投資を怖がる人にこそ知ってほしい!ボーナスを貯金にまわすより選ぶべきものって?

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2024年06月17日 08:50  女子SPA!

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女子SPA!

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<女性が一生、お金に困らないためのレッスン vol.25/経済評論家・佐藤治彦>

“定額減税が出たから自分にご褒美、ちょっとプチ贅沢もいいよね”そう思ってる人は圧倒的な少数派ではないでしょうか?

 厚生労働省が6月5日に発表した、毎月勤労統計調査によると、私たちのお給料は25か月下がっています。

 え? 私は給料上がったけど……、という人に説明すると、こういうことなんです。

◆4万円の定額減税があっても、大切に使わないといけない理由

 お給料が2%上がっても、物価が3%上がっていたら、それはお給料が下がってるのと同じと考えるのです。これを実質賃金の減少と言います。この状況がなんと25か月も続いているんです。困ったものですね。

 大企業に勤めている人から、中小企業に務める人まで、みんな下がっています。特に非正規や中小企業に勤めている人は下がり具合がひどいんです。

 だから。

 4万円の定額減税があっても、大切に使わないといけないというわけです。

 みなさんのお給料が減ってるだけではありません。残念なことに、みなさんが銀行などに預けている預貯金も金利がほとんどゼロで、物価だけががっつり上がっているので、お金の価値はどんどん下がっているのです。

 みなさんが頑張って貯めた預貯金が、少しでも目減りしないように工夫してもらいたいです。

◆世界中で金利が大きな曲がり角に

 筆者はNISAなどでの運用をオススメして『つみたてよりも個別株!新NISAこの10銘柄を買いなさい!』といった本を出し、皆さんに少しでもお金を増やす工夫をしてもらいたいと思ってます。

「投資は難しいし、目減りどころか、元本割れして減ってしうリスクもあるから嫌だ」そういう考えの人が多くいることも、よくわかっています。

 ただ、いま世界中で、金利が大きな曲がり角に来ているということを意識してほしいのです。

 6月6日にヨーロッパ中央銀行が2019年以来の利下げをしました。アメリカも年内には利下げするだろうと言われています。

 一方で、日本はほぼ30年ぶりの利上げ局面がやってきています。例えば、3月以降は、日銀が介入せず市場参加者に任されている10年ものの金利は、14年ぶりに1.1%ほどにまで上昇。

 これを反映して、銀行金利も上がっています。

 みなさんのスマホやパソコンにも、プッシュ広告で「5年ものの定期預金年0.5%!」など、今までの0.003%といったほとんどゼロ金利に比べ、金利がつき始めてるなと思える広告が届いたりしていませんか?

 みなさんの大切な預貯金を、安全にできるだけ増やす工夫をしてもらいたいです。

◆短めで高い金利を探しましょう

 まず最初に申し上げたいのは、日本国内の銀行や信用組合などの金融機関で受け付けている、円の定期預金は、日本政府の預金保険機構の保証があるということです。

 これは1人、1金融機関につき元本1000万円までのお金と利息をシステムで保証し守ってくれる法律です。もしも、「金利がいいけど、この金融機関は大丈夫かな?」と思ったら、この定期預金は預金保険機構の保証が付いてますよね?と質問してみましょう。

 次に、定期預金は5年といった長期間のものは十分に考えてからにしましょう。

 というのも、これから金利は上がっていきます。5年間も低い金利で固定してしまうと、その間に金利がどんどん上がったら損だと思いませんか? いまは探してもらうと、1年くらいの定期預金でも年0.5%といったものも見つかります。短めで高い金利を探しましょう。

◆安心確実な会社の社債から探してみては

 もっと、高い金利はないの? 残念、と思った方は、証券会社などで扱っている社債も考えてみてはどうでしょう?

 これは、定期預金ではなく、決められた期間、企業にお金を貸して、約束した利息のお金をもらうという商品です。

 注意したいのは、会社が潰れたりしたら、お金はほとんど返ってこない可能性があるということです。だから、安心確実な会社の社債から探してみるのがいいと思います。

 これらは、募集金額と募集期間があります。例えば100億円集まったらおしまいとか、6月30日までで締め切り、などとなります。証券会社に、いい円の社債があったら教えてもらいたいと伝えるとか、ネットなどで時々チェックしてみましょう。

◆気になる社債は?

 例えば最近募集されたもの(すでに締め切りになってます)で気になるものを紹介すると、一つは東北電力株式会社が募集した3年ものの社債です。

 金利は年0.75%です。申し込みは10万円単位。

 東北地方の電力を支えている大会社ですから、倒産の可能性はほぼゼロといって大丈夫な会社ですよね。さらに、金利もなかなかいいですよね。

 もう少しいいものはないのか?

 実は、期間が長いものだと見つかったりします。

 最後にご紹介したいのは、ソフトバンクグループ株式会社の社債です。孫正義さんの会社ですね。こちらは7年という長い期間なのですが、金利が年3.03%です。

 申し込みは100万円からなので、ちょっとハードルは高いですが、これなら、インフレに十分対抗できる金利だと思います。

◆社債は途中解約は原則できない

 ということで、社債もお金の預け先の候補として考えてみましょう。

 ちなみに、社債は途中で解約ということは原則できません。換金することは不可能ではないのですが、その場合は元本割れの可能性もあるので、3年なら3年、7年なら7年の決められた期間は使わないお金で考えましょう。

<文/佐藤治彦>

【佐藤治彦】
経済評論家、ジャーナリスト。1961年、東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業、東京大学社会情報研究所教育部修了。JPモルガン、チェースマンハッタン銀行ではデリバティブを担当。その後、企業コンサルタント、放送作家などを経て現職。著書に『年収300万~700万円 普通の人がケチらず貯まるお金の話』、『年収300万~700万円 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話』、『しあわせとお金の距離について』『急に仕事を失っても、1年間は困らない貯蓄術』など多数 twitter:@SatoHaruhiko

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