わんぷりに猫組コンビ「ニャンダフルプリキュア」登場 子どもから大人まで心をつかむ「猫キュア」の歴史

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2024年06月27日 18:13  ねとらぼ

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「キュアニャミー」&「キュアリリアン」

 2024年6月、「わんだふるぷりきゅあ!」にキュアニャミー、キュアリリアンの猫組コンビ「ニャンダフルプリキュア」が加入しました。ようやくの加わったこの2人、今後の活躍が楽しみですね。


【画像】4人そろった「わんだふるぷりきゅあ!」


 プリキュアシリーズには他にもたくさんの魅力的な「猫キュア」が登場してきました。その歴史を振り返ってみましょう。


●4人そろった「わんだふるぷりきゅあ!」


 2024年6月9日放送の第19話「キュアリリアン、誕生!」で、ついに4人目「キュアリリアン」が初変身しました。変身したのは「猫屋敷まゆ」。引っ込み思案のまゆちゃんの飼い猫「ユキ」への強い思いからの初変身は心打たれるものがありました。


 これで「わんだふるぷりきゅあ!」もようやく4人のプリキュアがそろいました。キュアリリアンは初期からビジュアルが公開されていたため、早く変身しないのかとヤキモキしていた人も多かったかと思います。


 この6月9日(第19話)でのキュアリリアン加入は「初期ビジュアルから公開されているプリキュア」の加入としては、最も遅い追加キュアとなりました(これまでは「ひろがるスカイ!プリキュア」(2023年)のキュアバタフライの6月4日)。


 「トロピカル〜ジュ!プリキュア」(2021年)の追加キュア「キュアラメール」は17話、「デリシャスパーティプリキュア」(2022年)の「キュアフィナーレ」は第18話で追加となったことを思うと、第19話でのリリアンの加入は、ほぼ「追加プリキュア」と同じ時期の加入となっています(つまりリリアンは「初期プリキュアの加入が遅い」というよりも「追加プリキュアが最初から公開されている」感じですね)。


 春にオールスターズ映画がなくなったことにより早期に無理に加入させる必要もなくなり、加入までの人間関係をじっくりと描くこともできるため、わんぷりでも猫屋敷まゆと猫のユキの関係性が濃密に描かれた上での2人の初変身は大きなカタルシスとなりました。


●「猫組」の人気が高い


 「わんだふるぷりきゅあ!」は4人のプリキュアが、飼い主とペットのコンビで犬組(「わんだふるぷりきゅあ」=キュアワンダフル、キュアフレンディ)と猫組(「ニャンダフルプリキュア」=キュアニャミー、キュアリリアン)に分けられ、犬組は明るく元気なコンビ、猫組はお姉さんコンビとなっています。


 新しく追加されたニャミー、リリアンの猫組コンビ、「ニャンダフルプリキュア」は、子どもたちにも大人気となっているようで、2人の変身アイテム「シャイニーキャッツパクト」は東京玩具人形協同組合が運営する「おもちゃ情報net.」の、女の子おもちゃの週間ランキングで発売から4週連続で1位を獲得。さらに一部店舗やネット通販でも品切れで一時期入手が困難になるなど大好評となっているようです。


 また「猫組」は、ニャミー、リリアンともに初変身時はX(Twitter)のトレンドで1位となり、数多くのファンアートが描かれるなど大人にも大人気に。猫が変身したり猫をモチーフとしたりといった、いわゆる「猫キュア」はやはり人気が高いようです。


●児童誌の表紙を飾ったキュアマカロン


 「キラキラ☆プリキュアアラモード」(2017年)に登場した、高校生「琴爪ゆかり」が変身する猫キュア「キュアマカロン」も当時の子ども人気はすさまじいものがありました。


 お姉さんプリキュア、ミステリアスな雰囲気、ロングヘア、紫色、強いといった子どもたちに人気の出る要素を多く兼ね備えたキュアマカロンは、当時の子どもたちをとりこにしました。


 そのあまりの人気っぷりに、当時の児童誌では、キュアマカロンがキュアホイップと一緒に大きく表紙を飾ることとなるのです。


 4人目のプリキュアが主人公と一緒にならんで表紙を飾るのは異例なことです。


 子ども人気の高い追加プリキュア「キュアパルフェ」が登場した後でも、ホイップ、パルフェ、マカロンの3人で児童誌の表紙に大きく登場することもあり、キュアマカロンの当時の子ども人気のすごさがうかがえます。


 「キラキラ☆プリキュアアラモード」のプロデューサー神木優氏も当時のインタビューで「数字としてここまで跳ね返ってきたのは驚きだった」とキュアマカロンの人気について語っています。


 そして、この「ミステリアスなお姉さん猫キュア」、キュアマカロンは子どもだけでなく大人にも人気が高く、プリキュア専門ショップ「プリティストア」で発売されたキュアマカロンのグッズは軒並み売り切れが続きました。


