「ロエベ財団 クラフトプライズ 2024」 日本人作家の浅井美樹が特別賞を受賞

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2024年05月16日 13:41  Fashionsnap.com

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浅井美樹の作品「Still Life」

Image by: LOEWE
 「ロエベ(LOEWE)」が、「ロエベ財団 クラフトプライズ 2024」の受賞者を発表した。大賞は、メキシコを拠点に活動する陶芸作家アンドレス・アンサが受賞。特別賞には浅井美樹、エマニュエル・ブース、ヒチャン・キムの3人が選出された。

 大賞を受賞したアンドレス・アンサは、1991年生まれの陶芸作家で、2014年にモンテレイ大学で学士号を取得した。メキシコを拠点に、ローマやサンペドロで個展を実施。2015年にメキシコのモンテレイで開催されたエマージング・アート・ビエンナーレで「Encouragement to Create award」を受賞したほか、2016年のメキシコ国立自治大学ビエンナーレへの出展で佳作を獲得している。
 今回大賞に決まったセラミック彫刻「I only know what I have seen」は、何千個ものセラミックの小さなスパイク状の突起を組み合わせて構成。審査員は、「古代の考古学的な形態に基づいているだけではなく、陶芸を現代の最も特徴的な影響を吸収する芸術であると捉えるポストデジタルの美学をも明らかにし、時間や文化的背景を超越している」と好評を得た。

 特別賞を受賞した浅井は、ミニチュアの容器が置かれた3つの彫刻的なリングで構成した作品を発表。審査員は、複雑さと荘厳さという意外性のある組み合わせを評価した。

 エマニュエル・ブースは、98個の中空磁器レンガでコーヒーテーブルを制作。遊び心を感じさせる一方で脆さが秘められているとし、個別に動かせるレンガが機能性のある構造体に対する期待をさりげなく裏切るという精巧さと規律が審査員を動かした。

 ヒチャン・キムは、大きな彫刻のような器を制作し、現代の幾何学的、建築的デザインの新たな可能性を探求する表現を生み出したことが評価された。なお、ファイナリスト30人の全作品はパリのパレ・ド・トーキョーで6月9日まで展示される。


■ロエベ財団 クラフトプライズ:公式サイト
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