【ブレイキン】選手団の「顔」SHIGEKIX、セーヌ川で自慢の踊り披露!?「魅力伝えていきたい」

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2024年07月05日 20:34  日刊スポーツ

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パリ五輪日本選手団「TEAM JAPAN」の壮行会であいさつする旗手を務めるブレイキンのSHIGEKIX(撮影・江口和貴)

セーヌ川で船上ダンス!? 26日に開幕するパリ五輪に臨む日本選手団の結団式と壮行会が都内で行われた。旗手を務める新競技ブレイキン男子の半井重幸(SHIGEKIX、22=第一生命保険)は、セーヌ川を各国選手団がクルーズで登場する開会式で、自慢の踊りを披露する意欲十分。フェンシング女子サーブルの江村美咲(25=立飛ホールディングス)と担う大役で状況次第で、アゲアゲのダンスで日本を盛り上げる。


   ◇   ◇   ◇


新たな選手団の「顔」となる世界的ダンサーは、慎重に言葉を選びながら、ほほ笑んで誓った。「現地で実際に考えた上で、約束はできないですが、可能な範囲でいろいろな所で、ブレイキンの魅力を伝えていきたい」。聞かれたのは、開会式で自慢の技を見せる気持ちはあるか。五輪史上初めて、競技場外で行われる式典。トロカデロ広場に上陸するまでの約6キロの川を下る船上で、初採用の競技の輝きを届ける気は−。


伝統の重みが先に頭に浮かんだ。今大会は過度な負担を避けるために主将制度が廃止される中で、江村と2人で日の丸を掲げる。数々の選手が名を連ねた役割に抜てきされ、「驚きもあった」と責任感を抱いてきた。だから軽々しくは宣言できない。


ただ、「制度があることに対しては、1つ表現ができるチャンス、機会をいただけた。最高な景色を皆と一緒に見たい」とも感じてきた。武器は「音楽の解釈」。条件面がクリアになれば、これ以上ないステージで、沿岸の観客の歓声に応じた動きで踊りたい。


旗手初仕事となったこの日は、他競技の選手たちの前で堂々と振る舞った。「チームジャパンが1つにまとまり、背中を押してもらえた1日だった」と感慨に浸ったが、ブレイキンの力を感じる場面もあった。壮行会で男子代表の大能寛飛(Hiro10)がフロアで技を繰り出すと、会場を埋めた総勢6000人以上の参加者が一気に沸騰。何より、それを見た周囲の選手たちが歓声を上げた。海外開催では08年北京大会の339人を超えて最多の400人超えが見込まれる大集団。ブレイキンだからこそ盛り上げられる場面もありそうだ。


自身の競技は大会後半の8月10日に組まれる。現地入りから時間をへての本番になるが、「パリの地を自分のホームと感じる、そんな準備時間を過ごした後に大会を迎えるのがベストな準備の仕方だと思った」とにらむ。昨年の世界選手権銅メダルの金メダル候補。結果もしっかりと残す。


「自分の思いや考え、内に秘めているものを表現、アウトプットすることの喜び、素晴らしさを、競技を通じて全世界に伝えていきたい」。熱い思いを込める場所は試合会場だけに限らない。その舞いで、パリで戦う仲間を鼓“舞”する。【阿部健吾】


◆ブレイキン 別名「ブレークダンス」。1970年代、米ニューヨークで誕生したストリートダンス。貧困下で抗争が絶えなかった中、暴力の代わりにダンスバトルが始まったのがきっかけ。DJが即興で流す音楽に合わせて、ダンサーが1対1で交互に向き合ってパフォーマンスし、ジャッジによる採点式で勝敗を決める。男子はSHIGEKIXと大能寛飛(HIRO10)、女子は湯浅亜実(AMI)、福島あゆみ(AYUMI)が出場する。


◆半井重幸(なからい・しげゆき)2002年(平14)3月11日、大阪狭山市生まれ。ダンサー名はSHIGEKIX。7歳でブレイクダンスを始める。11歳で世界大会に出場。18年10月ブエノスアイレスユース五輪で銅メダル。20年全日本ブレイキン選手権で日本一、同年「Redbull BC One World Final」で最年少世界一に。22、23年も全日本連覇。166センチ、58キロ。姉はブレイクダンサーAYANEこと彩弥。

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