電子黒板からカラー電子ペーパーまで、次の教育ICTには何が採用される? 最先端が分かる「EDIX 東京 2024」で各社のブースを見てきた

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2024年06月27日 16:41  ITmedia PC USER

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バッファローブースの外観

 5月8日〜10日に東京ビッグサイトで「EDIX 東京 2024」が開催された。EDIXは日本最大級の教育に関する総合展示会で、教材やコンテンツ、教育向けICT機器、STEAM教材、業務支援など、さまざまな製品やサービスが一堂に会する。


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 本記事では、その中から大型提示装置やPC周辺機器に関する注目の展示物を紹介しよう。


●独自OSの電子黒板や電子ペーパーディスプレイを展示したシャープ


 文部科学省では、いわゆる電子黒板だけでなく、大型ディスプレイやプロジェクターなど、デジタルコンテンツを大きく映す機能を持つ装置を「大型提示装置」と定義している。


 シャープのブースでは、単体でサイネージとして使えるAndroid搭載の50型インフォメーションディスプレイや新製品の電子黒板、電子ペーパーディスプレイが展示されていた。


 インフォメーションディスプレイは、OSにAndroidを採用しており、単体で手軽にコンテンツを表示できる。学校の文化祭で来場者案内に利用するなど。サイネージとしての運用に適した製品だ。サイズは43型/50型/55型/65型の4モデルで、解像度は全て4Kとなっている。


 シャープは以前から電子黒板「BIG PAD」シリーズを展開していたが、今回はBIG PADのプレミアムモデルに位置付けられる新製品「PN-LA652」(65型)を展示していた。


 プレミアムモデルは、極細ペン先を採用した新しい形状のペンを採用しており、より書き味が向上した。さらに、高いセキュリティを実現するため、あえてAndroidなどではなく独自OSを搭載しているという。


 領域ごとに明るさを調節する「ローカルディミング」によるバックライト制御や、モーションセンサーと明るさセンサーの搭載により、省エネ機能も充実せている。サイズは65型以外に75型と85型があり、いずれも解像度は4Kだ。


 新製品として、E INK社の電子ペーパー技術を採用した電子ペーパーディスプレイ4機種も展示していた。電子ペーパーディスプレイは、表示内容を書き換える時に電力を消費するが、同じ表示を維持する際には電力を消費しない特性があるため、サイネージ利用にぴったりだ。


 42型グレースケールの「EP-421」は、IP65の防水規格に対応しており、屋外設置も可能だ。25.3型の「EP-C251」と13.3型の「EP-C131」はカラー表示にも対応しており、7.3型の「EP-C071」は、4色表示に対応する。


●BenQは電子黒板やレーザープロジェクターを出展


 電子黒板や液晶ディスプレイ、プロジェクターなどを手掛けるBenQは、電子黒板の新製品2シリーズとレーザープロジェクターを出展していた。


 電子黒板「RM04シリーズ」は、Google EDLA認証済みで、Google Playストアのアプリを利用できる。画面サイズは65型と75型の2モデルが用意されており、解像度は全て4Kだ。


 電子黒板「RP04シリーズ」は、RM04シリーズの上位に位置付けられる製品で、RM04シリーズの機能に加えてサブウーファーや空気品質センサー、マイナスイオン発生器も搭載する。


 サイズは65型/75型/85型の3モデルが用意されていた。BenQの電子黒板は海外の大学などでも広く採用されており、日本では特にインターナショナルスクールでの採用が増えているとのこと。


 光源にレーザーを利用したレーザープロジェクターの新製品「LW650」も展示されていた。LW650は、フットプリントがA4サイズで、重量は約2.9kgとコンパクトで軽量だが、4000ANSIルーメンの高輝度を実現している。さらに従来比で70%もの省エネも実現していることが魅力だ。


●Google EDLA認証取得電子黒板を出展していたTVS REGZA


 TVS REGZAは、中国の電機メーカー・ハイセンスの子会社で、東芝・REGZAブランドの映像機器の開発・製造・販売・修理を行うメーカーである。


 TVS REGZAがEDIXに出展するのは今回が初めてとのことだが、同社が開発・販売しているGoogle EDLA認証を取得した電子黒板を出展していた。


 同社の電子黒板は「レグザキャンパス」というブランドで販売されており、ブースに展示されていた「TD-E757TS」は、レグザキャンパスの最新モデルだ。サイズは75型となっている。別に65型モデルも用意されている。Google EDLA認証を取得しているため、Google Playストアからさまざまなアプリをインストールできることが特徴だ。


●アイ・オー・データ機器は大型提示装置のテレビとしての利用を提案


 液晶ディスプレイをはじめとするPC周辺機器メーカーとして有名なアイ・オー・データ機器のブースでは、人感センサーを搭載した液晶ディスプレイや大型提示装置をテレビとして使うソリューションなどを展示していた。


