「当たり前だと思ったら大間違い!」海外在住者の心をつかんで離さない「日本のコンビニ」がすごすぎる

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2024年09月21日 21:50  All About

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「日本のコンビニは素晴らしい!」ということを日本で暮らす皆さんはご存じだろうか。当たり前の存在すぎて、コンビニに行って歓喜するなんてことはないのでは? しかし外国人観光客や在外日本人は違う。日本のコンビニならではの魅力にぞっこんなのだ。
「日本のコンビニは素晴らしい!」ということを日本で暮らす皆さんはご存じだろうか。当たり前の存在すぎて、コンビニに行って歓喜する、なんてことはないのでは?

しかし、外国人観光客や在外日本人は違う。日本のコンビニに足を踏み入れれば、商品ラインナップの豊富さに驚き、サービスのレベルの高さに衝撃を受け、ついつい爆買いしてしまう。そして、もっともっとコンビニを満喫したくなり、フライトを先延ばしにしたい気持ちすら抱く。

今回は、外国人観光客、在外(特に在韓の)日本人の心をがっちり捉えて離さない、日本のコンビニの素晴らしさを語ろう。

あり得ないサービスの充実度

2024年7月1日付のアジア経済新聞(オンライン)の日韓のコンビニ店舗数の推移に関する記事によると、日本では年々コンビニの数は減少傾向にあるが、韓国では毎年1000店舗規模で増加しているという。しかも、日韓のコンビニ店舗数はどちらも5万5000店台であり、店舗数に大きな差がないという。

韓国の方が圧倒的に人口が少ないことを考えるとこれはかなり意外な結果で驚いたが、確かに韓国はコンビニが多い。街を歩けば、すぐにコンビニに当たる。それほど韓国の人々の生活に浸透しているコンビニだが、似ているようで日韓のコンビニで展開されているサービスには違いがある。

日本のコンビニでは当たり前にあるが、韓国では一般的でないサービスに、各種チケットの発券、各種公共料金の支払い、宅配物の受け渡し、コピー機、ATM、トイレの貸し出しサービスなどがある。

このうち、チケットの発券、公共料金の支払いは、 韓国ならではの事情を鑑みると、韓国のコンビニには導入されてないのもうなずける。韓国は“IT大国”とうたわれるだけあって、自宅のPCやスマホで解決できることが非常に多いからだ。それらを使いこなせる高齢者も多い。

また、住宅総数の半数以上がマンションであり、宅配物は管理室で預かってもらえるシステムがあるため、荷物の受け渡しに関しても、多くの人がコンビニに求めているサービスではなさそうだ。それ以外のサービスに関しては、日本のコンビニの便利さを知る者にとっては、やはりあるといいなあ……と思う。

その理由を簡単に列記すると、こんな具合だ。

・コピー機
韓国でコピーをしたい場合は、コピー専門店に行かねばならない。自宅にコピー機を置いてはいるが、故障したときは困ってしまった。コピー専門店がコンビニ並みにあちこちにあるわけではないから。

・ATM
ATMを設置している店舗も一部あるが、多くはない。急に現金が必要になったとき、コンビニを通り過ぎて銀行まで行かねばならない。

・トイレ
トイレも利用できたらいいのに……と思ったことが何度もある。韓国の飲食店、商店街のトイレは利用するのにパスワードが必要だ。当然自由に出入りできない。ピンチのときの救世主的トイレを韓国で探すのは困難なのだ。

これらのサービスは韓国のコンビニでも導入してほしいと切に思う。日本のコンビニはとっても便利なのだ。

「日本のコンビニすごい!」を加速させる驚きのサービスの数々をもう少し挙げてみる。

これを当たり前だと思ったら大間違い

処方薬を受け取ることができるコンビニも増えているというから、これ、実にうらやましい。

薬局の営業時間外でもコンビニに行けば薬が手に入るとなれば、もう日本のコンビニは最強レベルに到達したのではないのだろうか。韓国のコンビニでも、風邪薬、鎮痛剤、湿布などは購入可能だが、処方薬は薬局での受け取りに限られる。

スタッフの接客態度も良い。「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」のあいさつはもちろん、対応もきびきびしているし、親切。これを当たり前だと思っていたら大間違い。

