Text by 廣田一馬
昭和デザインの価値が見直され、若い世代に受け入れられつつある現在。昭和のデザインを生活やインテリアに取り入れたい人も少なくないのでは?
今回の記事では4月26日に著書『昭和ぐらしで令和を生きる』を上梓した平山雄さんにインタビュー。
生活を昭和で埋め尽くす「昭和ぐらし」を20年以上続ける平山さんに、昭和アイテム初心者でも取り入れやすい「生活が少しあたたかくなる昭和アイテム」を3つ紹介してもらった(昭和デザインの魅力や「昭和ぐらし」のリアルを聞いたロングインタビューはこちら)。
平山:ポーズ人形(編注:インテリアとして鑑賞するための人形)は昭和好きには人気なんですが、ただ可愛いだけじゃなくて当時の空気が伝わりやすいから人気なんじゃないかな? と読んでいます。これを置くと一気に部屋が昭和になると思いますね。
ーいまの人形にはないバランス感がすごく可愛いですね。ポーズ人形のような昭和アイテムはどこで入手しているんでしょうか?
平山:リサイクルショップでたまたま見つけました。メルカリやYahoo!オークションで「ポーズ人形 レトロ」とかで検索すれば出てくると思うのでおすすめです。
平山:ラビットアンテナはうさぎの耳のような形になっているテレビのアンテナです。これは置くだけで昭和感が出ますよね。
|
|
別室のテレビの上にも置かれているラビットアンテナと平山さん
平山:あえて昭和の古い造花を探し出して、花瓶に挿すのもいいんじゃないでしょうか。造花は僕のなかではけっこう重要なアイテムです。
ー古い造花はどこで探しているのでしょうか?
平山:いろいろな方法がありますね。食器屋さんなどで商品の横に置いてある造花に値段をつけてもらって買わせていただいたこともあります。
ー造花まで昭和時代製にこだわられているんですね……! 見分け方などはあるんですか?
平山:特徴があるわけではないですが、プラスチックの質感が違いますね。古いプラスチックと新しいプラスチックは近くで見ればだいたいわかります。
サイドボードの上にはほかにも色とりどりの造花が飾られている。
|
|
平山:僕は昭和のなかでも主に昭和30〜40年代が好きなんですね。当時はちょうど高度経済成長期で、海外のデザインが急速に取り込まれていった時代です。それより前だと和の要素が強いですし、昭和後期になると完成されてしまってちょっと面白みがないんですよね。
当時の人は海外のものを意識してつくっていると思うのですが、いまのように情報が豊富ではないので、どうしても日本人の本来のセンスみたいなものが混ざっちゃう。海外の雰囲気でつくっているのに日本人っぽさがどこかにあって、その意図しない和洋折衷具合がすごく好きなんです。
でも、それもあえて理由をつけるならという話で、直感的に好きなだけなんですけどね。生まれた当時はそんなふうに、日本のものと海外のものが融合しているものが多かったです。