長く一人っ子だった小学6年生になる息子さん。昨年、念願が叶って妹が生まれ、今は小さな命を溺愛する毎日だ。そんな11歳差兄妹の初対面を収めた動画に反響があり、「涙がでるほど素敵な瞬間」「尊い…」などの声が寄せられている。動画内で“2人目不妊”と約8年間に及ぶ不妊治療の経験を明かしているママに、当時の状況と年の差兄妹の日常について話を聞いた。
【画像】11歳差兄妹、小さな妹を溺愛する小6兄の日常■妊娠が分かっては喜び、流産しては「やっぱり一人っ子がいい」と気を使ってくれた息子
――昨年投稿されたリール「兄と妹の初対面」に反響があり、「温かい気持ちになる」「涙がでるほど素敵な瞬間」「尊い…」など、コメントが相次ぎました。
「私も息子の姿を見てジーンときました。目尻がずっと下がりっぱなしで『妹ができたぁ。ほんまにおったんやな。にぃにやでー』と優しく話しかけていて…。あんなに喜んでいる息子の姿は初めて見ました。妹のlinoは、ずっと一人っ子だった息子にやっとできた兄妹です。Linoが産まれるまで、息子は妊娠が分かっては喜び、流産しては『やっぱり一人っ子がいい』と気を使って言ってくれていました。本当に諦めなくてよかったと思います」
――あれから1年ちょっと。兄妹の日常を投稿するInstagramでは、小さな命を溺愛するお兄ちゃんの姿も話題です。
「妹のお世話をたくさんやってくれています。オムツを替えたり、お風呂からあげて着替えまでしてくれたり…。本当に助かっています」
――11歳の年の差について「2人目不妊」であることを明かされています。お話しいただける範囲で、娘さんが誕生するまでの経緯を教えていただけますか。
「実は、8年ほど不妊治療を行っていました。7年近くタイミング法と人工授精に挑戦していましたが、子どもが1人いましたし、お金のかかる体外受精までは考えていなかったんです。でも、毎日飲み薬を飲み、毎月排卵誘発の注射をしては『今回も無理か…』となることの繰り返しで、このまま続けていても妊娠できる気がしませんでした」
――体外受精に踏み切ったきっかけは、何だったのでしょうか?
「同じく不妊治療をしていた友だちから、助成金の話を聞いたのがきっかけですが、当時38歳だった私は、40歳が間近に迫っていることに焦りも感じていたんです。心の中ではずっと体外受精を試してみたいと思っていたので、主人と『これを最後に』と話し合い、挑戦してみることにしました。3回移植をし、初めの2回は流産してしまいましたが、3回目の移植で娘のlinoを授かりました。強く逞しい女の子です」
■「2人目不妊、悪気のない『兄弟はおったほうがいいよ』が辛かった」
――たくさんの困難をご経験されたと思いますが、一番辛かった時期や、悩んだことについて教えてください。
「一番辛かったのは、タイミング法や人工授精をやっていた時期です。『どーせ今回も無理やろな』と思いながら毎日の飲み薬、毎月の注射、通院を続けていて、何のアクションもなく、どんどん歳だけとっていくことに悲しくなりました。それと、悪気のない『兄弟はおったほうがいいよ』という言葉も辛かったですね。そんなこと誰が決めることでもないですし、子どもが幸せなら一人っ子でも良いと私は思っています」
――辛い時期を乗り越えられた理由はなんだと思いますか?
「前向きな気持ちを持っていたから…かもしれません。これは性格もあると思いますが『1人目できたんやから大丈夫!』『不妊治療中も流産したけれど、4回妊娠しているし可能性はある!』『妊娠できる体やから大丈夫!』『元気な受精卵なら大丈夫!』『そのうちできる!』って変な自信はありました(笑)。体外受精にステップアップしたことで可能性が大きくなり、前向きな気持ちになれたのも大きかったです」
――前向きな気持ちを持つこと、ぜひ見習いたいです。年の差のある兄妹を育てるうえで、心がけていることを教えてください。
「特別何かしているってことはありませんが、愛情は兄妹それぞれに同じだけ注いでいます。『だいすき』も毎日伝えています。それと、息子が自分の時間を持つことも大切なので、妹のお世話をたくさんさせる、といったことはしていません」
――どのような関係の兄妹になって欲しいと願っていますか?
「これからも、ずっと仲良し兄妹でいて欲しいですね。兄妹でのコミュニケーションを大切に、息子には妹の良き相談相手、良き理解者であって欲しいと思っています」