今だからこそ知りたい「Leitz Phone 3」の実力 ガチの「Leica(ライカ)カメラ」っぽく使ってみたら?

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2024年07月03日 17:31  ITmedia Mobile

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赤バッヂが輝くLeitz Phone 3。付属の純正ケースに収めた状態だ

 ライカ(Leica)ブランドのスマホ「Leitz Phone(ライツフォン)」の第3弾「Leitz Phone 3」が登場した。


【その他の画像】


 既に知っている人も多いと思うが、Leitz Phone 3の“中身”は基本的にシャープの「AQUOS R8 Pro」なのだけど、Leitz Phoneに求められるのは、どれだけ『ライカっぽい』味付けをしたアーティスティックな写真を撮れるか、そしてどれだけ『ライカっぽい」操作感を味わえるかというところにあると思う。


 単に、「超広角から望遠まで、満遍なく何でもそこそこに撮れるカメラが欲しい」というだけなら、ライカじゃなくていいからね。


 そんなLeitz Phoneは、第3世代になってどれだけ進化したのか。わざわざLeitz Phoneを選ぶ理由になるような、他とはひと味違う写真を撮れるか。


 気になるよね。チェックしてみよう。


●1型センサーのシングルカメラを搭載


 赤い「Leitz」のバッジがさんぜんと輝くLeitz Phone 3。背面の質感もいい。


 製品には、専用のケースとマグネット式のレンズキャップが付属する。ボディーの処理(質感)は魅力的だけど、このケースを付けて使うことになるのだろうな。


 中央にあるカメラは1型サイズで約4720万画素のシングルカメラ。向かって左にもう1つレンズっぽいのがあるけれどもそれは測距用センサーだ。


 レンズはLEITZ SUMMICRON(ズミクロン)の19mmでF1.9。Leitz Phoneでおなじみのレンズとなる。


 基本だけ押えておくと、レンズとセンサーをフルに使う19mm相当は、カメラアプリでは「0.7x」になる。このときは4画素分を1つにして、約1100万画素サイズの画像が出力される。


 「1x」は35mm判換算で24mm相当で、イマドキのスマホにおける1xに合わせてある。


 ライカらしいのは、撮影画面で「ブライトフレーム」方式を選べるところ。


 「ブライトフレーム」をオンにすると、画面上の画角は0.7x(19mm相当)のまま、24mm相当分の枠(ブライトフレーム)が表示され、実際に写るのはその範囲になる。Leitz Phoneならではの趣向だ。


 レンジファインダーカメラのブライトフレームっぽいデザインでなおかつ、写る範囲の外側も見ながら撮れる。


 「2x」にすると、50mm相当となる。


 続いて、人物も1枚。


 という感じであるが、せっかくのライカブランドのLeitz Phoneなのだから「ここがAQUOS R8 Proとは違うぜ!」ってとこを見たい。


 それは「Leitz Looks」モードである。


●「Leitz Looks」でライカっぽく楽しもう!


 「Leitz Looks」は、ライカ風の写真を撮れる機能だ。ポイントは3つある。


ポイント1:レンズ


 最初に行うは、レンズ選び。ライカを代表する3つのMマウントレンズから選べる。


 基本は「SUMMILUX 28」。SUMMILUX(ズミルックス)はライカの有名にして定番な、開放F値が1.4のレンズシリーズ。28は「28mm」を指す。


 2番目は「SUMMILUX 35」。同じくSUMMILUXの「35mm」版だ。


 3番目は「NOCTILUX 50」。NOXはラテン語で「夜」。つまり、NOCTILUX(ノクティルックス)は夜でも撮れる明るいレンズということで、ラインアップはF0.95とF1.2の2つがある。Leitz Lookでは、F1.2の方で「50mm」となる。


ポイント2:フィルター


 続いて、撮影時のフィルターを選ぶ。モノクロームやシネマクラッシックなど、オリジナルを含めて6つの色調を選べる。


 ずらっと並べてみると、絵作りが結構違うことが分かる。


ポイント3:可変絞り


 そして新機能「可変絞り」だ。


 SUMMILUXはF1.4〜F8、NOCTILUXはF1.2〜F8の範囲で絞りを選べるのだ。といっても、物理的な絞り機構を持っているわけではないので、ここで行うのはF値のシミュレーションとなる。もっとぶっちゃけていえば、そのF値に応じた「ボケ」のシミュレーションだ。ボケの大きさやピントの合う範囲をシミュレートする、疑似的な可変絞りだ。


 やっていることはいわゆるスマートフォンのボケ(ポートレートモードみたいなもの)調整なので、エッジが不自然になったり距離感を誤ることもある。うまくいかないときは、F8にしちゃうとボケの処理が施されない。


 上記A〜Cを組み合わせて撮るのがこのLeitz Phoneの醍醐味といっても過言じゃない。


撮ってみるとどう?


