鴎外が描いた「意地」とは? 森鴎外記念館で「阿部一族」を中心にコレクション展

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2024年06月29日 10:10  OVO [オーヴォ]

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鴎外が描いた「意地」とは? 森鴎外記念館で「阿部一族」を中心にコレクション展











 社会のでき方が違えば、人々の間にある価値観や倫理も異なる。だから異なる国や時代を描いた文学は、その空気に触れる得難い手段だ。現代の日本では理解を超える「殉死」が物語の一つの軸になっている森鴎外の歴史小説『阿部一族』。作品の魅力を深掘りできる文京区立森鴎外記念館コレクション展、「鴎外の『意地』のはなし―歴史小説『阿部一族』を中心に」が7月5日(金)〜10月6日(日)まで開催される。




 『山椒大夫』や『高瀬舟』など数々の歴史小説を執筆した森鴎外(1862〜1922)が歴史小説の執筆を始めたのは、1912年、明治天皇大葬の日に陸軍大将・乃木希典が殉死したことがきっかけといわれる。その後『興津弥五右衛門の遺書』を書き終え、続けて『阿部一族』『佐橋甚五郎』を執筆。1913年、この三作品を収録した初めての歴史小説集『意地』(籾山書店)を刊行した。










鴎外の二作目の歴史小説『阿部一族』初出誌(「中央公論」28年1号 大正2年1月)
藩主に許されなかった殉死に始まる阿部一族の悲劇を描く。





鴎外初めての歴史小説集『意地』(籾山書店 大正2年)
『阿部一族』『興津弥五右衛門の遺書』『佐橋甚五郎』を収録。





 『興津弥五右衛門の遺書』『阿部一族』では細川氏(熊本藩主)や家臣、『佐橋甚五郎』には徳川家康と家臣が登場し、それぞれが抱える意地が描かれている。コレクション展では、三作品の初期歴史小説を、館蔵資料や作品を読んだ文学者たちの言葉などを通して紹介。鴎外歴史小説の魅力の発見や読書のきっかけにつながる展覧会になりそうだ。




 観覧料は一般300円、中学生以下無料、障害者手帳の提示者と介護者1人まで無料。

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