【ラグビー】芦別・羽幌・富良野の合同チーム花園出場に王手!中標津に逆転勝ち「必ず花園」

0

2024年09月21日 20:33  日刊スポーツ

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

日刊スポーツ

芦別・羽幌・富良野対中標津 芦別・羽幌・富良野合同チームは笑顔で勝利の雄たけび(撮影・中島洋尚)

<全国高校ラグビー北北海道大会:芦別・羽幌・富良野14−12中標津>◇21日◇準決勝◇芦別・なまこ山総合運動公園グラウンド



芦別・羽幌・富良野の合同チームが14−12で中標津を下し、花園出場に王手をかけた。


7−12の後半30分、FB苫米地愁(3年)のトライで同点。続くキックも決まり、逆転勝ちした。合同チームの大会2勝以上は、南北北海道大会初。28日の決勝(札幌・月寒ラグビー場)で遠軽を破れば、全国大会史上2例目の合同チームによる出場となる。


   ◇   ◇   ◇


「もう負けだ…」。FB苫米地の目には涙があふれていた。その時、ベンチからの大声が耳に届いた。「愁! アタックしろ!」。残り5メートルの攻防が続く敵陣ゴール前。最終ラインにいた男は、無意識で最前線に駆け上がった。ボールをつかむと、ほんのわずかゴールラインの向こう側に、転がるように飛び込んだ。同点。「声以外は、何も覚えていません。トライ…だったんだ…という感じ」。真っ赤な目のまま、劇的瞬間を振り返った。


芦別が10人、羽幌が13人、富良野が2人。今年の入学式後、どのチームも単独で15人そろわなかった。3校合同の今大会出場が決定的になったのが5月。全員が集まっての練習は、夏休み中の北見合宿と、大会直前の3日間を合わせても、12日ほどだった。「流行のシステムを落とし込もうと考えたが、最初は壊滅的だった」と、羽幌の扇子貴嗣監督(43)は笑う。


地理的に近い芦別と富良野が主にFW、羽幌がバックス中心だが、数人は逆のポジション。実際にボールをつなげない時期は、LINEで動画を送り合い、合同練習の機会に動きを確認した。最初は「こんにちは」と、ぎこちなかったあいさつも、「よおっ」で通じるようになった。8月の北見合宿では、練習終わりに、全員でゲームセンターで遊んだ。


この日は試合前に誕生日の苫米地に向けて全員がバースデーソングを歌い、心を合わせてグラウンドに入り、ラストプレーの逆転劇につなげた。次戦は2連覇を狙う遠軽が相手だが、恐れるものはない。「必ず花園」。スノーボードの全日本選手権スロープスタイルで5位の実績がある夏冬二刀流のFBが、不敵に言った。【中島洋尚】

    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定