50代からの地方移住に向いているのはどんな人?

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2024年06月27日 18:31  All About

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地方移住は、都会の喧騒から離れた場所で第二の人生を始めるには魅力的に感じるかもしれません。しかし、地方移住にはメリットとデメリットがあります。どんな人が地方移住に向いているのか考えてみましょう。
50代になり、これから迎える老後を考えたとき「地方移住」を検討する人もいるでしょう。

地方移住には、地方に住んでいた人が都市で過ごし、また地元に戻ってくる「Uターン」、都市に住んでいた人が地方に移住する「Iターン」、地方に住んでいた人が都市で過ごし、地元に近い地方都市へ移住する「Jターン」があります。

地方移住は、都会の喧騒から離れた場所で第二の人生を始めるには魅力的に感じるかもしれません。しかし、地方移住にはメリットとデメリットがあります。どんな人が地方移住に向いているのか考えてみましょう。

地方移住のメリット

地方移住には、以下の3つのメリットがあります。

メリット1:生活コストの低減

地方暮らしは、都会に比べて生活費が安く抑えられることが魅力です。東京都区部と地方で、1カ月あたりの家計費(消費支出)を比較してみましょう。もとになるデータは、総務省の「2023(令和5)年家計調査」です。

【1カ月あたりの家計費(消費支出)】
・東京都区部:27万9319円
・長野市:26万2284円
・静岡市:23万2366円
・和歌山市:22万5446円

消費支出には、食費、交通・通信、被服及び履物、教養娯楽、光熱・水道、教育などが含まれています。地方の消費支出は、東京都区部の消費支出の8〜9割。生活の仕方を工夫すれば、さらに経済的な負担を軽減することができるでしょう。

メリット2:自然環境の充実

地方移住の大きな魅力は豊かな自然が身近にあるということではないでしょうか。四季折々の風景を楽しむことができ、心身のリフレッシュにつながるでしょう。新鮮な空気やきれいな水、さわやかな草花の香りに囲まれた生活は、都会の喧騒を離れたい人にとって理想的といえそうです。

メリット3:コミュニティーとのつながり

地方での生活は都会生活よりも人間関係が密接となる場合が多いでしょう。春と秋に豊作を祈るお祭りがあったり、親睦会があったり。さまざまな地域の行事や活動がきっかけとなり近隣との交流が深まることもあります。地元の人々との絆が深まれば、孤独感を感じることは少ないのではないでしょうか。

地方移住のデメリット

地方移住には、以下の3つのデメリットがあります。

デメリット1:医療施設の不足

地方には都会に比べて医療施設が少ない地域があります。持病があるという方で専門的な医療サービスを受ける必要がある場合、遠方まで出かける必要があるかもしれません。

デメリット2:交通の不便さ

地方のバスや電車などの公共交通機関は、都会のように整備されていません。地方では、スーパーやドラッグストア、病院などに行くときは、ほとんどが車。車は必須アイテムといえます。そのため、車の購入代、維持費(自動車税、自賠責保険料、任意保険料、ガソリン代、車検代)が大きな出費になります。

デメリット3:仕事や収入の確保が難しい

地方では都会に比べ、求人の数や種類が限られています。地方移住後、働く場所を見つけるとなると、思ったような職種がなかったり、収入が低かったりするという課題があります。

特に定年後も仕事をする場合、事前に就職先や収入源を確保しておくことが重要。安定した収入が確保できなければ、移住後の生活の質が細ってしまう可能性があります。とはいえ、地方で気に入る仕事がなくても、自分の趣味や特技を生かして起業するなどの意欲があれば、問題にならないかもしれません。

地方移住に向いている人

上記のメリット・デメリットを踏まえ、地方移住に向いている人の特徴を3項目挙げます。

向いている人1:経済的に余裕のある人

地方は、都会に比べ生活コストが低減するとはいえ、車が必須となり、一定の初期費用や維持費がかかります。仕事や収入の確保が不安定であれば、ある程度の貯蓄、年金収入がある人が向いているといえます。経済的な余裕があれば、移住後の生活も安定したものになるでしょう。

向いている人2:自然や静かな環境を好む人

地方暮らしは、自然に囲まれた静かな環境での生活を求める人に向いています。自然環境が好きで、自然の中をハイキングしたり、畑仕事をしたりすることを好む人は、地方移住をより満喫することができるでしょう。

向いている人3:コミュニティーに溶け込む意欲がある人

地方の人間関係は都会よりも密接な場合が多く、地域社会の習慣や流儀に合わせられる人が向いています。

漠然と老後に地方移住したいと考えている人は、まずは今回紹介したメリットとデメリットを把握しておきましょう。

文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)

3匹の保護猫と暮らすファイナンシャルプランナー。会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方、心豊かに暮らすための情報を発信しています。
(文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー))

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