【バレー】日本、VNL最高順位の銀メダル獲得も「五輪では次こそ金を」石川祐希は一切満足せず

0

2024年07月02日 05:01  日刊スポーツ

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

日刊スポーツ

フランス戦でスパイクを打つ石川(C)FIVB

<バレーボール・ネーションズリーグ(VNL):日本1−3フランス>◇男子ファイナルラウンド◇決勝◇30日(日本時間7月1日)◇ポーランド・ウッジ



世界ランキング2位の日本が、ネーションズリーグ(VNL)最高順位の銀メダルを獲得した。決勝で同4位のフランスと対戦。東京五輪金の難敵に1−3で敗れたが、主要国際大会では77年W杯バレー以来47年ぶりの準Vを果たした。銅メダルを獲得した前回大会に続き、2年連続で過去最高を更新。金メダルはパリ五輪へお預けとなったが、頂点奪取に向けて掲げた最後のワンピース、「決勝の経験」をクリアし、胸を張ってパリへ乗り込む。


◇  ◇  ◇


47年ぶりの快挙達成にも、主将の顔に一切の満足感はなかった。ベストアウトサイドヒッターに選出された石川祐希(28)は、「オリンピックでは、次こそ金メダルを目指す。目指せるチームだと思っている」と言い切った。お預けとなった72年ミュンヘン五輪以来、主要国際大会2度目の頂点は、パリで−。その日を虎視眈々(たんたん)と見据えた。


東京五輪覇者のフランスの高い壁に、武器のサイドアウトを重ねて食らいついた。失った3セットも、それぞれ21−20、23−23、23−22と、あと1歩まで迫った。最後は準決勝で世界1位ポーランドをフルセットで破った難敵に屈したが、石川は「1点の差でメダルの色が1つ変わってしまう。そこを改めて感じられたし、決勝に来て、1点の重みをより感じられた」と、前哨戦で得た確かな糧を口にした。


パリの頂に立つ最後の“準備”が整った。代表シーズンが幕を開けた5月17日。チームが定めたVNLの目標は、決勝進出だった。昨季は大会史上初の銅メダルを獲得するなど飛躍を遂げた一方、世界の頂点を争う舞台での重圧感はメンバー全員が未経験。それこそが唯一の懸念点だった。石川は「そこを達成すれば、パリを迎えた時に(金メダルの)イメージが明確になる」、ブラン監督も「23年の成績を超えるため、メダルを目指す」と共通認識を形成。五輪1次リーグの組み合わせ決定後に行われたファイナルラウンド(R)は、故障のリスク回避も含めて、本番への調整試合とする選択肢もあった。その中で最後までベストメンバーで戦い抜いた。狙い通り、未知の領域を踏み、足りなかった経験値は大きく向上。石川は「決勝でプレーできたことが今後につながる」とうなずいた。


ミュンヘン以来、52年ぶりの五輪金メダルへ。指揮官は「負けて悔しいが、VNLを通して成長した面がいっぱいある。チームを誇りに思う」と胸を張った。左足首の負傷でファイナルRはリザーブメンバーに回った高橋藍も、パリでは復帰予定。石川は「僕だけではなく全選手が、あと1点、あと1本という思いを持っている。そこをどれだけ意識しながら練習できるかが、オリンピックに向けて重要になる」と言った。実力に実績を重ねた“最強日本”。銀の上は、1つしかない。【勝部晃多】


○…絶対エース石川だけでなく、守護神山本も世界のトッププレーヤーたちに肩を並べた。「前からずっと欲しかった」というベストリベロ賞を受賞。「賞をもらえたことは非常にうれしいが、僕一人で成し遂げられたことではない」と仲間たちに感謝した。五輪では、ここまで切磋琢磨(せっさたくま)し、代表メンバーから外れた同じリベロの小川の思いも胸に、ボールを追う。「メダルを取って小川の首にもかけてあげたい」と誓った。


○…オポジットの両輪が、決勝の舞台で存在感を発揮した。左のエース西田は、石川に次ぐチーム2位の11得点。途中出場の宮浦は、サービスエース2本でリズムをつくり「自分が入ってコート内に変化をもたらせたらいいなと思って思い切りやった」と力を込めた。昨季はフランスリーグで研さんを重ねた仕事人は、自身のサーブ前に相手がタイムアウトをかけるなど脅威の存在に成長。「ブロックは改善しないといけない」と、さらなるステップアップを遂げる。

    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定