまったそうです。

「まあ、自分の早とちりかもしれませんが、面接の際に、編集部への魅力を強く感じたことを伝えたとき、面接官が『それならば、ぜひ頑張ってもらいたいですね』と言ってくれたので、つい編集部への配属だと思い込んでしまったんです」

◆親に我慢しろと言われたが…

 しかし、佐藤さんが配属されたのは「カメラマン補助」という取材記者に同行する仕事を担当することになります。カメラの知識は「ゼロ」に等しく、配属初日から分からないことだらけで先輩記者の足を引っ張ったそうです。

「企画を考えたり、文章を書くことは大好きでしたが、撮影に関することは全く興味がなく、重い機材を毎回車に積み込む仕事に、心身ともに疲れ切っていました。それに加え、毎日他の同期より少し早めに出社して、帰りは道路の渋滞で遅くなる時も多く、毎日が苦痛でした」

 そんな息子の様子を察知したのか、ある夜母親から電話があったといいます。

「ある晩、ずっとスマホのバイブが何度も鳴りっぱなしになっていたので、出てみたら母親からでした。それで、開口一番『あんた、大丈夫なん? 最近電話もくれんで』と、少し心配そうな母親の声を聞いた途端、なぜか泣きそうになり、思わず弱音を吐いてしまいました。でも、母親は『せっかく入社できたんだから、もう少し頑張ってみなさい』と言うんです」

◆脳裏をよぎった“転職”

 翌日も取材現場に駆り出された佐藤さんは、昼休みを一人でとることにしました。

「いつもは、先輩と一緒に弁当を買ったり、定食屋に行ったりするのですが、その日は誰とも一緒にいたくなくって、取材先の近くにあった公園で昼食をとりました。食べ終わってから、まだ時間に余裕があったのでスマホを見ていたら『新入社員のいきなり転職!』という記事が目に止まりました。その記事を読み終えた時、自分の脳裏に『転職』という2文字が浮かんできました」

 佐藤さんは、これまで考えてもみなかった身の振り方を意識し始めたといいます。どうにかしたい状況だったため、すぐに業界で有名な転職エージェントにコンタクトを取ります。

◆秘密裏に転職エージェントと接触
 
「自分の状況を説明すれば、すぐに面談を提案してくれたので、昼休みに会社から少し離れた喫茶店で会うことになりました。担当の方は非常に親身になって私の話を聞いてくれて、早速複数の転職先候補を提案してくれました。正直、相談がメインだったので、少し驚きました」

 その後も、同じ喫茶店で数回、転職エージェントと会った佐藤さん。どうやら、とても好条件な転職先を提案されたようで、かなり前向きな気持ちになっていました。もしかしたら理想的な転職ができるかもしれない。そう思っていた矢先、まさかのダブルショックが訪れました。

「非常に前向きな気持ちで、心の準備も万端だったのですが、転職エージェントから連絡があり、予定していた転職先で不祥事が発生したようで、一時保留という知らせを受けました。また振り出しに戻ったと思った直後、今度は自分以外の同期たちが、新規プロジェクトの立ち上げメンバーに選ばれたという情報を耳にしました」

◆予想外の事態で立場がなくなる

 転職の話は別として、新規プロジェクトに選ばれなかったことに納得がいかなかった佐藤さんは、直属の上司に直接交渉したところ、「実は、喫茶店で君が転職エージェントと面談しているところに僕も居合わせたんだ」と思わぬ言葉が返ってきたといいます。

「実はあの担当者は、以前、上司が中途採用の件でお世話になった方だったみたいです。上司からは『少し様子を見て、いずれしっかりとしたヒアリングをするよ』と言われました。入社すぐに転職しようとしていることが、上司にバレてしまい、何も反論できなかったです」

 会社にも居づらくなり、転職もままならない現実に直面し、自分の詰めの甘さに落ち込む日々が続いたそうです。

<TEXT/ベルクちゃん>

【ベルクちゃん】
愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営

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