「Xiaomi 14 Ultra」の撮影が楽しいのはストレスがないから

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2024年05月21日 13:21  ITmedia NEWS

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「Xiaomi 14 Ultra」

 小米技術日本(シャオミ・ジャパン)が発表した新型スマートフォン「Xiaomi 14 Ultra」が話題です。私自身、発表会で体験して、「これはまたすごいのがきたぞ! じっくり撮影してレビューしたい」と思わせてくれたスマホであります。


【その他の画像】


 Xiaomi 14 Ultraは、ライカと共同開発したクアッドカメラを搭載したXiaomiのハイエンドスマホです。ライカレンズを採用し、カメラ自体もライカが監修しました。その証として、4つのレンズに囲まれた場所に「LEICA VARIO-SUMMILUX 1:1.63-2.5/12-120 ASPH」と印字されています。


 今回、それなりの日数使うことができたので、このXiaomi 14 Ultraのカメラをレビューしていきたいと思います。


 デジカメとして考えた場合、Xiaomi 14 Ultraを上回るスペックのデジカメはいくらでもあります。例えば、デジカメとして評価する際にRAWで撮影できるというのがあります。Xiaomi 14 Ultraは、RAW保存、UltraRAW保存がDNGでできます。そして、AdobeのLightRoomにも対応しています。


 ただ、JPGと比較して、たくさん情報がある、別の言い方をすれば、現像ソフトで追い込めるという感じがそこまでなかったのが正直なところでした。やっぱり、このXiaomi 14 Ultraで撮れる写真は、基本的にはスマホやWebに最適化されているという認識でいいと思います。


 でも、Xiaomi 14 Ultraのすごさって、そこじゃないわけです。


●撮影が楽しいのはストレスがないから


 Xiaomi 14 Ultraでの撮影はとにかく楽しいです。なぜ楽しいのでしょう。それは、とにかく撮影シーンによるストレスがないから。こんなに撮影しやすいスマホは今までなかったと言い切れるレベルです。


 写真というのは、ハードウェアとしてのカメラの性能とそのときの光の加減に左右されます。そのため、ちょっと書き出してみても、これだけの「写真が撮りにくいシーン」があります。


1)もっとワイドが欲しい


2)もっとズームしたい


3)暗くて撮れない


4)食べ物がおいしそうに撮れない


5)撮りたい人にピントが合わない


 こういう問題があるから、デジカメというのは進化をし続けてきたわけです。ところがXiaomi 14 Ultraでは、さすがにF1マシンをあっさり撮影できるということはないとは思いますが、日常生活で上に書き出したようなシーンで撮れないということがまずありません。そしてこれまでのスマホと比較すると、一段階上の画質の写真を仕上げてくれるのです。


●1)超広角撮影が可能


 生活の記録ということだけを考えても、できるだけ広く撮影したいというニーズはあります。でも、室内などどうしても後ろに下がれない時はあります。Xiaomi 14 Ultraは画角122度の超広角レンズ(図中ではライカ12mm超広角)を搭載しています。


●2)3.2倍と5倍で撮影可能


 写真を撮っているとどうしても被写体に近づけないときもあります。もちろん薄さが求められるスマホでは長いレンズなんて使えないので、レンズを切り替えることでこれを実現しています。5倍(図中ではライカ120mmベリスコープ)まであれば、もう一歩前に出たいというシチュエーションでも対応できるでしょう。


●3)暗部撮影に強い


 メインカメラ(図中ではライカ23mmメインカメラ)にソニー製の1インチセンサー「LYT-900」を採用したこともあり、少ない光量での撮影が可能になっています。ナイトモードも用意されていますが、ナイトモードをわざわざ使うことなく、街の夜景レベルであれば、普通のモードで十分に撮影可能です。


●4)望遠マクロでのシズル感がすばらしい


 主に食べ物の写真を撮るときなど、スマホを被写体に近づけると、スマホや撮影者の影が入ってしまったりします。そんなときにも望遠マクロが使えるので、影の入らない離れた距離(30cm)からの接写が可能になります。ソーセージの表面に残った水滴まで撮影できました。


