ChatGPTから出力される文章のクオリティーがアップする“掘り下げ式”の3ステップ

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2024年07月01日 20:01  ITmedia Mobile

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ChatGPTを翻訳に使う場合の4つのアプローチを紹介しよう

 ChatGPTに長文を出力してもらう時に、工夫しなければ期待したクオリティーは文章は出力されない。しかし、指示を出す順番のコツさえ押さえておけば、かなり出力される文章の質を高められる。


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 本稿では、ブログ記事の原稿を出力させることを想定しつつ、ChatGPTにどのような手順を踏んで指示をすればいいのか、筆者流の「掘り下げ式」のアプローチを解説したい。なお、誤解なきように言っておくと、この記事自体は人力で書いている。


●(1)骨格となる構成要素を出力させる


 ChatGPTで文章を出力させるには、唐突に指示をするのではなく、ある程度の「文脈」を示すことが重要だ。そこで、テキストの骨格となる構成を整えながら、ChatGPTと文脈を共有していく。


 最初の指示は、「〜に必要な要素を5つ挙げてください。」だ。


 ChatGPTは素早く5つの要素を挙げてくれる。ただし、この状態では、それぞれの要素についての描写がかなり抽象的であり、読者としては何を言っているのかイメージしづらいような情報になっている。


●(2)各要素を具体化し、情報を掘り下げていく


 そこで、ChatGPTが上げてくれた5つの抽象的な要素に対して、まるで「それはどういうことですか?」とインタビュアーが不明瞭な発言を掘り下げていくように、具体的な情報を確認していこう。


 例えば、先ほど挙げられた「1. 良質なエスプレッソコーヒー:ラテアートはエスプレッソコーヒーの上にミルクを注いで作られるため、おいしいコーヒーが基本です。良質なエスプレッソコーヒーを用意しましょう。」という回答では、良質なエスプレッソコーヒーが何を指しているのか分かりづらい。そこで「『良質なエスプレッソコーヒー』の定義や条件を教えてください。」のように尋ねる。


 こうした追加質問による情報の掘り下げによって、各要素に関連する具体的な情報の輪郭が固まっていく。この手順を5つの要素に対して繰り返そう。


 なお、先ほどの5つの要素に対して、今回筆者がChatGPTに対して投げた質問は以下の5つだ。


1. 「良質なエスプレッソコーヒー」の定義や条件を教えてください。


2. ラテアートに適した良質なミルクとは、どのようなミルクですか?


3. ラテアートのための適切な泡立て器には、どのようなものがありますか


4. ラテアートに適していないカップと適しているカップの違いを明確にしてください。


5. ラテアートのための練習には、どのようなものがありますか?


●(3)文脈を反映しつつ文章を執筆してもらう


 そして、5つの要素に対する掘り下げが終わったら、それまでの会話を元に文章を書くように指示しよう。


 今回は、「では、これまでの会話を元に『自宅でラテアートを成功させるための必要な5つのこと』というブログ記事を執筆してください」と指示をした。(※チャットに「ために」→「ための」という入力ミスが含まれているがご容赦いただきたい)。


 しかし、まだ抽象度が高いように感じる。そこで「もっと描写を詳しくして、長い記事を書いてください」と追加で指示をした。


 これでようやくそこそこクオリティーの高い文章が出力されたように感じる。筆者はここ数年自宅でカフェラテを入れる生活をしているが、今回の出力では情報の正誤についても致命的な問題はないように思えた。もちろん、細部の校正は必要であるし、ライター視点だと細部の表現や構成の調整する必要も感じるが、ブログの下書きなどでは十分活用できるレベルの文章が出力できていると思う。


 これまでChatGPTを使っても、あまり意図したような文章を出力できなかったという人は、ぜひ今回紹介した3ステップを踏んで再挑戦してみてほしい。


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