"ホス狂"女子大生の父「まさか自分の娘が…」 探偵の調査で「風俗勤務」まで発覚、証拠突き付けて音信不通に

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2024年07月15日 08:10  弁護士ドットコム

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「まさか自分の娘が……」。関西在住の60代男性は、今春20歳になった一人娘が巻き込まれた「ホストトラブル」に戸惑いを隠せない。


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大学で学業に励んでいたはずが、昨秋から大阪ミナミのホストにハマり、飲酒禁止の19歳なのにシャンパンタワーも。男性が探偵をやとったところ、支払いのために風俗店で働いていることも明らかになった。



娘とはいまだ連絡がほとんど取れず、住所すらつかめない。男性は「つらいけど待つしかないのでしょうか」と肩を落とす。(ジャーナリスト・富岡悠希)



●大学に入って半年で「ラブホテル」に出入りするように

大阪市内の喫茶店で取材に応じたのは、アツシさん(仮名)。言葉遣い、態度から実直な人柄がにじみ出ていた。記憶を辿り、時折、手元のスマホで確認しつつ、「遅くにできた待望の子」であるマユさん(仮名)に起きたことを話した。



アツシさんの妻が「マユの様子がどうもおかしい」と言い始めたのは昨秋だった。



マユさんは昨年4月から、関西地方にある大学に通い始めた。アツシさん宅から少し距離があったことから、ほどなく一人暮らしを始めた。数カ月間は大学の授業に出て、週数回、飲食店でバイトする生活を送っていた。



当時、妻は、マユさんと頻繁にやり取りをしていたことから、生活の乱れに気付く。妻とマユさんは、スマホで位置情報が共有できる設定にしていたので、確認してみると、マユさんが大阪のラブホテル街に頻繁に出入りしていることがわかった。





●インスタに「シャンパンタワー」をアップした娘

さらに、マユさんのバイト先の店長から「ホストクラブに行っているようですけど、大丈夫ですか?」という連絡が入る。マユさんは友人数人だけが閲覧できるインスタグラムにシャンパンタワーの様子をアップした。



マユさんのバイト仲間経由でそのことを知った店長が、心配してアツシさんたちに電話してきたのだ。



予期せぬ事態に驚いたが、マユさんが正月に帰省した際、問い詰めることはしなかった。このホストクラブ通いが発覚する少し前には、親子3人で旅行を楽しんでいた。筆者は、アツシさんにそのときの写真を見せてもらった。



スリーショットの真ん中に立っていたマユさんは、当時19歳という年齢相応の幼さを残しながらも、カラフルな衣装が似合っていた。アツシさんと妻、どちらにも似ている部分があった。筆者は「優しそうなお嬢さん」との印象を抱いた。



アツシさんは、正月ごろの心境を次のように振り返る。



「ついこの前、親子水入らずの時間を一緒に楽しんだ娘が、ホストのために風俗で働いているなんて。すぐには受け入れられませんでした」





●探偵に張り込み依頼したところデリヘル勤務発覚

アツシさんと妻は、マユさんに事実確認をするためには、確定的な証拠が必要だと考えた。そのため今年になってほどなく、探偵をやとい、マユさんの行動パターンを伝え、張り込みを依頼した。



数日後、派遣型風俗「デリバリーヘルス」(デリヘル)の車からコート姿の彼女が降りる姿を捕らえた1枚の写真が送られてきた。風俗で働いていることが確定した。



「親バレすればデリヘルをやめてくれるだろう」



そう考えたアツシさんは、マユさんにLINEで証拠写真を送った。ところが、娘はアツシさんの予想に反して、強い拒否反応を示す。「親のエゴ押し付けるな」「私の人生は私の自由」「気持ち悪すぎ」。こうした内容の返信を送ってきた。



このあと、マユさんはアツシさん夫婦から距離を置くようになる。一時期は妻からの連絡も無視するようになったことから、大阪ミナミの警察に捜索願を出そうとした。手続き中、警察がマユさんに電話すると応じたことから最終的には不受理になったが、親子関係はこじれた。



大学を休学したことから、マユさんの一人暮らしの部屋は引き払った。その後の一時期、彼女は友人宅に身を寄せたが、長く続かない。生活費を半々にする、部屋の使い方のルールを守ることをマユさんができなかったからだ。連絡があり、荷物を引き取りにいったアツシさん夫婦に、その友人はこう告げたという。



「マユさん異常ですよ。私は彼女が怖いです」



いわゆる「ホス狂」になったことで、マユさんは友人関係まで壊していた。





●デリヘル写真を突き付けたことは裏目に出たか



筆者も娘がいる父親の一人だ。アツシさんがマユさんを案じる気持ちが手に取るようにわかるため、取材中もずっと胸が痛んだ。それでも、きつい質問になるのを承知で、あえて聞いてみた。



「デリヘル勤務の写真を突き付けたことは、裏目になったのではないでしょうか。今振り返ると、別の対応ができたと思えることはありますか?」



それまで質問に対して即答することが多かったアツシさんが、初めてうつむいた。口を閉じたまま約2分が経過したあと、目頭を押さえながら言葉を絞り出した。



「知った以上は、『風俗勤務をやめさせないと』となってしまった。逆効果になったし、間違えました。今、振り返ると他にやりようはあったのでしょうが、当時の私にはそれができず、今でもそれが何かまではわかりません」



アツシさんは昨年11月、新宿・歌舞伎町でホスト店勤務の男性が女性に刺された事件などを通し、ホストトラブルが起きていることを知った。



しかし、それはあくまで東京の話であり、ニュースの世界であり、遊んでいる若者たちの間で起きていると捉えていた。



「まさか自分の娘が……。恋愛経験もろくにないことから、いいようにターゲットにされてしまったのでしょうか。今でも私はマユを心から愛しているし、幸せになってほしいと思っている。つらいけど待つしかないのでしょうか」


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