<ラグビー・アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ:日本17−41フィジー>◇21日◇決勝◇大阪・花園ラグビー場◇観衆1万4437人
日本(世界ランク13位)が5年ぶり優勝を逃した。
過去4勝15敗のフィジー(同10位)に17−41で完敗。
10−10で迎えた後半に防御が乱れ、計5トライを許した。今大会でエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC、64)が掲げる「超速ラグビー」を落とし込んだ一方、80分の戦いに課題を残した。チームは一時解散を経て、10月26日に日産スタジアムでニュージーランド(同3位)と対戦。11月の欧州遠征は同4位フランス、同5位イングランド戦などを控え、挑戦は続く。
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日本のほころびを、昨秋W杯8強のフィジーは逃してくれなかった。10−13の後半19分。防御を内側に寄せられ、最後は右大外へ振られた。7人制で今夏パリ五輪銀メダリストのロンガニマシにトライを献上。前半は食い止めていた防御が乱れ、次々とたたみかけられた。ジョーンズHCは「痛みは伴うし、悔しいが、現状を確認できた」と評した。
掲げる「超速ラグビー」は、攻撃でも限定的だった。3−0の前半20分、CTBライリーが自ら蹴ったボールをつかんでトライ。個人技で主導権を握ったが、38分にはフッカー原田が危険なタックルで10分間の一時退場となった。以降の好機はラインアウトミスなどで逃し、自陣でBK陣のパスが乱れた。指揮官は「どの部分でもフィジーに勝れなかった」としつつも、準優勝で終えた大会を「強くなった」と前向きに捉えた。
24年に入って代表戦は9試合目。初実戦だった6月のイングランド戦はやみくもにボールを動かし、WTB長田は「『これが自分たちがやるラグビーなのか?』と思った」と手探りだった。準決勝サモア戦からSOに立川、FBに李を配し、効果的にキックで前へ進んだ。スピードを上げる局面は整備され、ピッチ外でも初の海外遠征で若い面々の意思統一が図られた。
24年の代表活動を3分割すれば、いよいよ3フェーズ目に入る。ジョーンズHCは「我々は(日本)史上初めてニュージーランドに勝つチームになりたい」と言い切り「自分の仕事は新しいスコッドを形成すること。次の世代の選手たちを輩出する」とチーム作りはぶらさない。厳しい学びを秋につなげる。【松本航】
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