スペインがEURO準決勝一番乗り! 土壇場で失点もメリーノが大仕事…開催国ドイツは8強で散る

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2024年07月06日 04:18  サッカーキング

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延長後半終了間際にメリーノが勝ち越し弾 [写真]=Getty Images
 EURO2024・準々決勝が5日に行われ、スペイン代表とドイツ代表が対戦した。

 ドイツで熱戦が繰り広げられているEURO2024も、いよいよ準々決勝に突入。今大会、優勝候補に相応しいパフォーマンスを見せる好調の両チームが、ベスト4の座を懸けて相まみえる。

 今大会のスペイン代表は、イタリア代表、クロアチア代表、アルバニア代表と同居した“死の組”のグループBを3戦全勝で首位通過。6月30日に行われた決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)のジョージア代表戦では、オウンゴールで大会初失点を喫したものの、その後4ゴールを奪って4−1と逆転勝利し、2大会連続のベスト8入りを果たしていた。

 一方、開催国のドイツ代表は、オープニングマッチでスコットランド代表を5−1で粉砕。続くハンガリー代表戦を2−0で制し、大会一番乗りで決勝トーナメント進出を決めると、最終節のスイス代表戦は1−1のドローで終えたが、無敗でグループステージを終えた。6月29日に行われたデンマーク代表とのラウンド16も2−0で完勝。自国開催のEUROで、2大会ぶりの準々決勝へ進んだ。

 優勝候補同士の一戦に向けて、スペイン代表を率いるルイス・デ・ラ・フエンテ監督は、ジョージア代表戦と全く同じ11名をスターティングメンバーにチョイス。ファビアン・ルイス、ラミン・ヤマル、ニコ・ウィリアムズらが先発に名を連ねた。対するドイツ代表のユリアン・ナーゲルスマン監督は、デンマーク代表戦からスターティングメンバー2名を変更。出場停止から戻ってきたヨナタン・ターが最終ラインに入っただけでなく、エムレ・ジャンを今大会初の先発に抜擢し、トニ・クロースと中盤でコンビを組む。

 試合は立ち上がりからスペイン代表が良い入りを見せる。キックオフ直後の1分、マルク・ククレジャが高い位置へ出てジャンを潰すと、セカンドボールを拾ったファビアンが縦へ繋ぐ。ボールを引き取ったニコが体制を立て直して右足でクロスボールを送り、アルバロ・モラタのポストプレーからペドリが左足を振り抜いたが、ここはGKノイアーに阻まれる。

 勢いを持って試合に入ったスペイン代表だったが、序盤の8分にはアクシデントが発生。直前のプレーで連続してファウルを受けていたペドリが、一度は立ち上がってプレーを続けたものの、ピッチに倒れ込んでしまう。左のひざを気にする素振りを見せたペドリは、最終的にプレー続行が不可能に。代わってダニ・オルモがピッチに送り出され、スペイン代表としては早くも交代カードを切ることとなった。

 その後は両チームがハイレベルな攻防戦を繰り広げる。ドイツ代表は徐々に自分たちの時間を作って敵陣へ侵入する回数を増やすと、21分には敵陣中央で前を向いたイルカイ・ギュンドアンが右サイドへ展開し、高い位置をとったジョシュア・キミッヒが浮き球のクロスボールを送る。中央で高く跳んだカイ・ハフェルツがヘディングシュートを狙うも、ここはGKウナイ・シモンの正面へ。そのハフェルツは続く35分、前線でアントニオ・リュディガーからのロングフィードを収めると、自ら右足を振ったが、またもGKシモンに阻まれた。

 前半も終盤に差し掛かると、スペイン代表が素早い切り替えから見せ場を作る。39分、ククレジャのプレスバックでボールを奪うと、中央のスペースを前進したオルモが右足でミドルシュート。低弾道の一撃は枠を捉えたが、GKノイアーに弾き出され、前半45分間はスコアレスで終了した。

 ハーフタイムには両指揮官が動く。デ・ラ・フエンテ監督は、前半にイエローカードをもらっていたロビン・ル・ノルマンを下げて、国際舞台での経験が豊富なナチョ・フェルナンデスを投入。対するナーゲルスマン監督は攻撃的な交代カードを切り、ジャンに代わってロベルト・アンドリッヒ、レロイ・サネに代わってフロリアン・ヴィルツを送り出した。

 後半に入ると試合が動く。スペイン代表は最終ラインでボールを持ったアイメリク・ラポルテが斜めの方向へ繋ぎ、ピッチ中央に降りてボールを引き出したモラタが右サイドへ渡す。得意の位置でドリブルをスタートしたヤマルは、時間を作って中央へグラウンダーのパスを送ると、走り込んできたオルモが右足一閃。狙い澄ました一撃がゴール左下隅に吸い込まれ、スペイン代表が先手を取った。これでオルモはジョージア代表戦に続き、2試合連続ゴールを記録している。

 1点を追いかける展開となったドイツ代表は、57分に2枚の交代カードを切る。ダヴィド・ラウムに代わってマクシミリアン・ミッテルシュテット、ギュンドアンに代えてニクラス・フュルクルクを投入。前線の枚数を増やし、同点を狙う。

 ドイツ代表はヴィルツやフュルクルクがフィニッシュまで持ち込むシーンを作るも、焦りからか無理に攻め急ぐシーンも見られ、なかなか効果的な攻撃を繰り出せない。それでも70分、ペナルティエリア左で粘ったムシアラが後ろへ繋ぐと、サポートしたミッテルシュテットが左足でクロスボールを供給。ファーサイドで待っていたハフェルツが頭で折り返し、うまく収めたフュルクルクがマイナスへ落とすと、走り込んできたアンドリッヒが右足を振り抜く。強烈な一撃は枠を捉えたが、仕留めることはできなかった。

