【バレー】VNL銀!主要国際大会10年ぶりの表彰台へ導いた“ラッキーガール”/広報リポート

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2024年06月27日 10:00  日刊スポーツ

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笑顔で写真に納まる女子日本代表。2列目右は和田(C)JVA

<女子日本代表広報リポート 第7回>



バレーボール女子日本代表の坪崎亜希子広報がお届けする「女子日本代表広報リポート」の第7回。タイ・バンコクで行われたネーションズリーグ(VNL)ファイナルラウンド(R)で、14年のワールドグランプリ(現VNL)以来、主要国際大会10年ぶりのメダルとなる銀メダルを獲得したチームの舞台裏をお届けします。


◇   ◇   ◇


4週に渡って行われた長き戦い、VNL。灼熱(しゃくねつ)の地タイでファイナルRを迎えました。


大一番となった準決勝の相手は、パリ五輪で対戦することが決まっているブラジル。直近3試合(22年世界バレー、23年W杯、24年VNL予選R)はフルセット負けを喫している難敵です。


真鍋政義監督はVNL初戦の日、5月15日にあることを話していました。


「大きな大会になればなるほど、ラッキーガールが出てこないと勝てない。そしてそのラッキーガールに数多くトスを上げることが、勝つために必要不可欠なことだ」


勝つために必要な要素、ラッキーガール。このブラジル戦で、その地位に躍り出たのが、チーム最年少22歳の和田由紀子選手でした。相手エースのギマラエスに並ぶ両チーム最多の21得点をマーク。因縁の相手からフルセットで勝利を収めました。


ここまで出場機会が限られ、全試合ベンチスタートだった和田選手。物静かながら信念を持ち、前向な姿勢で過ごしてきました。「いつかやってくれる」。そんな期待感を持たせてくれる爆発力は、ここぞという場面でチームを歴史的勝利に導きました。


細身の彼女からは想像できないパワフルなプレーと入念な準備。活躍は“ラッキー”ではなく“必然”だったのかもしれません。


試合を終えた和田選手は「ミスを恐れず、思い切り攻めていこうと思っていました。試合を通して継続して出来たことが良かったです。どういう展開が待ち受けているか、たくさんイメージして試合に挑みました。(世界一を懸けた戦いは)本当に初めての舞台なので、悔いが残らないように楽しんで全員で勝ちにいきたい」と話しました。


そして、ブラジル戦の翌日に行われた、イタリアとの決勝戦。試合前のミーティングで真鍋監督は「世界大会の決勝は特別。今までのバレーボール人生の中でも最高の舞台なので、まずは楽しんで欲しい。今までやってきたことを、全てこの1戦で出せるようにやっていこう」と呼びかけました。リベロの小島満菜美選手も「私たちはチャレンジャーなので、勝つために必要だと思う事は勇気をもってどんどんやっていくことが大事。みんなで知恵を出し合って、組織で戦っていけるように意識してやっていきましょう」とチームを鼓舞。世界一を決める最高峰の舞台に挑みました。


試合は1−3で敗れ、77年W杯バレー以来47年ぶりの主要国際大会のタイトル獲得はなりませんでしたが、堂々の銀メダルを獲得。14年のワールドグランプリの銀以来、10年ぶりに世界大会の表彰台に立ちました。


VNLを終え、次なる舞台はパリ。五輪の目標は今後、選手、スタッフ全員で話し合って設定されます。


チームが抱く、新たな夢は? そして、その先には、どんな景色が待っているのか? すべてのアスリートが目指す世界最高峰の舞台でどんな輝きを見せてくれるのか。今後のバレーボール女子日本代表の活躍に、注目してください!


◆坪崎亜希子(つぼさき・あきこ)1993年(平5)6月25日、北海道千歳市生まれ。小5からバレーボールをはじめ、高3までバレーボール部に所属。現在は番組制作会社に勤務し、日本バレーボール協会広報部撮影班として女子日本代表チームに帯同中。

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