ベントレーの新型「コンチネンタルGT」は「ウルトラ」なクルマ?

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2024年07月03日 12:01  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
ベントレーが4世代目となる新型「コンチネンタルGTスピード」および「コンチネンタルGTCスピード」を発表した。新型コンチネンタルGTは「ウルトラパフォーマンス・ハイブリッド・パワートレイン」を積むプラグインハイブリッド車(HV)とのことだが、いったい何がウルトラなのか! 実車を取材してきた。


コンチネンタルGTは登場から20年



ベントレーの新型コンチネンタルGTスピードを深堀りする前に、簡単に歴史からおさらいしておこう。



同社がベントレーモーターズとして歩みを始めたのは1919年。2024年で創業105年という長い歴史がある高級自動車メーカーだ。1998年にはフォルクスワーゲンに買収され先行きが不安視されたものの、2004年に登場した初代「コンチネンタルGT」が大ヒット。コンチネンタルGTはフォルクスワーゲン傘下に入って以降のベントレーを代表するモデルとなった。


初代コンチネンタルGTに乗っていた筆者の知人は、「これまでの高級車にはない独特のフォルム、車内の質感の高さ、ドライブフィールがすばらしい」と絶賛していた。「かなり燃費が悪く、それなりの維持費は覚悟しなければならないが、それを差し引いても乗る価値がある」とも語っていた。特にボディデザインは2004年当時としては斬新で、これまでにない現代の高級車を再定義したといっていい。



それから20年。ついに4世代目へと進化した新型「コンチネンタルGTスピード」は、ひと目見ればすぐにコンチネンタルGTだとわかるボディデザインを残しつつ、中身は長足の進歩を遂げている。「ウルトラパフォーマンス・ハイブリッド・パワートレイン」を初めて搭載したのだ。



ところで、ウルトラとはいったい何のことなのだろうか。


何がどうウルトラ?



新型コンチネンタルGTスピード(GTCスピードを含む)は最高出力600PSの4.0リッターV型8気筒エンジンと190PSの電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッド車(PHEV)だ。動力性能は合計で最高出力782PS、最大トルク1,000Nmに到達。0-100km/h加速は3.2秒、最高速度は335km/hだ。バッテリーをフル充電しておけば、電気だけで80kmの走行が可能となる。

先代モデルの第3世代コンチネンタルGTスピードが搭載していたパワートレインは、6.0リッターのW12エンジンだ。電気モーターは付いていなかった。排気量が大きく気筒数も多いが、動力性能は最高出力659PS、最大トルク900Nm、0-100km/h加速3.6秒(最高速度は335km/hで変わらず)だった。新型は電動化しているので単純な比較はできないが、W12エンジン搭載の先代よりもV8エンジン搭載の新型の方が大幅にスペックアップしている。このあたりが「ウルトラ」といわれる所以だ。



さらに付け加えると、電気モーターによって低速トルクが向上し、V8エンジンと電気モーターが連携することでピークトルク(最大トルク)も向上している。高回転域でもV8エンジンのトルクはW12エンジンよりも高く、最高出力にいたってはすべてのエンジン回転域でW12エンジンを上回っているという。


発表会の会場では、非公式記録としながらも、海底トンネル内(ノルウェーのローガラン県にある全長14.4km、深さ292mのルフルケトンネル)で世界最高速度の新記録を叩き出した際の映像が流された。画面越しとはいえ、野太く、力強いトルクフルなエンジンサウンドで、ウルトラにふさわしい流麗な音色だった。


ベントレーとの接点が増えていく?



発表会では記者からいくつかの質問が出たが、「ベントレーと接点を持っていないユーザーもたくさんいる。こうした人たちにどうアプローチしていくのか?」という問いは印象的だった。これに対して開発担当者は、「さまざまな場所でポップアップイベントを開催し、より多くのお客様にベントレーの存在を知っていただきたいと考えています。さらに、気軽にベントレーに触れていただき、試乗できる機会を増やしていきたい」と回答していた。



高級車ともなると、どうしても気軽には試乗しにくいところがある。初代コンチネンタルGTのヒットで広く認知されたとはいえ、まだ一部のクルマ好きのブランドというイメージもある。クルマに詳しい一部の富裕層しか相手にしないのでは、ビジネスとして成り立たない。ベントレーは決してそんなブランドではない(かつて、まったく買う可能性のない筆者が正規ディーラーを訪れたときも、とても快く応対してくれた)が、多くのユーザーがベントレーと接点を持てるようになることで、クルマの価値を比較できるようになるし、購入を検討するときの判断材料にもなる。誰もが手が届くモデルではないが、買える、買えないは別として、ベントレーの大胆なプロモーションには期待したい。


価格はコンチネンタルGTスピードが3,930万3,000円、オープン仕様のコンチネンタルGTCスピードが4,312万円。生産は2024年第3四半期からで、日本へのデリバリーは2025年の第1四半期を予定している。



室井大和 むろいやまと 1982年栃木県生まれ。陸上自衛隊退官後に出版社の記者、編集者を務める。クルマ好きが高じて指定自動車教習所指導員として約10年間、クルマとバイクの実技指導を経験。その後、ライターとして独立。自動車メーカーのテキスト監修、バイクメーカーのSNS運用などを手掛ける。 この著者の記事一覧はこちら(室井大和)

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