 では撮ってみよう。ガスタンクをLetiz Lookモードで。通常の写真よりシャドー部がぎゅっと締まって少しアンダー目になるようだ(ただしシーンによる)。


【SUMMILUX 28 + ORIGINAL】


 ウオーターマークをオンにすると、撮影データや機種名、ライカのバッジがつくのだけど、せっかくLeitz Lookで撮ったのだから、撮影情報の端っこにでも「SUMMILUX 28 F1.4」と撮影時の設定は書いてほしいよね。レンズの実F値が「F1.9」だとしても。


【SUMMILUX 35+シネマクラシック】


 デフォルトでF1.4になるので、基本がポートレートモードみたいなものと思っていい。なのでそれで人を撮るのだ。


 まずはSUMMILUX 35。フィルターを「シネマクラシック」にし、後ろのガラスに彼女の背中と撮影している自分が並ぶように狙ってみた。“いい感じ”である。


【NOCTILUX 50+モノクローム】


 モノクローム(モノクロ)もいい。NOCTILUX 50にすると、背景もより大きくぼけてくれる。笑顔の写真も撮ったのだけど、なんかこのモノクロの雰囲気にはなんてことない表情の方が似合うと思ってこっちを採用してしまった。すまん。


 なお、元々19mmのカメラなので、35mmとか50mmで使うのでどうしてもディテールの解像感は落ちる。そこはしょうがない。


●Leitz Lookでガンガン撮りまくる


 ではいろんなシーンをLeitz Lookで撮っていこう。それが、このスマホの特徴が見えてくる一番の手段だと思うのだ。


 室内編から行ってみよう。


室内編


【SUMMILUX 28 + オリジナル】


 まず、カレープレートを真上から撮ってみる。色のバランスや階調がよくて実によい感じに。


【SUMMILUX 35 + シネマクラシック】


 次に、カレープレートを食べたお店においてあった古いストーブを撮影。背景がほどよくぼけているのが分かる。渋いなぁ。


【SUMMILUX 35 + シネマコンテンポラリー】


 室内編3番目は、ネコ。


 ちなみに、黒ネコを撮るときは、露出がけっこう安定しない。黒にひっぱられてしまうのだろうな……(ベースモデルのAQUOS R8 Proにもその傾向はあった)。これはうまくアングルを調節して、黒がぎゅっと締まる感じで撮れたもの。


屋外編


 ここからは、屋外で撮った写真を紹介。屋外編は街のスナップを。


【SUMMILUX 28 + オリジナル】


 撮ってみると分かるけど、このカメラは、こういうスナップ写真に向いてると思う。


【SUMMILUX 28 + シネマコンテンポラリー】


 建設中のビルと、さびが浮きだしているモノレールを撮ってみる。個人的に「曇り空」と「さび」の組み合わせは似合うと思う。


【SUMMILUX 35 + エンハンスト】


 お次は原付スクーターを1枚。「エンハンスト」にすると、色はこってりとし、ググっと締まった絵になる。


【NOCTILUX 50 + オリジナル】


 おアーキングメーカーを1枚。背景を大きくぼかしたスナップ写真っていうのもいい。


【NOCTILUX 50 + ヴィヴィッド】


 橋の上から、川に浮かぶ屋形船を1枚。50mm時の解像感は、いまひとつかも……。


【NOCTILUX 50 + オリジナル】


 夜の風景からも1枚。公衆電話を。


【NOCTILUX 50 + モノクローム】


 個人的にはシネマクラシックかシネマコンテポラリーがいい感じかなと思うが、つい撮ってしまうのがモノクロームだ。モノクロの写りはなかなか渋いので、モノクロ写真を量産することに。


【SUMMILUX 28 + モノクローム】


 ショッピングセンターのガチャガチャも、趣深くなる。


【SUMMILUX 35 + モノクローム】


 駅のホームドアを撮ってみたが、ちょっと不自然さがあるかも……。


 なお、Leitz Lookモードのときは、デジタルズームが使えない。単焦点レンズを切り替える感じで、28mm-35mm-50mmから使いたいレンズを選ぶという趣向だ。


●Leitz Phone 3の強みは?


 と、Leitz PhoneらしいLeitz Looksを中心にいろんなシーンで写真を撮ってみた。


 もう1つ、Leitz Phone 3ならではの撮影機能がある。マニュアル写真モードにある「ライカ・パースペクティブ・コントロール」だ。


 下から見上げる形で建物を撮ると、通常は遠近感で上がすぼまって写る。それを垂直補正して撮影する機能がこれ。極端に見上げた構図だとわざとらしくなりすぎるので少し離れたくらいがいい。


 こんな感じだ。


 Leitz Phone 3のベースはAQUOS R8 Proなので、他にも多彩な撮影機能を持っているが、ここではLeitz Phoneらしい撮影に注力してみた。


 ライカが自社ブランドで発売する「Leitz Phone 3」に加え、先日、シャープがライカブランドのレンズを搭載した「AQUOS R9」を発表し(AQUOS R9 Proは登場しなかった)、さらに、Xiaomiが同じくライカと協業したカメラを搭載するフラグシップ機「Xiaomi 14 Ultra」を日本にも投入した。


 その中でLeitz Phone 3の強みといえば、ライカならではのボディーや画面デザイン、汎用(はんよう)性よりもアーティスティックな写真を撮るのが得意なカメラということになるか。


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