 「BizCrysta」という法人向け液晶ブランドの新製品「LCD-BC271DW-F」は、明るさセンサーと人感センサーを備えており、液晶の前から人が離席すると自動的に液晶の電源をオフにし、また人が戻ってくると液晶の電源をオンにできるため無駄な電力消費を防げる。


 さらに「学校×防災」というテーマで、地震などの緊急時に学校の大型提示装置にテレビチューナーを接続して情報を得られるというソリューションのデモも行っていた。テレビを受信するにはアンテナが必要になるが、マスプロ電工などが発売している室内用簡易アンテナでも十分受信できるという。


 その他、電子黒板と同じように利用できるタッチ操作対応の65型液晶ディスプレイ「LCD-CU651EDB-T」や、液晶ディスプレイにSTBを接続してサイネージ的に使うソリューションを紹介していた。


●屋外用無線LANアクセスポイントや抗菌仕様のキーボード、マウスなどを展示していたバッファロー


 無線LANなどのネットワーク機器に強いバッファローは、法人向け無線LAN機器やスイッチ、ネットワークアセスメント事業、抗菌仕様のキーボードやマウスなど、多くの製品を展示していた。


 学校などの教育現場で一番困るのが、授業中に「Wi-Fiが途切れる」ことだ。バッファローの法人向け無線LAN機器には、「「ローミング支援」「干渉波自動回避」「DFS障害回避」「公平通信制御」の4つの機能が搭載されており、「Wi-Fiが途切れる」という問題を解消できるという。


 1人1台の端末を使う授業が増えてきているが、その場合は、干渉の少ない6GHz帯が使えるWi-Fi 6Eが適している。また、有線のバックボーンに1Gbpsを超えるマルチギガポートを活用することで、有線環境を高速化でき、無線LANの性能もフルに発揮できるので、マルチギガポート対応のスイッチなどを導入することも重要だとアピールしていた。


 また、平常時は授業に使っているWi-Fi機器を、非常時には災害用Wi-Fiとして開放するソリューションも提案しており、そのために適した直射日光にも耐える屋外向けアクセスポイント「WAPM-1266WDRPA」も展示していた。


 さらに文部科学省が推奨しているネットワークアセスメント実施促進事業にも対応しており、ネットワーク環境の調査を低価格で行っているという。その他、学校用として、防水防塵(じん)抗菌仕様のキーボードや防水防塵仕様のマウス、抗菌素材を採用したヘッドセットなども展示されていた。


●TP-LINKは、Wi-Fi 7対応製品を含むネットワーク機器を多数展示


 TP-LINKは、本社をシンガポールに置くネットワーク機器メーカーであり、特に無線LAN機器では世界トップのシェアを誇る。EDIXのTP-LINKブースでは、最新のWi-Fi 7対応無線LAN製品からメッシュルーター、監視用ネットワークカメラまで、さまざまなネットワーク機器が展示されていた。


 TP-LINKは、最新の「Wi-Fi 7×マルチギガ環境」を推進していくというメッセージを掲げ、Wi-Fi 7に対応した無線LANアクセスポイントやマルチギガ対応スイッチなどを展示していた。屋外用無線LANアクセスポイントやコンセント埋め込み型無線LANアクセスポイントなど、さまざまな形態の無線LANアクセスポイントをそろえていることもTP-LINKの強みだ。


 複数のアクセスポイントでメッシュを作るメッシュルーター「Decoシリーズ」についても、Wi-Fi 7に対応した新製品や、5GまたはPoEに対応した製品を展示していた。さらに、ネットワーク対応監視カメラを利用して学校内の監視を行うソリューションもアピールしていた。


●ロジクールはiPad用キーボードカバーや日本未発表のヘッドフォン、書画カメラを出展


 キーボードやマウス、ヘッドセットなどのPC周辺機器メーカーとして有名なロジクールは、iPad用キーボードカバーや日本未発表のヘッドフォン、書画カメラを出展していた。


 「Rugged Combo 4」は第10世代iPad用キーボードカバーで、キーボードとして使わないときには、本体液晶を守るカバーとして利用できる。日本未発表の子供用ヘッドフォンは、子どもの頭にフィットするサイズになっているだけでなく、イヤーパッド部分が簡単に外せるようになっており、イヤーパッドの汚れを簡単にクリーニングできるという。


 また、日本未発表の書画カメラ「Reach」は、上下左右にカメラ位置を変更できるスタンドがセットになっているので、教科書やノートなどをゆがませずに撮影のに便利だ。特にリモート学習で役に立つだろう。


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