 スペイン代表が1点をリードして終盤に差し掛かると、77分には右サイドでボールを持ったキミッヒがスペースへ流し入れると、内側を駆け上がったヴィルツがグラウンダーのボールを折り返す。ニアサイドに走り込んだフュルクルクがダイレクトで合わせるも、ここは右ポストに嫌われた。

 後がないドイツ代表は80分、最後の交代カードを切る。最終ラインのターを下げて、“切り札”のトーマス・ミュラーを送り出し、アンドリッヒが最終ラインに下がった。

 タイムアップに刻一刻と近づくなか、逃げ切りモードに入ったスペイン代表に対して、ドイツ代表は敵陣へ押し込み続ける。この姿勢が実ったは89分だった。右サイドからのクロスボールをボックス内でハフェルツが収め、引き取ったヴィルツがマイナスへ繋ぐと、クロースが左サイドへ散らす。ミッテルシュテットが左足でクロスボールを送ると、ファーサイドへ入ったキミッヒが頭で残し、マイナスで待っていたヴィルツが右足で狙う。ワンバウンドしたシュートは左ポストに当たってゴールに吸い込まれ、ドイツ代表が土壇場で試合を振り出しに戻した。

 4分間のアディショナルタイムで逆転を狙うドイツ代表は、右サイドでボールを持ったキミッヒからのクロスボールに、絶妙な動き出しを見せたミュラーが合わせたが、ここはわずかに枠の外へ。このままタイムアップを迎え、試合は延長戦に突入した。

 延長戦が始まる前、ナーゲルスマン監督は攻撃的な布陣に修正を加え、ハフェルツに代えてヴァルデマール・アントンを投入。延長戦に入っても、終盤の勢いそのままにドイツ代表が主導権を握るが、スペイン代表もなんとか耐え凌ぐ。落ち着きを取り戻したスペイン代表は104分、右サイドを連携で崩すと、ボックス手前で前を向いたミケル・オヤルサバルが左足を振り抜いたが、シュートはわずかにゴールの左へ。

 対するドイツ代表は前半アディショナルタイム、敵陣左のスペースでうまく縦パスを受けたムシアラがボールを持ち運び、マイナスへ折り返すと、待っていたヴィルツが左足を振り抜く。きわどいシュートがゴール方向へ向かったが、シュートはほんのわずかに枠を外れた。

 延長後半に入っても、両チーム熱戦を繰り広げたが、なかなか決着はつかない。このままPK戦突入かと思われたが119分、再びゴールネットが揺れた。スペイン代表は右サイドから左サイドへボールを繋ぐと、ククレジャからのパスを受けたオルモが右足でクロスボールを送る。このボールに合わせたのは、後ろから飛び込んできたミケル・メリーノ。ヘディングシュートでゴールネットを揺らし、今度は土壇場でスペイン代表が勝ち越しに成功した。

 またも追いかける展開となったドイツ代表は、ラストプレーでムシアラが左サイドから仕掛け、ファウルを獲得。強引に止めたカルバハルは2枚目のイエローカードで退場処分となった。GKノイアーも前線へ駆け上がり、クロースが希望を込めて右足でフリーキックを蹴ったが、ここはGKシモンがキャッチ。直後、試合終了の笛が吹かれた。

 熱戦を制したスペイン代表が、一番乗りでEURO2024の準決勝に進んだ。一方、1996年大会以来、7大会ぶり4度目の優勝を目指した開催国ドイツ代表の冒険はここで終了。今大会を最後に現役を引退することを表明しているクロースにとっては、これが現役ラストマッチとなった。

 勝利したスペイン代表は、9日に控えた準決勝で、ポルトガル代表vsフランス代表の勝者と対戦する。

【スコア】
スペイン代表 2−1 ドイツ代表

【得点者】
1−0 51分 ダニ・オルモ(スペイン代表)
1−1 89分 フロリアン・ヴィルツ(ドイツ代表)
2−1 119分 ミケル・メリーノ(スペイン代表)

【スターティングメンバー】
スペイン代表(4−3−3)
GK:ウナイ・シモン
DF:ダニエル・カルバハル、ロビン・ル・ノルマン(46分 ナチョ・フェルナンデス)、アイメリク・ラポルテ、マルク・ククレジャ
MF:ロドリ、ファビアン・ルイス(102分 ホセル)、ペドリ(8分 ダニ・オルモ)
FW:ラミン・ヤマル(63分 フェラン・トーレス)、アルバロ・モラタ(80分 ミケル・オヤルサバル)、ニコ・ウィリアムズ(80分 ミケル・メリーノ)

ドイツ代表(4−2−3−1)
GK:マヌエル・ノイアー
DF:ジョシュア・キミッヒ、アントニオ・リュディガー、ヨナタン・ター(80分 トーマス・ミュラー)、ダヴィド・ラウム(57分 マクシミリアン・ミッテルシュテット)
MF:エムレ・ジャン(46分 ロベルト・アンドリッヒ)、トニ・クロース;レロイ・サネ(46分 フロリアン・ヴィルツ)、イルカイ・ギュンドアン(57分 ニクラス・フュルクルク)、ジャマル・ムシアラ
FW:カイ・ハフェルツ(91分 ヴァルデマール・アントン)

このニュースに関するつぶやき

  • よくW杯で日本が勝てましたね。まあ、日本が弱いと思ってる訳ではなくて、決勝トーナメントをピークにしようと思ってたのかな、と考えてます。いい試合で何よりです〜
    • イイネ!1
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