「夫に首を絞められ、赤ちゃんの上に倒れた」DVで離婚した女性が“国に今すぐやめてほしいこと”<漫画>

1

2024年06月30日 08:50  女子SPA!

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

女子SPA!

ねこ★はちさんのブログ「シングルマザーあるある〜元夫が怖すぎます」より
「共同親権」の導入を柱とする改正民法などが5月17日に、国会で成立しました。この共同親権の導入をめぐって、X(旧Twitter)上では「#共同親権を廃案に」「#STOP共同親権」のタグが連日トレンド入りし、多くの反対署名が集まっていました。

ですが正直なところ、離婚や親権の問題にまったく関係のない立場の場合、彼女/彼らの「反対理由」までは深く知らないという方も多いのではないでしょうか。それがどれほど深刻で切実なものか、場合によっては子どもの命にさえ関わる事情や背景を、私たちは理解しておく必要があります。

共同親権の賛成派の中には「子どもの連れ去り防止」を唱えている人も目立ちますが、育児中の親が子どもを連れて出ていかなくてはならないケースには、どのようなものがあるのでしょうか。

今回は、元夫からのDVから母子共に逃げ、約5年かけて離婚を成立させた体験を漫画化している「ねこ★はち(@8FWktKqQjlp9cXU)」さんに、お話を聞きました。ねこ★はちさんは自身の体験から、共同親権への導入に反対の立場です。

◆共同親権が子どもやDV被害者に危険をもたらす可能性

「共同親権」とは、父親と母親が共同で子どもの親権を持つことを指します。共同親権が導入されると、離婚後も子どもの生活に関わる事柄について、父親と母親が平等に決定できるようになります。たとえば、「どこに住むか」「どの学校に通うか」「健康管理の方針」などについては、父親と母親で話し合い、共に決定していきます。これにより、離婚後も子どもと両親の関わりが増え、子どもの愛情や成長が形成される、とされています。

しかし、共同親権にはいくつかの懸念も存在します。たとえば、離婚後も親同士の意見が合わない場合、子どもの教育や生活に関する決定がスムーズに行えないことが挙げられます。また、離婚の理由が配偶者のDVや子どもへの虐待である場合、共同で親権を持つことが子どもやDV被害者に危険をもたらす可能性もあります。

DV被害を受けている場合は単独親権が認められますが、そのためにはDVや虐待の事実を家庭裁判所に認めてもらわなくてはならず、そのハードルはかなり高いといいます。また、証拠が取りにくい精神的DV、モラルハラスメントなどについては、裁判所がDVや虐待の事実を正確に判断するのが難しいとの指摘もあります。

◆妻の言うことを聞かない夫に「病院へ行け」と言われ続けた

――改めて、ねこ★はちさんが離婚を強く決意されたタイミングを教えてください。

ねこ★はちさん(以下、ねこ★はち)「婚姻中から『元夫と会話が成立しない』、という状況でした。夫は帰宅後、水で一瞬しか手を洗わないので『ハンドソープで手を洗ってほしい』とお願いをしたことがあります。当時飼っていた猫が病気になったので、外からの菌をできる限り持ち込まないように気をつけていたんです。ところが丁寧にお願いをしても、『潔癖症なんじゃないの?』『病院に行った方がいい』と言われ続けました。

日常的に、私になにか言われることが気に入らないみたいで、私の言うことは聞かない。さらに、自分のルールも絶対に変えない人でした。妻は夫の言うことを聞くのが当たり前で、私がなにか話しても鼻で笑うか、バカにした返事をするだけです。お願いをすれば、病気扱いをされていました」

◆夫に首を締められ、赤ちゃんの上に倒れた日

――それは辛かったですね。

ねこ★はち「当時は、何かあるたびに元夫から『鬱なんじゃないか』『頭の病気だ』と言われました。毎日言われ続けたことで、自分でも本当に病気でおかしくなっているかもしれないと思うようになっていました。

元夫は一度、酔っ払って自転車を盗み警察署に勾留をされたことがあります。警察から連絡があったのですが、元夫は何があったのか話してくれず、聞いても『しつこい』の一点張り。当時、臨月だったこともあり『何かあったら心配になるから、遅くなる時は連絡してね』とだけ伝えました。ですが結局、守られることはなかったです。

それからしばらくして、夫が再び深夜に酔っ払って帰ってきたので『どうして連絡してくれないの?』と言ったところ、『仕事だからしょうがないだろ!』と元夫は逆上。そのまま言い争いになり、私は元夫に首を絞められて倒れ、寝ていた子どもの上に覆いかぶさってしまったんです。『赤ちゃんが死んでしまう!』と焦りました」

◆「ただの夫婦喧嘩」勝手に警察を追い返した夫

――あまりに心配な状況です。それからどうなったのでしょうか。

ねこ★はち「携帯電話を夫に取り上げられていたので、誰かに助けを求めることもできません。必死で大きい物音を立てました。近所の方がその物音で通報してくださり、警察が来てくれました。子どもは大泣きでしたが、運良く怪我もなく無事でした。

私が子どもの体を確認し、あやしてミルクをあげている間に、『夫婦喧嘩ですから』と、元夫は警察へ勝手に説明をしてしまいました。ただの夫婦喧嘩ということになり、そのまま警察も帰ってしまったんです。

警察が帰った後は、頭を叩かれ『みっともないことをして、謝れ』と要求されました。何度も謝ったのですが、最後に『離婚なんてみっともないこと、絶対にしないからな』と言い捨てられました。その夜は一睡もできませんでした……。

このままだと私も子どもも殺されると思い、翌朝夫が仕事に出かけた後に、持てるだけの荷物を持って実家に逃げました。帰宅した夫は激怒し『頭がおかしくなって、子どもを連れ去った誘拐犯』と何度も連絡をしてきました」

◆会話が成立しない夫。ようやく離婚を決意した

――生後3ヶ月のお子さんがいる中で、無事に逃げられてよかったです……。

ねこ★はち「はい。しばらくして、ちゃんと話せば夫も話を聞いてくれるかもしれないと思い一度連絡をしたことがあります。でも、『反省しろ』『頭の病院に行け』『態度を改めるまで帰ってくるな。でも子どもは置いていけ』と言われました。

子どもを置いていけと言われても、それまで毎日ワンオペで私が子育てをしていました。夫はほぼ子育てをしておらず、そんな状況で生後3ヶ月の子どもを置いていくわけにはいきません。変わらず会話が成立しない夫の話を聞き、ようやく離婚を決意しました」

========

元夫からのDVで家を出て、離婚を決意したねこ★はちさん。しかしその後、離婚するまでに複数の調停を抱えて約5年かかり、さらには子どもと父親の面会交流にも困難が待ち受けていました。

<取材・文/瀧戸詠未 漫画/ねこ★はち>

【瀧戸詠未】
大手教育系会社、出版社勤務を経てフリーライターに。教育系・エンタメ系の記事を中心に取材記事を執筆。Twitter:@YlujuzJvzsLUwkB

このニュースに関するつぶやき

  • 馬鹿だなこいつ。
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

前日のランキングへ

ニュース設定