 余談ですがこのキュアマカロンとコンビを組むことが多かった犬をモチーフとした「キュアショコラ」は子どもたちはもちろん、当時の大人のお姉さま方にも大人気となっていました。マカロンとショコラの関係性は当時の大人のプリキュアファンにも注目の的となり、後に「ヒーリングっどプリキュア」のキュアグレース役を演じる声優の悠木碧さんも、このキュアショコラにハマっていたことはプリキュアファンの間でも有名なお話となっています。


●ラブギターロッドが大人気、キュアビート


 猫をモチーフとしたプリキュアの元祖ともいえるのが、「スイートプリキュア♪」(2011年)の3人目のプリキュア「キュアビート」です。


 敵幹部であった猫の妖精「セイレーン」から変身したキュアビートも当時の子どもたちに大人気でした。妖精ハミィとの友情を経て敵幹部からのプリキュア化というドラマティックな展開は盛り上がりましたよね。


 キュアビートの使用する武器アイテム「ラブギターロッド」はギター型からロッド型へ変形するギミックや、トリガーを引いて光弾を出す「プリキュア・ハートフルビートロック」など、子ども心をくすぐるアイテムとなっていて、2011年の「女の子向けおもちゃ」の年間ランキングでは第3位に入るなど大ヒット商品となりました(ちなみに1位は「にゃんにゃんハミィ」、2位は「キュアモジューレ」と、2011年は1〜3位を「スイートプリキュア♪」の玩具が独占していました)。


女児玩具では、7月中旬に発売された「スイートプリキュア♪」の「愛のビート♪ラブギターロッド」が好調。年末に向け順次発売される同シリーズ商品に期待がかかる。『月刊トイジャーナル2011年8月号』(東京玩具人形協同協会)P70


 ちなみに、キュアビートは大人人気もかなり高く、メガハウスの完成品フィギュア「エクセレントモデル」の10周年記念の商品化希望アンケート投票ではキュアビートが第1位となり、「スイートプリキュア♪」では唯一、エクセレントモデルでフィギュア化されています。


 大人的には、キュアビート(黒川エレン)のやや天然なところもありつつ、決めるときは決めるカッコよさや、ハミィとセイレーンの友情の物語、敵幹部トリオ・ザ・マイナーとのほほえましいコント、猫の姿に戻ることが出来なくなってしまったことの是非など、今でもファンの間でも数多く語られている人気のプリキュアです。


●学校に通わない「キュアコスモ」


 「スター☆トゥインクルプリキュア」(2019年)の猫キュア、「キュアコスモ」はレインボー星人のユニが変身する宇宙人のプリキュアです。


 キュアコスモは公式には「虹色プリキュア」ですが、「玩具展開等の関係から、青も代表する色」(「アニメージュ」2019年7月号での柳川あかりPの発言)となっています。


 キュアコスモに変身するユニは、宇宙人であることに加え「ノットレイダーの執事バケニャーン」「宇宙アイドル・マオ」「怪盗ブルーキャット」などさまざまな顔を持つこと、元の姿は獣人であったり、惑星レインボーの長オリーフィオから発生した単一の生命体であったりすることなど、数多くの要素を持つプリキュアです。


 個性を構成するものは1つではなく、人間や物事を多方面から観測することの大切さを描いた「スター☆トゥインクルプリキュア」を象徴するキャラクターとなっています。


 また、ユニは「学校に通わない」プリキュアとなったことも特筆すべき点です。


 「学校に行くことは当たり前。絶対にいかないといけない」みたいな風潮をプリキュアが打破したことには大きな意義があったのではないでしょうか。


 キュアコスモ以降は「ヒーリングっどプリキュア」の風鈴アスミ(キュアアース)や、「ひろがるスカイ!プリキュア」の夕凪ツバサ(キュアウィング)、プリンセス・エル(キュアマジェスティ)など、学校に通っていないプリキュアも出るようになりました。


●猫キュアの魅力


 その他、ライオンもネコ科と見なせば、「キラキラ☆プリキュアアラモード」の「キュアジェラート」も猫キュアの仲間といえるのかもしれません。


 こうしてみると、プリキュアにおける「猫モチーフ」のキャラは「青」や「紫」など寒色系統の色合いになることが多いようですね。


 総じて、猫がモチーフのプリキュアは、スペックが高く強キャラ感もあり、それでいてネコモチーフのかわいさやミステリアスな雰囲気もあるため、子どもたちに人気となるようです。もちろんその魅力は、子どもだけではなく大人の心をもつかむようですね。


 この先のキュアニャミー、キュアリリアンの猫組「ニャンダフルプリキュア」の活躍に期待したいですよね。


 そして「犬組」「猫組」につづく「ウサギ組」は果たして登場するのでしょうか? 楽しみですね。


(C)ABC-A・東映アニメーション


●著者:kasumi プロフィール


プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。


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