【バレー】VNL大会初の銀メダル獲得の舞台裏 リベロの友情、みなぎる自信/広報リポート

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2024年07月04日 10:01  日刊スポーツ

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銀メダルを手に笑顔の3人。左から高橋藍、石川祐希、西田有志(C)JVA

<男子日本代表広報リポート 第8回>



バレーボール男子日本代表の岸翔太郎広報がお届けする「男子日本代表広報リポート」の第8回は、77年W杯バレー以来主要国際大会47年ぶりの銀メダルを獲得したネーションズリーグ(VNL)ファイナルラウンドの裏側をお届けします。


   ◇   ◇   ◇


VNLファイナルラウンドの地、ポーランドに着いたのは準々決勝開始の48時間前。過密日程の中、到着早々にチームでストレッチとウエートトレーニングを実施し、試合前日には朝の散歩を行いました。


準々決勝の相手は、VNL予選で負けているカナダ。3−0でリベンジを果たし、小野寺太志選手は「負けたら終わりの状況の中で集中してプレーができた。時差ボケがある中でベストのパフォーマンスができた」と納得した顔を浮かべました。山本智大選手も「一発勝負だったので絶対に負けないという気持ちで臨んだ。ブロック&ディフェンスの連係が良くいいバレーでした」と振り返りました。


コンディション不良のためメンバーから外れていた高橋藍選手は「大塚選手を外から見ていてすごかった。100%実力を出してました。達宣さんはほんとにミスが少ない。ショートサーブが光っていました」とチームメートの活躍に目を輝かせていました。


そして準決勝。昨年敗退した舞台で対するのは、予選1位通過のスロベニアでした。


試合前、西田有志選手は「スロベニアのオポジットを抑えること。トータルディフェンスが鍵になる。自分自身はサーブでしっかり崩すことを意識したい」と意気込み、その宣言通り、50秒を超えるラリーを演じました。最終的には、ディフェンス力で上回った日本が3−0で勝利。52年ぶりに主要国際大会で決勝戦に進みました!


関田誠大選手は「うれしかった。途中サーブで苦しめられた場面はあったが、よく我慢できた。こういう試合を勝つことが重要だと思う」。石川祐希選手は「1つ目標にしていたので、決勝の舞台を経験できることが何より収穫。金メダルをとりにいくことが重要」と引き締めていました。


VNLでは初めての決勝戦! オリンピック開催国のフランスに1−3で敗れて惜しくも2位となりましたが、47年ぶりの主要国際大会での銀メダルを獲得してVNLが閉幕しました。


高橋健太郎選手は「初めての決勝の舞台で緊張もあった。本当に良いゲームが出来たと思うし、自分たちの強さを証明出来たと思っている。オリンピックでは金メダルしか狙う色がない。悔しかったですけど、誇りを持って日本に帰りたい」。


ベストリベロ賞を受賞した山本選手は「負けたので悔しい気持ちはある。でも、この大会はかなり自信になりましたし、誰が出ても強い日本を見せられた。ベストリベロ賞を取れたのは(同じリベロの)小川選手の存在が大きい。ここまで高め合ってきたライバルであり、親友でもあるので2人で取った賞だと思います」と盟友に感謝しました。


そして、ベストアウトサイドヒッター賞のキャプテン石川選手は、昨年大会で銅メダルを獲得した時に「もっと良い色のメダルを獲得したい」と話しており、宣言通りの銀メダルを獲得! オリンピックに向けては「昨年よりは良い色のメダルになりましたけど、まだまだですね。ただ経験したことのない舞台を経験しようと目標を決めて実現することができて自信になった。メダルを取るイメージは全員あります。オリンピックでは金を目指したいと思います」と宣言しました。


今回の銀メダルでよりオリンピックでのメダル獲得という目標がグッと近づいたと思います。


自信に満ちた表情や落ち着きは、去年よりも格段に増しています。やってくれそうな気がしてなりません! およそ1カ月半のVNL、たくさんのご声援ありがとうございました!


◆岸翔太郎(きし・しょうたろう)1990年(平2)5月19日、埼玉県志木市生まれ。小学校からバスケットボールをはじめ、中学時には全国大会優勝。高校、大学と強豪校でバスケを続け、その後テレビの企画制作会社へ。現在は、昨年に続き、日本バレーボール協会広報部撮影班として男子日本代表チームに帯同し、チームの日々の練習や宿舎での様子などを撮影中。

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