「イオンリテール」接客教育にAIを導入、実証実験の結果は？

　イオンリテール（千葉市）は、「イオン」「イオンスタイル」約240店舗で、笑顔とあいさつの質向上を目的とした従業員接客教育にInstaVR（東京都港区）が提供する笑顔・発声トレーニングAI端末「スマイルくん」を7月から導入する。

【その他の画像】

　イオンリテールはリアル店舗の接客応対を強化するために従業員教育を進めているが、目標とする水準に十分に達していないという課題があった。笑顔・発声の基準が人によって異なることで、口角が十分に上がっていなかったり、発声で声量が十分でなかったり、聞きやすい滑舌になっていなかったり、上がり調子・下がり調子が異なっていたり。

　そこで2023年7月から、笑顔・発声をAIで判定し、可視化・標準化を行えるInstaVRの「スマイルくん」を採用し、一部店舗（8店舗：約3400人）の従業員を対象に実証実験を行った。店頭での利用客への笑顔とあいさつについて3カ月間にわたってミステリーショッパー調査を行い、スマイルくん導入による従業員の笑顔・発声の変化を追跡調査。その結果、実験店舗では従業員から利用客への笑顔とあいさつの実施率が、導入前と比べて約1.6倍に向上した。

　現在、「スマイルくん」の導入店舗は、新入社員配属店舗を中心とした240店舗に拡大。笑顔・発声基準の標準化を図ることで、さらなる接客応対とサービスの質の向上につなげていくという。

　イオンリテールは「店舗でエッジAI（デバイス内で直接AI処理を行う形態）を従業員の笑顔・発声の教育に導入する取り組みは世界初」とコメントしている。