井岡一翔とマルチネスの統一戦を米識者3人が予想 スキルvsラッシュの激闘を制するのは?

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2024年07月05日 07:20  webスポルティーバ

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 井岡一翔(志成)に統一戦の舞台が巡ってきた。

 4階級制覇を果たし、現在はWBA世界スーパーフライ級王座を保持する井岡が、7月7日に両国国技館でIBF同級王者フェルナンド・マルチネス(アルゼンチン)を迎え撃つ。マルチネスはジェルウィン・アンカハス(フィリピン)に2連勝した危険な"ラッシャー"であり、好ファイトになることは必至だ。

 同階級では6月30日にジェシー・"バム"・ロドリゲス(アメリカ/帝拳)が、ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)に7回KOで完勝してWBC王座を奪取。試合後、ロドリゲスが「井岡vsマルチネスの勝者と対戦したい」と公言したこともあって、日本での戦いはより大きな注目を集めるに至った。

 この興味深い統一戦はどんな展開、結果になるのか。軽量級に精通する3人の米メディアの識者に3つの質問をぶつけ、試合の行方を占ってみた。

【WBA、IBF世界スーパーフライ級王座統一戦】

◆WBA王者/4階級制覇王者:井岡一翔(35歳/31勝[16KO]2敗1分)

12回戦

◆IBF王者:フェルナンド・マルチネス(32歳/16戦全勝[9KO])

【パネリスト】

●エイブラハム・ゴンサレス(『FightsATW.com』の創始者で、全米ボクシング記者協会の会員。『リングマガジン』のPFPランキング選定委員でもある。Twitter : @abeG718)

●ライアン・オハラ(『Yahoo! Sports』、『FightsATW.com』のライター。全米ボクシング記者協会の会員。Twitter : @OHaraSports)

●ウラジミール・リック(『リングマガジン』、『Boxingscene.com』などで執筆してきたベテランボクシングライター。Twitter : @VladimirLik)

Q1.井岡vsマルチネス戦の注目ポイントは?

ゴンサレス:35歳という井岡の年齢が、この試合をより興味深いものにする。マルチネスも32歳だが、積み重ねた"マイレージ"は日本のレジェンドのほうがはるかに上。リング中央での中間距離での戦いか、あるいは接近戦になるか、距離の取り合いが勝負のカギになるだろう。

 聡明な井岡は相手に簡単には接近を許さず、上質なフットワークで適切な位置取りをしてくるはずだ。シングルかダブルのジャブを打ち込んだあと、足を踏ん張っての右強打か左ボディフックを決めるのが井岡の得意な攻撃パターン。自身のペースと距離を掴めば、ベテランボクサーの勝利が見えてくる。

 一方のマルチネスは真正面から攻める選手であり、ボディと顔面に打ち分けるのが上手ではあるが、そのスタイルは相手を驚かせるものではない。それでも序盤からボディにパンチを決められれば、井岡を弱らせ、後半に活路を見出せるかもしれない。

オハラ:井岡のホームアドバンテージが大きな意味を持つと思う。また、井岡のほうがより頻繁に試合をこなしていることも好感が持てる。マルチネスも見せ場は作るとは思うが、井岡は聡明なボクサー。丁寧に動き回り、立ち位置を変え、スキルを駆使してIBF王者を困惑させると見る。激しい戦いではあっても、どちらが優勢か、明らかな試合になるのではないか。

リック:素晴らしいジャブを持つ井岡と、前に出てくるパンチャーのマルチネスの対戦は、異なるスタイルの激突になる。2020年の大晦日に田中恒成(SOUL BOX畑中)をKOした経験もある井岡は、この階級のどんな相手でも倒せる実力を持つ。

 ただ、ゲームプランどおりに田中を打ちのめした以降は、卓越した戦いはできていない。一方、打ち合いが好きなマルチネスは、敵地開催であることも考慮して、特に接戦の場合にはKOを狙ってくるだろう。2022、23年のアンカハスとの2試合でも、KOには持ち込めなかったが一方的に試合を進めた。そんなマルチネスが得意とする打撃戦を、井岡が避けられるかどうかがポイントになる。

Q2。結果の予想は?

ゴンサレス:井岡はこれまで世界レベルで多くの経験を積み、正面から飛び込んでくるインファイター相手に何度も勝利を収めて来た。今戦でも序盤から左ジャブで自身の距離を掴み、マルチネスにフラストレーションを感じさせるだろう。その上で後半、右ストレートをカウンターで決めるのではないか。井岡が7〜10ラウンドにTKO勝ちを飾ると見る。

オハラ:井岡の3−0判定勝ち。

リック:マルチネスは井岡を苦しめることはできるはずだ。それでも井岡が、最初の4ラウンドのポイントを奪われることがない限り、中盤以降の追い上げで僅差の判定勝ちを手にできると見る。

 井岡にとっての危険なのは、前半で大きなビハインドを負った場合。その際、逆にストップされるリスクを犯してでも逆転を目指して攻め切ることができるのか。ただ、ここでは井岡のうまさを信じ、WBA王者の2−0判定勝ちと予想したい。

Q3.この試合の勝者に、次戦で誰と対戦してほしいか。

ゴンサレス:井岡が勝ったと仮定して、日本人の王者が揃ったバンタム級への挑戦は極めて魅力的に感じられる。ただ、個人的には大晦日にWBO同級王者・田中との3冠をかけての再戦、という展開のほうがより魅力に思える。

オハラ:今戦の勝者は"バム"・ロドリゲスと統一戦を行なうことになるだろう。

リック:エストラーダに勝ったばかりの"バム"が日本まで試合を観にいくということは、井岡vsマルチネス戦の勝者との対戦が実現する可能性が高いということだろう。井岡が勝ったら、バムには「兄のジョシュア ・フランコ(アメリカ)に勝った相手へのリベンジ」というストーリーが生まれる。

 経験豊富な井岡と、アグレッシブなバムというスタイルの対比も面白い。ローマン・ゴンサレス(ニカラグア/帝拳)戦の実現がなさそうな現状で、この階級ではバムvs井岡戦以外にビッグネームの激突の選択肢は残っていない。

このニュースに関するつぶやき

  • 試合前日にうつみんライブへ電話すると思わんかった。毎回集大成の試合となる35歳。思う存分悔いなく爆発を。
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