【スケボー】男子ストリート14歳小野寺吟雲「楽しく滑ってるところ見て」泰然自若で最年少V挑戦

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2024年07月05日 05:01  日刊スポーツ

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会見に出席するスケートボードストリートの小野寺吟雲(撮影・勝部晃多)

パリ五輪でメダル量産が期待されるスケートボードの男女日本代表10人が、それぞれの言葉でパリへの決意を示した。4日、都内で代表会見を実施。男子ストリートは、初出場で五輪男子個人種目の最年少優勝がかかる14歳の小野寺吟雲が、泰然自若で大記録に挑戦する。東京大会9位だった白井空良(22)は金でのリベンジを誓った。先月まで行われた五輪予選シリーズで逆転での代表切符をつかんだ東京五輪覇者の堀米雄斗(25)はオンラインで参加した。


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「ただもう、ホントに好きなだけ。楽しく、いつも通り全力で滑るだけです」。小野寺は初々しく、大舞台への思いを口にした。男子ストリートはパリ五輪競技初日の27日に始まり、決勝は翌28日。金メダルを獲得すれば14歳163日で、32年ロサンゼルス大会の競泳1500メートルを制した北村久寿雄の14歳309日を抜く男子個人種目の最年少記録となる。予選シリーズ1位で初切符を手にした中学3年生への期待は高まるが、プレッシャーは「特にないです」。重圧とは無縁とばかりの涼しい顔で、さらりと言った。


ロンドン五輪の2年前、2010年に生まれた新星は、ここまで数々の「最年少」を打ち立ててきた。12歳で初出場した22年日本選手権で史上最年少優勝。同じく12歳だった23年2月の世界選手権は3位に入り、13歳で挑んだ同5月のXゲームは優勝。ともに史上最年少記録としてギネス認定された。今回も年齢と記録に注目が集まるが、小野寺の気持ちは「楽しく滑ってるところを見てほしい」。スケボーを楽しんだ先に結果がついてくる。


五輪では「バスケが見たいです」とにっこり笑った。「みんなかっこいいから尊敬しています」。インスタグラムのフォロワーは36万人超。世界的な知名度を誇る「GINWOO」はパリをとことん楽しみ、歴史に名を刻む。【勝部晃多】


■男子ストリート 白井はパリでの雪辱に闘志を燃やした。東京五輪では予選9位に終わり、上位8人の決勝に届かず。「東京では悔しい思いをしたので、終わった瞬間からパリのことを考えていた。悔しさをぶつけたい」と待ちわびた。世界ランキングは小野寺、堀米に挟まれる2位で、日本勢でのメダル争いは熾烈(しれつ)。「自分にしかできない技を成功すれば、金メダルが見えてくる。自分の滑りを見せる」と意気込んだ。


■男子ストリート エース堀米はどん底からの連覇を目指す。五輪予選シリーズから新たに「ラン」の得点が必ず反映されるルールが採用。「ベストトリック」を得意とする堀米にとっては向かい風となっており「(東京五輪後は)地獄のような3年間だった」と、思うような結果が残せなかった。それでも、同シリーズ最終戦で優勝。日本勢5番手からはい上がり、「なんとか乗り越えられて、光が少しずつ見えてきている」と手応えがある。「ここからが本番」と逆襲を誓った。


■女子ストリート 初出場の赤間は、虎視眈々(たんたん)と頂点をうかがう。「他の人がやらないトリックをやる」という独創性を武器に、昨年の世界選手権で4位に入るなど頭角を現している15歳。「(五輪は)世界中の方が見てくれる機会」と力を込めた。昨夏に骨盤と鎖骨を骨折。「あきらめた方がいいかなと思った」が地道なトレーニングで復活を果たし、代表の座を射止めた。「自分らしい滑りでいい成績を残していけたら」。強心臓の高校1年生がパリで舞う。


■女子ストリート 吉沢恋(初の五輪出場)「とてもうれしい気持ちもあるが、不安もある。楽しむところを楽しんで真剣に取り組みたい」


■女子ストリート 中山楓奈(銅メダルを獲得した東京五輪に続く出場に)「悔いのないように滑りきりたい。ベストトリックで成功率を上げられるように練習を頑張りたい」


◆ストリート 街中にある階段や坂、手すりなどを模したコースで技を競う。障害物を飛び越えたり、レールなどを板で滑るトリックがある。難易度、成功率、スピード、独創性などを審査し、45秒間自由に滑走する「ラン」2回と、一発の技で競う「ベストトリック」5本を行い、ランの最高点とトリックの上位2つの点を合計した得点で競われる。パリ五輪では男女各22人で争われ、予選の上位8人が決勝に進む。

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