タイガー魔法瓶、創業101年に歩を進める新製品「土鍋ご泡火炊き JRX-G100」

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2024年05月22日 12:31  BCN+R

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「土鍋ご泡火炊き JRX-G100」とタイガー魔法瓶 ソリューショングループの岡本正範統括マネージャー
 タイガー魔法瓶は5月21日、都内のスタジオでIHジャー炊飯器の新製品「土鍋ご泡火炊き JRX-G100」(5.5合炊き)と「JRX-G060」(3.5合炊き)の発表会を開催した。エボニーブラックとアイボリーホワイトの2色展開で6月21日に発売。価格はオープンで実売想定価格はJRX-G100が14万8500円前後、JRX-G060が14万3000円前後。

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●市場は台数ベースで減少傾向も、高付加価値を評価

 発表会の冒頭で、タイガー魔法瓶 ソリューショングループの岡本正範統括マネージャーが炊飯器の市場環境と同社の事業戦略について語った。

 2023年度の炊飯器市場は454万台(前年度比93.8%)で前年割れ(出荷ベース)。消費税率が10%に引き上げられた19年度の560万台や、新型コロナによる給付金や巣ごもり需要のあった20年度の557万台から減少傾向にある。

 一方で、高単価の製品需要は高まっており、23年度の平均単価は2万2161円。それまでピークだったインバウンド特需のあった15年度の平均単価を上回っている。もちろん、円安による資材価格の高騰などの影響もあるが、岡本統括マネージャーは「高付加価値に対するニーズが高まっている」と分析する。

 理由として、5万円以上の台数構成比が34%と高まっており、4万以上を含めると6割を占めていることと、月次の平均単価推移がいずれの月も過去3年を上回っていることを挙げる。

●販売金額シェアで22.5%まで伸長

 そうした市場環境の中、タイガー魔法瓶単独では販売金額シェアを着実に伸ばしている。19年度に15.2%で業界3位だったシェアは毎年伸びつづけて、21年度に2位に浮上。23年度は22.5%まで拡大している。

 理由について岡本氏は「台数ベースで落ちている市場の中で、(タイガーは)相対的な位置づけや業績を上げている。付加価値の高い製品づくりに注力していることが、時代の流れとマッチして評価いただいている」と語った。

 時流に合わせた製品ラインアップでは、10万円以上のプレミアム価格帯で業界唯一の同一品番で小容量(0.9リットル以下)を展開していることも挙げる。少子高齢化で平均世帯人数は減る一方、世帯数は増えている。小容量タイプの販売金額は、前年同期比121%の二桁増で伸びているという。

●新開発「300℃ WレイヤーIH」と新素材「シラスバルーン」

 創業101年目となる最上位モデル「土鍋ご泡火炊き JRX-G100」は、炊飯器の熱源であるIHヒーターに「300℃ WレイヤーIH」を新たに開発。タイガー史上最高温度となる300℃での高温炊飯を実現し、土鍋の温度変化の特性に合わせて炊きムラを少なくする炊き方を生み出した。

 また底面は2層IHコイル構造を採用。土鍋を直火で炊くような炎の温度差を再現する。蓄熱性の高い土鍋は、底面からゆっくりと上に向けて熱が伝わる。この温度差が、激しくもやさしい熱対流を生み出し、ごはんの甘さを引き出している。

 合わせて、土鍋の底面にある発熱体に新素材「シラスバルーン」を採用。シラス台地から採掘される火山灰を原料とする素材で、環境負荷ゼロの国産天然素材だ。空気を多く含む素材のため、土鍋の蓄熱性が高まる。

 また、土鍋の側面に塗る釉薬を見直した。鉄やコバルトなどを含む新開発の釉薬を採用し、遠赤効果をさらに高めた。

 このように、新開発の「300℃ WレイヤーIH」と土鍋の新しい発熱体により、ごはんの甘み成分は約8.5%アップ、粒感につながる弾力性は約5.0%アップした。

●土鍋炊きにこだわる「おにぎり太郎さん」も高評価

 発表会には、SNSで人気の料理家おにぎり太郎さんも登壇。23年9月から国内外でおにぎりを握る活動を展開して、日本のごはんのおいしさを伝えている。

 料理人だったときのまかないはいつも土鍋で炊いていて、毎日のごはんも土鍋で炊いているというおにぎり太郎さんは、JRX-G100で炊いたごはんの感想について「粒立ちがよく、甘さもあった」と述べた。

 また「通常の土鍋は最初に米に浸水させるひと手間が必要だが、JRX-G100はボタンひとつで炊けるので浸水がいらない。これには家族もびっくりしていた」と語った。

 会場では、おにぎり太郎さんが握ったおにぎりが振舞われた。つや姫に、3種類の塩をブレンドした塩おにぎりと、こだわりの海苔と松前漬けをあわせたおにぎりの2種類。どちらもやさしくふっくらとしたごはんに、甘みや弾力ある粒が感じられ、おいしかった。(BCN・細田 立圭志)
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