「実家の相続を放棄したい」人に聞いた最大の理由は?

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2024年05月20日 10:01  マイナビニュース

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あんしん解体業者認定協会が運営する解体無料見積ガイドは5月16日、「実家の相続を放棄したい理由ランキング」を発表した。調査は2024年4月16日〜5月1日、実家の相続を放棄したいと思っている人201人(女性124人/男性77人)を対象にインターネットで行われた。

○実家の相続を放棄したい理由ランキング


実家の相続を放棄したい理由1位は「相続・相続後にコストがかかる(43人)」、2位は「資産価値が低い(39人)」だった。「実家を相続する経済的なメリットがないため、相続放棄したい」と考える人が多いとわかる。自分が住まないのに固定資産税だけがかかる状態を回避するために、相続放棄を検討する人も多いようだ。

○1位「相続・相続後にコストがかかる」



1位の「相続・相続後にコストがかかる」を選んだ人からは、「相続税や手間などを考えると、損することになりそう」(30代 男性)、「固定資産税を払っていく自信がないから」(40代 女性)など、とくに「税金の支払いが大変」を答えた人が目立った。相続する遺産の額によっては、相続税がかかる。また、不動産を相続したあとは、自分が住んでいなくても、毎年固定資産税・都市計画税が課される。



リフォームや維持管理にもコストがかかるため、「家屋がかなり古くなっており、リフォーム工事をしようにも費用の捻出が困難」(50代 女性)など、実家の相続はコスト面でデメリットが大きいと感じる人も多かった。

○2位「資産価値が低い」



2位は「資産価値が低い」。「田舎にある実家なので、売れなさそう」(30代 男性)、「土地や建物の値打ちがなく、売りに出しても買い手がつかなさそう」(40代 女性)など、「立地が良くない」「古い」などの理由で、実家の資産価値が低いと考えている人が多数。相続の経済的なメリットが少なく、相続放棄を検討しているパターンだった。

○3位「管理が難しい」



3位は「管理が難しい」。「結婚して実家を出て、帰省するにも不便な距離になったので、維持が難しい」(30代 女性)、「実家がとても遠く田舎なので、管理しきれない」(40代 女性)など、実家から離れて住んでいるので管理が行き届かないと考える人が多数。



自分で庭木の手入れや風通しなどのメンテナンスを行う場合は、いちいち実家に帰る必要があり、距離が遠いほど負担は大きくなる。仕事や子育てが忙しい人だと時間を確保するのが難しく、年を取ると体力的にしんどくなることも。しかし「時間がないから」「しんどいから」という理由で放置していると、庭木が伸びて近隣に迷惑をかけたり、不法侵入されたりする可能性がある。日常的な管理を代行してくれるサービスもあるが、それも利用にはお金がかかる。

○4位「相続手続きが面倒」



4位は「相続手続きが面倒」。「手続きがよくわからないからです」(40代 男性)、「遺産が少ししかないのと、相続後の手続きや税金が面倒そうだから」(40代 女性)といった声がみられたが、実家を相続する場合には「不動産の名義変更」「準確定申告」「相続税の申告と納付」などの手続きが発生する。手続きが煩雑そうで、相続放棄を考えている人も多いとわかった。ただし、相続放棄する場合も、「財産調査」「家庭裁判所などの申請」といった手続きは発生する。

○5位「住むつもりがない」



5位は「住むつもりがない」。「たいした家柄ではなく、上京しており戻る気もないため」(20代 女性)、「実家が瀬戸内海の島にあり、立地上自分の仕事ができなくなってしまうので」(30代 男性)、「自分の家があるし、実家があっても利用する機会がないから」(50代 男性)とのことだった。実家とは別にマイホームを購入していたり、実家から離れたエリアで生活を築いている人は、実家を相続しても故郷に戻るのは難しくなる。「自分で利用できないので、いらない」と考える人も多いとわかる。

○6位「家族と疎遠・関わりたくない」

6位は「家族と疎遠・関わりたくない」。「もともとあまり実家や兄弟と仲が良くなく、相続をきっかけに集まるのが嫌だから」(20代 女性)、「家族との仲が良好ではなく、現在もまったく関わっていません。そのためスムーズに相続がすむとは思えないし、可能ならば家族と会わずに過ごしたいです」(30代 女性)など、家族に対していい感情がないため、親から財産をもらいたくないと考えている人も多いとわかった。財産をもらいたい気持ちがあっても、家族と話をするくらいなら相続は諦めるという人もいるかもしれない。相続放棄する場合、他の相続人に連絡する義務はない。

○7位「兄弟・親族間で揉めたくない」



7位は「兄弟・親族間で揉めたくない」。「実家の相続により、親族間で揉めるという話をよく聞くから」(20代 女性)、「遺産配分のことで家族と揉めるのはわずらわしいから」(40代 男性)という声もあったが、家などの不動産は現金のように分けられないため、相続人の間で「誰が実家を受け継ぐか」と揉めることは多いという。実家を売って現金を分ければいいと思う人もいるが、相続人の中に「実家を残したい」「自分が住みたい」と主張する人がいると、話し合いが難航することも。



「父の代で「誰が土地を取得するか」で親族間の喧嘩になりました。子ども心に「土地争いの大変さ」を痛感したため、実家の相続を放棄して弟に任せるつもりです」(60代以上 女性)など、他の相続人に実家を譲って揉めごとを避けるため、相続放棄を希望している人も多くなった。

○8位「借金がある・ありそう」



8位は「借金がある・ありそう」で、「母親が他界して認知症の父親が残されており、「財産の状況」「借金がいくらあるか」などが不明なので」(40代 男性)、「負債もありそうだから」(30代 男性)といった声が寄せられた。相続放棄すると「プラスの財産」も「マイナスの財産(借金)」も放棄することに。そのためプラスの財産より負債の方が多い場合は、相続放棄が検討される。

○実家の相続について相談したことがある人は63.2%


実家の相続を放棄したいと思っている201人に「実家の相続について誰かに相談したことがあるか」と聞いたところ、「ある」が6割を超えた。相続放棄について家族の理解を得るために相談したり、プロに手続き関連の相談をしたりする人が多いと思われる。

○相続について相談した理由は?


相続について相談した理由としては、「相続放棄するという自分の意思を伝えておきたい」が多くなった。親や兄弟には相続放棄についてあらかじめ伝えておき、心づもりをしておいてもらいたいと考える人が多いようだ。親が高齢になってきたり病気を患ったりして、相続が現実味を帯びてきたときに切り出す人も多いと推測できる。相続についての話はしにくいと感じる人もいる一方、「家族で集まると自然と相続の話になる」という家庭も。

○相続について相談していない理由


相続について相談していない理由としては「まだ早い」が多くなった。親が元気だと「相続の話なんてまだまだ先のこと」と思い、自分事として捉えられない人も多いのかもしれない。また、親が気を悪くしそうで言い出しにくかったり、家族の仲が悪かったりして、相談できないケースもあるようだ。「きちんと話し合ったことはないものの、大体の方針は親子・兄弟間で共有している」「親が考えてくれているから」という人も多かった。

○実家の相続についての相談先は「親」


実家の相続について相談したことがある127人に「実家の相続についての相談先」を聞いた結果、最も多かったのは「親(70人)」、次いで「兄弟姉妹(55人)」だった。被相続人である親と、相続人である兄弟姉妹に相談する人が多いことがわかった。(Yumi's life)

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