韓国では店内に客がいても“片手にスマホ”の、どことなく力の入らない脱力系アルバイト店員は多い。筆者は現地で長く暮らしているうちにそんなことはもう全く気にならなくなったが、だからこそたまに日本のコンビニを利用すると、圧倒されてしまうくらいの礼儀正しさを感じる。

驚きのサービス、極め付きは、弁当を温めてくれること。「お弁当、温めますか?」と聞かれ、「?」となったと、 韓国の友人たちは口をそろえて言う。言葉が分からなくて「?」なのではない。なぜレジのスタッフがそんなことを聞くのか意味が分からなかったのである。

韓国のコンビニは、イートインスペースに電子レンジが置いてあるが、温めるのはあくまで客自身、つまりセルフなのだ。

あり得ない充実度を誇る商品ラインナップ

日本のコンビニの最大の魅力、商品の充実ぶりの話に移ろう。

棚に並ぶ商品の多様性はもちろん、パッケージの美しさが際立っている。市場に流通する数え切れない商品の中から、厳選された良品があの小さなスペースに凝縮されているのだから、それだけでもわくわくする。

しかも商品が実に丁寧に配置されている。消費者の購買欲をかき立てる工夫がなされているのがよく分かる。陳列の様子を見ることすらもう楽しい。

また、プライベートブランドの豊富さと、そのクオリティーの高さも魅力でしかない。コンビニ各社が独自の味を展開しており、菓子、冷凍食品、スイーツなど、特定のコンビニでしか買えない味が数多くあるのがいい。

韓国のコンビニもここ数年プライベートブランドに力を入れており、話題になるような商品も増えてきた。しかし、日本のプライベートブランド商品と比較すると、種類はまだまだ少ないし、価格とクオリティーの不均衡が感じられて残念に感じるものが多い。

1人で食事をする、ということに対する考え方が日本とは違うので、そもそも弁当のバリエーションも限定的だ。冷凍食品とスイーツも同様。

日本のコンビニに当たり前に並んでいるクオリティーのそれらを韓国のコンビニで手に入れることはできない。レジ横のホットスナックは韓国にもあるが、こちらもやはり種類、味、共に日本のコンビニに軍配が上がる。

そもそも日本の冷凍食品は間違いなく世界最高峰レベル。あのおいしさをコンビニ価格で食べられるのがすごい。

余談だが、日本に数ある冷凍食品の中でも、筆者が特にお気に入りのものが、某コンビニのペペロンチーノだ。帰国するとそのコンビニに足しげく通い、この商品をせっせと買っては食べるせいで、2週間ほどの短い滞在期間にもかかわらず3kgぐらい余裕で増量できる。

日本へ帰国中にコンビニでおいしい食品を食べたいから、年中ダイエットに励んでいるのかもしれない。

本題に戻ろう。

進化形的存在で規格外、シン(神)・コンビニ

皆さんはコンビニには雑誌が売られていることが当たり前だとお思いだろうが、否! 韓国のコンビニには書籍販売コーナーはない。

日本のコンビニのスタンダードを知る者にとっては、一日の終わり、家に帰る途中で「ちょっと雑誌でも買っていこうかな」とできないのは結構さみしい。本屋自体が減少傾向にある昨今、雑誌、その他一部の書籍をコンビニで買えるというのは、実はとてもラッキーなことなのではなかろうか。

日本のコンビニには「エンタメ性」もある。

人気キャラクターとのコラボ商品、アイドルやアニメなどのコンビニくじ、こんなエンタメ性抜群の企画もの商品がある点は、独特だ。海外の人気コスメとの共同開発商品など、あえてコンビニで買いたくなるようなコスメ商品があるのもすごい。

これ、海外では、少なくとも韓国では、決して当たり前のことではない。ここまでくると、もはや日本のコンビニは進化形的存在で規格外。シン(ここではあえて「神」の字を当てたい)・コンビニ!とでも呼びたいぐらいだ。

日本には世界に誇れるものが数多くあるが、そのうちの1つにコンビニがある。これはもう絶対に間違いない! あっぱれ! 日本のコンビニ!

松田 カノンプロフィール

翻訳家・カルチャーライター。在韓16年目、現地のリアルな情報をもとに韓国文化や観光に関する取材・執筆、コンテンツ監修など幅広くこなす。著書に『ソウルまるごとお土産ガイド(産業編集センター)』などがある。All About 韓国ガイド。
(文:松田 カノン(翻訳家・韓国専門カルチャーライター))

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