今回は、生涯の平均年収が350万円の人は、将来いくら年金をもらえるのかについてです。
Q:年収350万円の人が将来もらえる年金額は?
「ずっと年収がこのまま350万円だとしたら、将来、年金をいくらぐらいもらえますか? お教えください」(会社員・26歳)A:65歳から、158万4150円の年金を受け取れます
厚生年金の加入期間がある人は、原則65歳になると老齢基礎年金に上乗せして老齢厚生年金を受け取ることができます。相談者のような年収350万円の会社員の人は、厚生年金の加入者になります。今回は、相談者を2024年(令和6年)現在26歳、1998年(平成10年)生まれの方とし、22歳から60歳まで(38年間/456カ月)、生涯平均年収を350万円(ボーナス込み、平均標準報酬額29万2000円)で厚生年金に加入した場合で計算してみたいと思います。
また、相談者は20歳から厚生年金に加入するまでの期間は、国民年金に加入しており、未納期間・免除期間がないこととします。この場合、老齢基礎年金は満額の81万6000円(2024年度(令和6年度))が受け取れます。
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老齢厚生年金(報酬比例部分)の計算式は以下となります。
平均標準報酬額×5.769/1000×平成15年4月以降の厚生年金加入期間(※)
※従前額保障での計算方法。スライド率等については省略。乗率は、昭和21年4月2日以降生まれに適用されるものを使います。平均標準報酬額とは、各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額のことです
相談者の年金額を計算してみます。
【1】老齢厚生年金の報酬比例部分:29万2000円×5.769/1000×456カ月≒年間76万8150円
【2】老齢基礎年金:年間81万6000円
【3】【1】老齢厚生年金76万8150円+【2】老齢基礎年金81万6000円=年間158万4150円
したがって、38年間、ずっと年収350万円の人は、65歳からおよそ年額158万4150円(月額約13万2013円)の年金を受け取ることができます。
また、2024年(令和6年)現在、厚生年金の加入期間が20年以上あると、要件を満たす配偶者がいる場合に、配偶者が65歳になるまで老齢厚生年金に配偶者加給年金額が上乗せしてもらえることになります。
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※経過的加算は考慮していません
※年金額と給与額は額面で計算しています
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)