62歳から特別支給の老齢厚生年金を受給しています。これから月給40万円で会社員として就職すると、年金は減額されるのでしょうか?

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2024年09月22日 18:31  All About

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年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は月給40万円で社会保険に加入した場合、特別支給の老齢厚生年金は減額されてしまうのかについてです。
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は月給40万円で社会保険に加入した場合、特別支給の老齢厚生年金は減額されてしまうのかについてです。

Q:62歳から特別支給の老齢厚生年金を受給しています。これから月給40万円で会社員として就職すると、年金は減額されるのでしょうか?

「昭和36年11月生まれの女性で、62歳から特別支給の老齢厚生年金を受給しています。これから月の給与40万円で会社員として就職をする予定です。社会保険(厚生年金および健康保険)に加入した場合、現在受給している特別支給の老齢厚生年金は減額されるのでしょうか?」(匿名希望)

A:月額給与40万円と特別支給の老齢厚生年金の月額の合計が50万円を超えなければ、年金は支給停止されません

60歳以降、厚生年金に加入して給与収入を得ながら、老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金含む)を受給する場合、基本月額(老齢厚生年金の報酬比例部分の月額)と、総報酬月額相当額(おおよその月収)の合計金額が、支給停止基準額(50万円/令和6年度)を超えると、老齢厚生年金の一部または全額が支給停止されます。この仕組みのことを在職老齢年金制度といいます。

総報酬月額相当額(おおよその月収)とは、(その月の標準報酬月額)+(その月以前1年間の標準賞与額の合計)÷12で計算します。

【在職老齢年金による調整後の年金支給月額の計算式】
基本月額と総報酬月額相当額との合計が50万円以下の場合:全額支給

基本月額と総報酬月額相当額との合計が50万円を超える場合:
基本月額−(基本月額+総報酬月額相当額−50万円)÷2

相談者も社会保険に加入し、月の給与40万円を受け取るのであれば、特別支給の老齢厚生年金の受給額によっては在職老齢年金による支給停止(つまり減額)があるかもしれません。

どれくらいの金額が支給停止されるかは年金の受給額が分からないため明言できませんが、相談者が以下の設定で特別支給の老齢厚生年金と給与、賞与を支給されていたと仮定して、在職老齢年金によって支給される特別支給の老齢厚生年金がいくらになるか計算してみましょう。

・特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)……月額12万円
・月額給与……40万円
・1年間の賞与はなし

この場合の在職老齢年金によって支給停止される特別支給の老齢厚生年金額の計算式は以下の通りです。

(12万円+40万円−50万円)÷2=1万円

つまり「特別支給の老齢厚生年金」のうち月額1万円が支給停止となるため、支給されるのは月額11万円(12万円−1万円)ということになります。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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