●5)AFが優秀


 瞳AFのおかげで人の目を外しません。ただ、生活の中で撮影をしていると、人だけが立っているなんてことはありません。背景に何かあり、手前にも何かあったりします。そんな時、Xiaomi 14 Ultraは、人を優先してAFで合焦しつつ、人の写真では大事になる目に自動でぴったりピントを合わせてくれました。


●もう1つのストレスを軽減する「Photography-Kit」


 そして、さらにもう1つのストレス──スマホの形状は普通のカメラほど撮影に適していない──という点を、オプションの「Photography-Kit」が軽減してくれます。Photography-Kitは、撮影グリップ(とフィルターアダプターのキット)のそれは、Photography-Kitがただのカメラグリップではないからです。


・スマホを撮影態勢で持つときに持ちやすい


・ズーム調整がワンボタンで調整できる(焦点距離を切り替えるがおすすめ)


・ビデオ録画ボタンが付いている


・シャッターボタンを押し込むと1秒で撮影可能状態になる


・EV(露出調整)もワンボタンで調整可能(-0.3EVぐらいがシックな感じにするのにおすすめ)


・実は追加バッテリー(1500mAh)が内蔵されている


 写真が撮れる/撮れないのストレスでもう1つあるのが、撮りたい時、さっと写真が撮れる状態にならないこと。それが、Xiaomi 14 Ultraなら1秒で撮影態勢に入れます。これはすごいです。しかも、どこに向けても昼でも夜でも、ワイドでもズームでもマクロでも撮れないということがない。これはホントにすごいことですよ。


 そして、最後の仕上げはある意味、Xiaomiとライカの発明ともいえる“透かし”です。とにかく、Xiaomi 14 Ultraの写真での売りはライカの名前が入っていることです。どうせなら、これはドヤしたくなるというものです。だから、ライカの透かしを入れたくなります。そして、そうすると自然にその撮影時の画角、f値、シャッタースピード、ISO感度も情報として記載してくれます。


 これが、後で写真を見直した際に、いい具合にカメラの勉強になるわけです。しかも、日々見ていくことになるので、じわじわと毎日復習を繰り返すことになっているわけです。


 そして、今時の写真といえば、当然のようにあとからソフトウェアで画像処理をしますし、そもそもスマホとして動作がキビキビとしています。この圧倒的な処理能力の速さ。最新のSoCである「Snapdragon 8 Gen 3」は伊達じゃない! のです。


 最後に、Xiaomiが今回のXiaomi 14 Ultraの発売に合わせて、若手クリエイターを支援する「Xiaomi U30 Photo Contest 2024」をいうフォトコンテストを開催しています。優秀作品は、そのまま首都圏主要駅のデジタル広告に採用されるというのも、なんともうまいやり方です。しかも応募者もうれしい。


●Xiaomi 14 Ultraはどんな人にオススメ?


 ということで、普段スマホで写真を撮っていて、ああもう少し性能がよければ、もっと写真が撮れるのに! と思うことがある人。そんな人は迷わずXiaomi 14 Ultraいっちゃってください。


 ただ、デジカメを買い替えるという感覚で買おうとすると、そこはまた違う話になってくると思います。先述したようにRAW現像で思い通りの写真に現像ソフトを使って仕上げようとするのは難しいという点、また当然ですが、自分がホントに必要な交換レンズを選ぶなんてこともできません。


 つまり、用意されたものをはみ出して、さらに写真で何かを表現しようとすると、そこはまだまだデジカメの方がはるかに設定可能な領域が、ユーザーに委ねられている、ということです。この辺の判断は、この先SNSにどんどん投稿されるであろうXiaomi 14 Ultraで撮影された写真をSNSなどで確認してからでいいと思います。


 なお、今回は動画性能については、あまり触れていませんが、動画撮影の際、適当にぶつぶつしゃべっていたら、「AI Audio」のおかげでナレーションでも入れたかのようになっていたのも、最高にびっくりしました。


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